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はっけんの水曜日
 
あの電動一輪車に乗りたい!自作してみた(ただし人力)


あのホンダが一輪車?!と最初は半信半疑だった。実際どんなものかは各自検索していただくことにして(と言ってもほとんどの方は目にしたことがあると思うが)、体重移動を感知して倒れず滑らかに、かつ自由自在、縦横に移動する電動一輪車の様子は、静かながらもなかなかに衝撃的だった。

むう・・・乗りたい。乗りたいね、乗りたいわ。そして、欲しい。どこで使うかわかんないけど欲しい。先のモーターショーには出品されたようだが、当分は具体的な商品化の予定はないという。じゃとりあえず買えなくていいけど、試乗はしてみたい。だがこれも、すぐにはその機会もなさそうだ。

なら自分で作って、乗った気になろう。

乙幡 啓子



どう見ても人が“乗る”ことを考えてない

こういうものを作るとなれば、素材は発泡スチロールがいいだろう。件の電動一輪車「U3-X」の実際の大きさは315mm×160mm×650mmと非常にコンパクトだそうだが、売ってたスチロール板の関係で、さらにまた数センチ小さくさせてもらった。

いや、ウソをついた。実際の大きさにできなくもなかったのだけど、「継ぎ足すのが面倒」なのと「今後の置き場に困る」のと「あまり正確に作るとクレームが来やしないか」など諸事情が頭をよぎってこうなった。最後のは、後にまったくの杞憂となるわけだが。


プリントアウトした見本の実寸を計って、それなりに正確に写し取る。
発泡スチロール専用の電熱線カッターより、このカッターのほうが慣れると使いやすいということがわかってきた。粉だらけになるけど。

座面を斜め45度の断面で巧みに切り出した!やりますな。
気がつけば丹念に下地を塗るという丁寧な仕事をし始めていた。注力のバランスがおかしいような。

アクリル絵の具で彩色後、ニス塗りでツヤを出す。未来の乗り物だから!
でもその未来のビークルはマジックテープで接合されちゃうのだ。

 

人力一輪車、って書くと普通だ

その「U3-X」のニュースで、内部の仕組みを解説していた。前後にも、そしてなんと左右にもスイーッと移動できるのは、車輪自体が多数の小さい車輪でできているからだという。よくまあそんなことが思いつき、かつあの小さな筐体に複雑な機構を埋め込めるものだと感心する。

技術者の方々への尊敬の意を表し、上記のように心を込めて作らせていただいた。実際の技術者のように、私なりに試行錯誤を繰り返し(エッジの丸みはどこまで出せばいいか、マジックテープは何で接着すべきか、そもそも動力は何だ、など)、丸2日ほど開発に費やしてしまった。

そう、動力機構をどうするか・・・そこが一番の問題であった。


履き古してよれたスパッツ(レギンスとも言うね)、いきなり登場。
裂いたり縫ったりほどいたり裂いたり縫ったり。

先っちょにはこれまた古いソックスを接合。
そして綿を詰める・・・!目の前に足のようなものが出現してハッとした瞬間の一枚(綿が入ってるから)。

はい、もうおわかりですね。偽の足を作っていたのです。なぜか私の一輪車には、ダミーの足が必要なのだ。しかも動力とは無関係に!

他にも、この一輪車には動力以外の無関係パーツが多く作られているのだが、これらが一体となって滑らかな走行ができるというわけだ。あとは動力の性能にかかっているが・・・。

さあ、いよいよ試乗である。


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