水陸両用バスに乗り込む
定刻通り、事前に予約をしておいた第四便のツアーバスに乗り込む。外から見るとインパクトのある乗り物なのだが、乗ってしまえば普通のバスとそれほど変わらない。でも窓がない。
窓が空いている、というレベルではなくて、フロント以外の窓がないのだ。なるほど、これは寒そうだ。
船長さんによると、世界に何十台かある水陸両用車は、全部窓がないそうだ。これは水上でなにかあっても脱出がしやすい安全設計らしい。
というのが本当なのかジョークなのかは判断不能。全体的にそういうトーンのマイクパフォーマンスでツアーは進んでいきます。
満員のツアー客を乗せたバスは、ガイドさんの号令にあわせて、「船がでるぞー!」というウルトラクイズ的な全員の掛け声とともに出発した。あと20も年をとれば、私もこういうのを素直に楽しめるようになるのかなと思った。
道路を走っているだけで楽しい
この水陸両用バスは国産初という記念すべきもので、ベースはいすゞの8トントラック。いま、いすゞの「ゞ」を表示させる方法で5分悩んだ。
そのため乗り心地は「トラックの荷台に椅子」そのものなので、結構ガタガタする。その揺れと窓のない解放感で、普通のバスとはまったく別な非日常の乗り物になっている。ハワイのトロリーバスとか、遊園地の冒険アトラクションに乗っている気分。
高速道路などでたまに見かける牛馬を載せたトラックに乗った気分といってもいいだろう。ドナドナドナドーナー。
水の上だけに期待をしていたのだが、普通に道路を走っているだけで十分に楽しいというのはうれしい驚きだ。
風がびゅんびゅん入ってくるので、目とか歯が乾くというのも新鮮な体験である。それにしても天気のいい日で本当によかった。
ガイドの方がこれからいくダムの説明をしてくれているのだが、水陸両用バスが楽しすぎて、聞いた話が右から左へと流れてしまう。
ただ道を走っているだけという、乗らないとその楽しさがわからないアトラクション。
そしてバスはダムへと向かった。