とにかくでかい専用建物
見学者たちは一通りの説明を受けた後、いよいよ現場へと案内される。白ヘルメットの係の方に導かれるまま、薄暗い廊下を進み突き当たりのドアを開けると、そこは妙に明るい空間だった。
要するに外なのだ。あら?
そう、外に出てはじめて見えるこの目の前にある工場みたいな建物、これが地球シミュレータ専用の建物なのだ。
そりゃもう、抜群にでかい。
この建物は免震構造といって地震の揺れに強い仕組みが取られている。その他にも内部のコンピュータにとって有害なノイズを遮るために、雷をカットしたり壁を樹脂で作ったり、果ては蛍光灯を使うのもノイズが発生するので特殊な照明を使ったりと、とにかくいろいろ大変なのだとか。
いよいよ内部へ潜入します。
建物は3階構造になっており、1階にはシミュレータを冷やす空調が、2階にはシミュレータを繋ぐケーブルが、そしていよいよ3階に本体である地球シミュレータが配置されている。
見学コースはまず1階の空調装置から見ていく。そんな舞台裏の装置を見ても楽しくないのでは、とお思いだろう。しかし実はここが今回のハイライトでもあるのだ。
空調設備のフロア。工場萌えってこういうことでいいんでしょうか。
かっこいい、でもすごいうるさい
注意書きに書かれていた「ガード下より大きい音の出る場所」というのはこの空調のある1階部分のことだった。
15人の見学者は小さくまとまって係の人のハンドマイクによる説明に耳を傾けているのだけれど、空調機が発する轟音により、マイクの方向が少しでも逸れると説明の声がまったく聞こえなくなるのだ。
これだけ近くてもマイクの音が聞こえません。
どのくらい聞こえないのか、わかりやすいよう動画も撮ってきました。
大声がことごとくかき消される。
どうだ、すごい音だろう。これだけの冷房設備をフル稼働させながら冷やさなければいけないシミュレータとはいったいどんなものなのか。一行はいよいよ3階、地球シミュレータが住むフロアへと上る。