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ちしきの金曜日
 
東京より地方の方がいいと思うところ


山手線は3分おきくらいに走ってるので便利

東京は人が多過ぎる。 人が多過ぎて大変な目に遭うたびに、どうやったらこれが人が少なくて困ってる地方に流れ、バランスがよくなるだろうかと考える。

つい先日も地域格差を思い知るできごとがあり、
「これはやっぱり何か書かなくてはならない…!」
と思ったので、何か書いてみた。

T・斎藤



東京で酷い目に遭った話

たまに東京に行くと、酷い目に遭わされることがある。
もちろん毎回毎回というわけではなく、「たまに」ではあるが、とはいえ、けっこうな頻度で酷い目に遭わされているような気がする。


そびえ立つ都庁

先日、友人の結婚式が東京であり、新宿のホテルに泊まった。朝食付きだったので、翌朝、レストランがある最上階へ向かったところ、信じられない光景が飛び込んできた。

なんと、朝食待ちの人でレストランの前に長蛇の列ができており、エレベーターホールの中までびっしり埋めつくされていたのだ。エレベーターの扉が開いた途端、いきなり満員電車のような状態。

今、地方のホテルは不景気による宿泊客の減少で存亡の危機だというのに、なんたる地域格差だろう?

このまま列の最後尾についたら、朝食のはずが昼食になってしまう!と思い、ひとまず部屋に戻ってフロントに苦情を伝える。すると、朝食会場は3箇所あるので他を当たってみてくれとのこと。

他の会場も同じ状況だった時のことを考え、そのままチェックアウトできるよう、荷物をまとめて部屋を出た。


業務用エレベーターで移動

荷物をまとめて出たのは大正解で、エレベーターの前では
「もう10分くらいココに閉じ込められている」
と携帯で話している一団が。

どうやらそのエレベーターは満員だと扉が開かずスルーされる仕様のようで、さっきから待てど暮らせどエレベーターが来ないらしい。一人が
「非常口から歩いて降りようか?」
と言って非常口に向かったので、私も賛同して後をついていった。

するとそこには階段はなく、業務用のエレベーターがあった。従業員のかたがいたので、事情を伝えると業務用エレベーターに乗せてもらえた。


こんなところに着いた

私以外は全員、ロビーがある3階で降りた。
私はあと2箇所あるはずの朝食会場を目指して、1階まで行った。すると、どう見ても従業員用の通路というところに出てしまい、どこに行ったらいいか完全にわからなくなった。


どこだここは?

アクション映画の主人公がよくこういう通路を歩く場面を見たことがある。映画だったら拳銃を片手に逃げた悪党を追う場面だが、私の場合は朝食券片手に食堂を探してる。

正解の扉を開けたら、ホテルの表の部分に出ることができた。
(不正解の扉も2回くらい開けた)

ふと見ると、朝食会場へと向かう(もしくはチェックアウトして外に向かう)人の群れが、エスカレーターに乗って次々と移動していた。


ホテル内のエスカレーターが朝からこの盛況ぶりってどうよ?

一体、どれだけたくさん人が泊まってるんだ?
エスカレーターがこんな状況なら、どうせまたすごい行列ができてるんだろう。と、悲観的になりつつ、もうひとつの朝食会場である和風レストランに向かう。と、案の定、行列が。

念のため、行列がどのくらいの長さか確かめようと列の横をすり抜け店内に入っていくと、店の入り口部分からは想像できないくらい、その先が長く、相当な待ち行列であることが確認できた。うかつに並ばなくてよかった。昼食になってしまうところだった。

この時点でもうホテルでの朝食はあきらめ、この東京一極集中ともいえる日本の社会構造について考え始めていたが、せっかくなのでもう一箇所ある朝食会場にも行ってみた。

すると、また信じられない光景が目に入った。


臨時朝食会場とな。

臨時朝食会場の件はまだ客に充分周知されてないようで、こちらはさすがに行列はなかった。

こういう対応の機敏さも「さすが東京」というか、こういう状況に慣れてると言おうか。

こうしてようやく私は朝食にありつくことができた。


会議室を急遽朝食場に仕立てたような感じだが、
それほど違和感はなかった。


東京のホテルに泊まったことは何度もあるが、
朝食でこんなに困ったのは初めてだ。

この日はたまたま何かイベント(私の知らないやつ)でもあって混んでいたのだろうか?それともここはいつもそうなのだろうか…?

しかしもし日本に初めて来た外国人がこの状況に遭ったら、もう何がなにやらわからなくなっただろう。
「日本は朝食を食べるのも大変な国だよ」
「日本はエレベータが来なくてホテルを出るのも簡単にはいかない国だよ」
と帰ってから報告したかもしれない。

 

そういえば、以前こんなこともあった。
お台場のホテルに泊まった時のこと。
目的地に向かう前にひとまずチェックインして荷物を置こうとロビーに行ったら、まさかのチェックイン待ちの大行列。


チェックインしようとしたら一時間待ち、みたいな状況

結局、重い荷物預けることもできず、目的地に行く方を先にした。

まぁ、この時は有名なイベントが近くであって、それを知らなかった私の方が悪かったとも言えるが。

 

なぜこれほどまで東京一極集中?

しかしこういった、なんでもない普通のことが出来ないような場面に遭遇するたびに、
「いくらなんでも東京に人集まり過ぎでは?」
といった疑問が浮かんでくる。

東京にこれほど人が集まってくる理由、
それは東京がいいからだ。


THE・都庁

・仕事がある/給料が高い
・同じ商売をしても東京でやった方が儲かる

人が集まるからますます商売が繁盛し、仕事も収益も増える。ますます雪だるま式に人が集まる。東京に人が集まる理由のほとんどはここに集約されると思う。

一方、東京に人が集まってくる分、地方では逆の現象が起きる。つまり人が少なくなって商売が儲からなくなり、結果仕事も少なくなっていく。


私が今住んでる長崎では、有名なホテルもいくつか潰れました。

先日、長崎のホテルで朝食を食べた。
人が少ないおかげもあってすごくゆったりとしていて、朝から優雅な気分を味わうことができた。
「ホテルの朝食巡りというのもけっこういいな。別に泊まらなくても朝食だけ食べに来ていいんだし。今度の記事のネタはそれにしょうかな。」
などと思ったくらいだ。が、ちょうどその翌日、東京のホテルに泊まったら前述のようなまるで正反対の状況。朝食巡りなんてとんでもない話だ。

 

状況改善の策を

これではいかん!ということで
・国会議事堂、最高裁判所等、首都機能の分散
・ふるさと税の導入
などいろいろな対策がずっと前から検討されてるが、いずれも国家レベルの話で、私にはどうすることもできないものばかり。

で、せめて自分にもできることといえば
「地方もけっこういいよ。」
と、地方の利点を唱えることくらい。

 
というわけで、
朝食をなかなか食べられなかった勢いに乗って、
私が思いつく地方の利点を延べてみようかな、と思った次第です。

(前置きがすごく長くなってしまってすみません。しかもここから先は実はあまりなくて、短いです)


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