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ひらめきの月曜日
 
マックポテトを作りたい


なにか秘密があるに違いない

マクドナルドで何が好きかと聞かれたら、迷うことなく「ポテト」と答える。

あのフライドポテト、定期的に食べたくなる魅惑の味というか、他のファーストフードチェーン店の物とは一線を画す風味というか、ちょっと独特な存在感を放っているように思えてならないのだが、気のせいだろうか。

だってアレ、ただ油で揚げて塩を振っただけの味とは明らかに違うと思いませんか。「塩と一緒に何か魔法の粉でも振ってんのか?はたまた特別な揚げ油を?」と、つい疑いたくなるような味というか、なんというか…。

ま、いつまでもこんなことを考えていたってしょうがない。ここはひとつ、自力でマックのポテトに近いものを作ってみようじゃないか。

(text by 高瀬克子



他のポテトはどうだ

まずは比較の為、マック以外のポテトも見てみよう。

ファーストキッチンにて。今回はシャカシャカ振らずに普 通のポテトを所望。
どこかあっさり、サッパリした味です。

お次はモスバーガーの、ちょっと太めのポテト。
中がポクポクしてて、すごくおいしい。

どちらも「普通にサラダ油で揚げたんだろうな。で、塩を振ったんだろうな」と素直に納得できる味である。

これらスティックタイプもいいが、皮ごとゴロンと揚げた重量級くし切りポテトも捨てがたい。


フレッシュネスバーガーはこのタイプ。
いかにも「イモ!」という存在感がたまりません。

中のポクポク度合いは他の追随を許さず。
でも、塩味だけだと物足りなくなるのも確か。

そうなのだ、くし切りポテトはポクポクした食感はいいのだが、その大きさが災いしてか、途中で「なんか他に味が欲しいな」と思ってしまうのだ。それを見越してなのか、フレッシュネスバーガーにはマスタードやケチャップなどのシーズニングが大量に用意してある。

しかし、いま私が求めているのは塩味だけで最後までおいしく食べられ、なおかつ風味豊かなポテトだ。

というわけで、今回目指すポテトの指針が定まった。
・見た目はなるべく太く(くし切りでも可)
・ただし味はあくまでもマクドナルド風で

こんな夢のようなポテト本当に出来るのか?ま、不安だらけではあるが、さっそく試行錯誤するとしようか。

似て非なるもの

細かいことは抜きにして、まずは「私が思う普通のフライドポテト」を作ってみた。


長さが欲しかったので、今回はメークィーンを使用。
それっぽい形に切ってから、

水にさらしてでんぷんを落とし、
水気をよく切って、油の中へ。

最初は低温でじっくり、
だいたい火が通ってからは、高温でパリッと。

最後に火を強くして表面をパリパリにしてみた。全体の揚げ時間は5分もかかってないと思う。

考え方として、間違ってはいないと思うんだ。

で、このポテトがどういう物だったかというと…(あ、味はおいしかったです)

ぐにょー。
しっとりー。

マックうんぬん以前の話だった。ポテト1本が垂直、もしくは水平に真っ直ぐ持てないのだ。なぜだ。最後に高温でガンガンに揚げたというのにどうしたことだろう。

さらに中はポクポクとはほど遠い「しっとり」っぷり。こんな柔らかいポテトフライ、見たことがない。

この時点では「最後の高温部分をもっとガンガンに熱すれば、表面も固くなってくれるだろ」と楽観的に思っていたので、とりあえず味の改良をすることにした。


味の改良=揚げ油を変更。
ああ、なんていい匂いだろう…。

最初に使った油は新品のサラダ油だったのだが、私は新品よりも使い古した油の方が好きだ。好きというか、確実においしいと思う。過去に揚げた食材(肉、魚、きのこ、野菜等々…)のエキスがちょっとずつ残り、油の匂いを嗅いだだけで思わず顔がニンマリするくらいだ。

つまり、これは揚げ物における「ダシ」と言えまいか。

マックのポテトも、きっと揚げ油に秘密があるに違いな い。次はこれで揚げてみよう。


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