右の写真は先日、知人が茨城で撮影したものだ。そこには真っ赤な力強い文字で「ヤンキーピラフ」と書かれている。
知人によれば、看板は国道沿いの喫茶店前に立てられていたものらしい。おそらく「ヤンキーピラフ」はその店の主力メニューなのだろう。
知人は「勇気がなくて店には入れなかった」という。確かに何となく不安をかきたてるネーミングである。
「ヤンキーピラフ」は、いったいどんなピラフなんだろうか? 茨城まで、食べに行ってみることにした。
(text by 榎並 紀行)
とりあえず推理してみる
昨今のブームでB級ご当地グルメは華盛りだ。全国各地で町おこしを狙ったインパクトのあるメニューが生まれている。「ヤンキーピラフ」もそういった類のものだろうか。
しかしそれはおそらく間違いだろう。 なぜならご当地グルメは県の特産や名物と関連付けたメニューが多い。その法則にならうと茨城は「ヤンキー」が名物ということになってしまうからだ。
(1)店主が札つきの元ヤンキーで、その頃に集会で食べた思い出の味を再現したピラフ (2)店自体がヤンキーの溜まり場で、彼らに大人気のピラフ (3)千葉におにぎりを「やんき」と呼ぶ地方があるらしいので、ピラフをおにぎり型に握ったもの。すなわち「ピラフやんき(おにぎり)」転じて「ヤンキーピラフ」
きっとどれかが正解だろうが、できれば(3)であってほしいというのが正直な心情だ。
とはいえ(1)(2)が正解だったときの心の準備もしておきたい。どちらかだった場合、元ヤンキーもしくは現役の方にインタビューをするわけだ。ぼくはこれまでヤンキーに取材した経験はない。
ありがたいことに、ヤンキーを題材にした作品は思いのほか多い。 なかでも『ヤンキー女子高生 茨城最強伝説』という作品は「ヤンキー」でしかも「茨城」なのでテキストとしては最適だろう。主演が有名なセクシータレントなのは、少し気になるが。
そして茨城へ乗り込む
こうした万全の準備を整え、翌日さっそく茨城へと向かった。
よって、取材が少しでも円滑に進めばと、心ばかりの手土産を持参することにした。一般的な社会人の心得である。