思わず、あふれる自分の思いを、レコーダーに録音してしまったほど。
「…ガブガブガブっと食べてしまいそうになるのを、なんとか節制して、ゆっくり食べています。人間の欲望である食を封じると、もし歩いてて、生肉が落ちていたら、生肉でも食べちゃうんじゃないだろうかというくらい、衝動が押さえきれなくなる瞬間もありました。ですからおかゆくらいガブガブ食べてもいい気がするんですが、いきなり深水100メートルのところには潜れないように、少しづつ、浅瀬から、ゆっくり入っていこうと思います…。パックのおかゆというのは馬鹿にしてはいけない味だと思います、この切れ切れに入った、鮭がアクセントになって、塩かげんも絶妙で…やわらかい、お米のやさしさが、胃に染み渡るようで、舌の上から舌の横に、どんどん味が広がっていく感じで、どんどん身体に力がみなぎるようで、とってもおいしいです」
本当に、今までは、味がどんなふうに口に広がるのかなんて、考えたこともなかった。
レンゲを口にはこぶと、舌は、先っぽから真ん中にかけて味を感じる。味はその後、奥のほう両サイドに上がって、上あごのほうに響いていく。
そうだ、この断食あけの今だったら、苦手な「グルメレポート」も出来るかもしれない!
そう思いついて、世界各国の料理が食べられる「外語祭」に行ってみた。 |