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フェティッシュの火曜日
 
その日のうちに二度行く〜おかわり観光〜


おかわりはコーヒーでもご飯でも観光でも何でもできる

先日、孤独なグルメ漫画を読んでいておどろいた。主人公のおっちゃんが定食をおかわりをしていたのだ。

ごはんじゃなくて、定食おかわりか。ああ、できなくもないか。そうか、そうするとおかわりって何にでもできるんじゃないだろうか。

たとえば小さな町に観光に行って、ちょっと物足りないかな、と思ったとき。

その日のうちに、もう一度同じ場所に出かけてはどうだろう?おかわり観光はどうだろう?

大北 栄人



例えばこんなありきたりの観光

寅さんで有名な葛飾柴又に行ってきた。寅さんシリーズを一度も見たことがないうえに、観光地としても大きくはない。

ざっと流していただきたいが、まずはこんな感じで柴又を観光してきた。


柴又駅前寅さん像
帝釈天にお参り
古民家を見たり
矢切の渡しは雨天のため休業
おやつは名物の草団子
柴又を離れ帰路に

高砂駅で藤原君、さよなら

やっぱりちょっと物足りない

滞在時間は2時間30分。各々の集合場所だった、高砂駅までの移動を含めると3時間くらい。

お休みだったところも多かったのでああなんだかちょっと物足らないかな、といったいつもの3時間観光だった。

お互いの帰り道が分かれる高砂駅でおわかれ。改札を出る。だが、今日はここからが本番なのだ。


こんにちは。さあ観光おかわりいこうか。

柴又アゲイン

こうしておかわり観光がはじまった。おかわりした観光は一体どういうことになるのか。

ちょっと見にくいかもしれないけれど、1回目の観光と、おかわり観光をくらべながら見ていきたい。(写真もできるだけ同じように撮っている)


1回目〜柴又着〜

京成線から下町の風景が見える

下町の風景との出会い

今回取材についてってくれる藤原(デイリーポータルのライター)と高砂駅で集合。僕は初めて、藤原は十数年ぶりという柴又をめざす。

藤原は知らぬまに僕と同じカメラを買っていた。「女流一眼」というコピーで世に出てるやつだ。男二人で「女流一眼」ぶらさげて平日昼間に下町観光。まずいぞ。これは何かフリーダムすぎるぞ。

駅をおりると寅さんの像。目の前にひろがる下町の景色がうれしい。ありふれた旅のはじめの部分だ。


何の相談もなく色違いを用意してた
柴又駅に到着
シャッターを頼むのに気後れした

おかわり観光〜柴又着〜

車窓の景色に「見たことある!」と笑いがあふれてくる

見慣れた風景に笑いがとまらない

高砂駅からまた同じ電車に乗る。車窓の風景は旅のおたのしみの一つだが、数分前に見ていた景色が広がるのだ。

「見慣れた」とはまたちがう「さっき見た」風景。この景色、知ってる。そう気づいた瞬間に、二人とも笑いがとまらなかった。

あれも知ってる、これも知ってる、旅だというのに知ってるものが続いていく。笑う、というよりあふれてくる。なんでもない景色にひゃーひゃー笑ってる気持ち悪い二人がここに(色違いの女流一眼ぶらさげて)。

・既視感に笑いがあふれでてくる
(以降、おかわり観光の特徴を青色で記していきます)


見飽きた!
この店さっき行った!
この名物もう食べた!

シャッターを頼むのに気後れなどなし。さっと観光客をつかまえ、さっと撮る、記念写真というお楽しみはもはや作業と化した。

記念写真がただの作業になる

寅さん像との記念写真も、前回はだれにシャッターを頼もうかとおどおどしていたけれど、コツをつかんでるのでササッと終わる。

「じつはもう撮ってるんだけどな」という思いを隠しながらシャッターを頼む背徳感。「はい、チーズ」で徒労の一枚が生まれました。

・悪いことしてないが、もうしわけない気分になる


この観光マップ、全部知ってるな。というかおれ持ってるな。
おもしろグッズの裏側にはたわしが売っていて「一番売り出しやすい場所がそれとそれ!?」ってなってるんだよな。

ほら。(以降、この「ほら。」感覚はエンドレス)

 

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