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はっけんの水曜日
 
「駄菓子屋ゲーム博物館」で熱い勝負を


 

子供の頃、やたらとゲームが充実している駄菓子屋さんが近所にあって、お小遣いをもらってはお菓子も買わずにゲームをやりまくっていた時期がありました。

もちろんゲームといってもテレビゲーム的な物ではなく、駄菓子屋特有のゲーム機でした。ものすごく単純な内容だったと思いますが、異常なまでに熱中していた記憶があります。あの熱い思いを取り戻すため、もう一度駄菓子屋ゲームをやりたい! やりまくりたい! ……まあ、あんまりお金もかからなそうですしね。

北村ヂン



■本当は波瀾万丈な熱い人生を送りたいの


学生の頃はちょろっとパチンコくらいはやっていたものの、最近ではヒマもお金もあまりないもんで、ギャンブル的なものからめっきり足が遠のいているボクですが、 いまひとつ盛り上がりも落ち込みもしないだらーっとした平坦な日々を送っていると時々、脳内に住んでいるもうひとりの自分から。

「ヘイヘイ、日和ってんじゃねーぜ。もっとアグレッシブな人生を送らなくていいのかい!?」

というようなメッセージが電波に乗って届くのです。

そう、本当は血液がフツフツと沸き立って脳みそがとろけちゃうような、ドッキドキする体験を求めてるんです。ボクもたまにはアツアツなギャンブルで勝負をしてみたい! ……でも、あんまお金は使いたくない。

そこで思い出したのが↑こんな感じのゲーム機。

かつて駄菓子屋さんの店頭などによく置いてあった10円入れて遊ぶゲームなんですが、当たればコインザックザク、ハズレりゃ財布スッカラカンという非常にギャンブル性の高いゲーム機でした。

ボクも小学生の頃、ちょっとどーかしちゃったんじゃないかというくらいハマリまくったあげく、一ヶ月分の小遣いを一日でスッてしまい、親からケツにトゥーキックをねじ込まれた記憶が。

でも、これなら気軽にギャンブル気分が味わえるし、なにより10円ゲームなら負けても大して怖くない!(小学生当時は死活問題だったけど)

……ということで、駄菓子屋ゲームが大量に置いてあるというこちらへやってきました。外観だけじゃ何がなんだかよく分からないとは思いますが

地域コミュニティの活性化を目指して板橋イナリ通り商店街に作られたこの「コン太村」というスペースの中に、駄菓子屋ゲームの博物館があるらしいのです。

ちなみに、これがおそらくコン太くんだと思います。そのまんまキツネですね。イナリだけに……。

さて、中に入ってみると昔懐かしの駄菓子屋さん系ゲーム機がズラズラッと。あー、駄菓子屋さんとかさびれた温泉旅館とかにあったなー、この手のゲーム機!

そしてもちろん、お目当てのルーレット機も色々な種類がありました。

それでは早速やってみましょう! 今日はお金いっぱい持って来ちゃいましたからね。

しかも業務用両替までして、小銭もたっぷり持参しました。こりゃあ負ける気がしねえ! やったるでッ!

 

■ルーレットゲームは魔物だッ!

世代によっては全く知らない可能性もあるので一応説明しておきますと、要はクルクル回るランプがルーレットのどの数字で止まるかっていうのを予想するというゲームですね。

10円入れるごとに、各数字に一枠づつ賭けることが出来、さらに20円、30円と同じ数字に賭けると、メダルの払い戻し枚数も2倍、3倍……とバンバン増えていきます。なかなかアツアツなゲームですよ!

それじゃまあ、とりあえずテキトーに賭けてみましょうか。まずは「6」と「30」の2点賭けで……。

あ……・

ウワーッ、あっという間に20円飲まれた!

その後もチョコチョコと賭けていくものの、全然当たらない……。ピピピピピピーッ……とルーレットが回って、止まったら即結果が分かるという展開の早いゲームなので、10円づつとはいえグングンお金が減っていきます。


うーん、結構当たらないもんですな

出たッ究極の賭け方、全賭け! 一回のルーレットで一気に80円も消費してしまうという、小学生にはちょっとマネの出来ない大勝負! 周りにいたガキたちもちょっとどよめいてましたからね。

それじゃスタート!

「6」! やったー、当たったー!

……って、まあそりゃ当たるんですけどね、全賭けしてるんだから。

それでもガッショガッショとメダルが出てくると嬉しい! この辺、画面上で点数が増えていくだけのテレビゲームより遙かに魅力的ですよね。

この機種は、数字が当たった後に真ん中のスロットの数字が揃うとさらに倍になったり……というボーナスがついているようで、「6」が当たったのに何やらいっぱいメダルが出てきました。うひょー、テンション上がるッ!

……ということで今度は台を変えて、さらにガンガン攻めていきます。全ての数字に全賭け×2だッ! 一気に120円分ものメダルを消費してしまう恐るべき賭け方。

しかしボクには今、流れが来ているハズ! 勝っている時に限界まで張るのはギャンブルの常道!

まさかの「0」……。いくらなんでもそりゃないよ!

そういや子供の頃も、こういう無茶な賭け方をするとかなりの高確率で「0」が出てたような気がします。……多分、メダルが出過ぎないように、そういうプログラミングがされてるんでしょうね。

ムカーッ、この機械ブチ壊してー! ま、さすがにもう、ほのかに加齢臭が香り出すくらい大人なのでそんなことはしませんが、昔は怒りにまかせてゲーム機をガンガンぶっ叩いたり蹴ったりしてた記憶が……。

そう考えると、昔のゲーム機ってすごい丈夫だったんですね。(ゴメン、駄菓子屋のおばちゃん)

大勝負に敗れ、すっかり真っ白な灰状態なってしまったボクを尻目に、撮影で同行していた編集部の石川さんがいそいそと両替機の方に。

「ボクもやってみようかなー……」ということで石川さんもチャレンジしてみるようです。

ボクのメチャクチャな賭け方と違い、わりと頭を使った感じで堅実に賭けていく石川さんですが……。

あー……

さっきまでザクザク入ってた10円玉が、あっという間にスッカラカンに。


一流企業(ニフティ)の社員がこんなにションボリしている姿をボクは生まれてはじめて見ましたよ……

まあ、ふたり合わせてもたかだか数百円程度の損失ではあるんですが、実際に10円玉をガンガン入れて賭けていくというゲームは、やはり気合いの入り方が全然違います。

ひとたび負ければ、脳みそはジンジン痺れ、脂汗は吹き出し、血が逆流し、心臓はバックンバックン……でもこういう、ヒリヒリする真剣勝負感を味わいたかったので、そういう意味では大満足でした。久々に「生きてる」って実感することが出来ましたよ(数百円で)。

……まあ、若干機械にもてあそばれている感はありましたが。


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