「駅の数だけ、個性がある」
とは偉い誰かの言葉ではなく、「北海道『道の駅』スタンプラリー2007」のキャッチコピーだ。道の駅のみならず、鉄道の駅にもそれは当てはまる。
駅というのは路線ごとに画一化されているようでいて、じつはさまざまなスタイルを持っているものだ。たとえばホームの床。何気なく踏みしめるホームにふと視線を落としたとき、そこには駅ごとに異なる意匠が凝らされている。
そんな駅ホームの床(以下、ホーム床)を都内でウォッチングしてみましたので、ぜひご覧ください。
(榎並 紀行)
ホームは意外とお洒落だ
「レンガ造りの東京駅」のような、分かりやすい観光資源にはなり得ないかもしれないが、よくみれば意外とお洒落な床も多いのだ。パッチワークの柄に煮詰まったらホーム床を参考にするといい。これはわりと本気のアドバイスである。
JRのホーム床などでよく見られるのはコンクリート質の無骨なオールドスタイル。こうしたベーシックなタイプに加え、ホーム床は、以下3つのタイプに分類できると思う。
タイルタイプ
地下鉄はほとんどこのタイプだ。とくに正方形のタイルを敷き詰めたものが多い。この床は色違いのタイルを使って模様を描けるのが特徴。モザイク柄やドット絵、文字を描くことなども可能である。
コンクリートより表面がつるつるしているので掃除もしやすそうだ。
紋章タイプ
観察するうち、ホーム床にはまれに紋章が描かれていることに気付いた。形もさまざま。限られた駅だけが持っている。
これがある駅には権威なり由緒なりを、べつに感じることはないが、そのマークはどことなく街並みのイメージを表しているような気がした。
デザイナーズタイプ
柄ではなく素材感で個性を出しているタイプである。ウッディーだったり、レザーぽかったり、高級感あふれるホーム床だ。なんとなくデザイナーズタイプと呼びたい。
このタイプはかなり希少なのだが、特別有名ではない駅にこそ、意外な質感のホーム床が見られた。
66の床ホームを紹介します
こうしたタイプを踏まえ、66の床ホームを巡ってきた。
駅といえばその街のランドマークであり公共の財産である。ホーム床だって超一流のデザイナーが手がけたものに違いない。そう思うと、その意匠ひとつひとつが魅力的なものに見えてこないだろうか。
特にぐっときたものを紹介します
スクロールお疲れ様でした。ここまでたどり着いた人はせっかくなので最後までお付き合いください。
次ページからはぼくのおすすめホーム床を紹介しますよ。