いよいよ蒸し初め
書き終わった書き初めは、係の人に渡して蒸してもらう。
蒸している間に、ずっと気になっていたあの謎についてきいてみる。
「なんでまんじゅうに書き初めしようと思ったんですか?」
「それ、さっきも聞かれたんだけどね(※新聞社の人が取材に来てた)。なんでっていわれても…」
「あ、特に理由とかないんですか?」
「うん。記者の人に『書いたものを食べる、ってとこに意味があるんでしょうか?』っていわれたんだけど、別にそういうことでもないしねえ」
「はあ、そうですか」
「それより君たち今日どこから来たの?」
しまいには話を逸らされる始末だ。
いよいよ完成
そうこうしているうちにまんじゅうも蒸し終わり、書き初めまんじゅう完成の時がやってきた。
蒸し上がったまんじゅうは、水蒸気をたっぷり吸って、一回り大きくふくらんでいた。もちろん中までアツアツだ。
そして蒸すことによって食紅の色素も活性化して、書き初めの発色もよくなり…、ということは特になくて、僕が描いたふにゃっとした虎は相変わらずふにゃっとしたままで、皺だけが少し増えていた。
結局なんだったんだ
結局なんだかよくわからなかった、「まんじゅうに書き初め」。よくよく聞いてみると、去年も同じように「まんじゅうに書き初め」は開催されていたそうだ。こういう突拍子もないイベントも、毎年続けていれば恒例になっていくのだろう。「なんでまんじゅうに?」なんて誰も疑問に思わなくなるその日まで、ぜひ毎年続けてほしいです。
さて、「まんじゅうに書き初めしよう」のレポートはこれでおしまいなのですが、帰りに友人に連れて行ってもらったお店が軽く衝撃的でしたので、次のページで引き続き紹介させてください。