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フェティッシュの火曜日
 
「ビールに氷」は、やっぱり「無し」なのか

ビールの氷でビールを飲む

水でつくった氷を入れるから薄まるのであって、ならば凍らせたビールを入れてしまえばいい。


東北しかも岩手のホップを使ったとなると、 どうしても贔屓して買ってしまいます

製氷皿に注ぐ

そして半分には黒ビールを

凍らせます

これを冷凍庫に入れ、前ページのような氷をつくったわけだ。
というわけで、これでビールを飲んでみる。


氷というよりシャーベット

果たして

 

戸惑う

期待して飲んでみたものの、いまいちピンとこない。なんだろう、やはり氷から炭酸が抜けていたり、風味がなくなっていたりするのが理由だろうか。加えて、調べてみたらエタノールの融点はマイナス114℃付近ということで、数日冷やす間にアルコール分もとっくになくなってしまったに違いない。

水っぽく薄まったのとは違う、気の抜けた感じとでも言おうか、妙に切ない味わいだ。
冷たいのに飲み残しのような味。狐につままれたような戸惑い。
もちろんふつうの氷を入れるよりはずっとマシなので、余ってぬるくなったビールを捨てるくらいなら、次回に備えて凍らせておくのも手かもしれない。


『ビールにビールの氷』

評価:帰省したら、母親から「お母さんこのあいだ プチ家出したの」と聞かされたときのような 戸惑い

 

黒ビールの氷でハーフ&ハーフ

さて最後の挑戦は、黒ビールでつくった氷である。これは、ふつうのビールを注ぐと飲んでいるうちに黒ビールがとけてきて、いつのまにかハーフ&ハーフになるという面白さを持っている。


見た目は甘そう

お 

 

いちばん飲める


時間が経つごとに変化する色合い

ぼく個人の好みと了承していただきたいが、もともとハーフ&ハーフは味がはっきりしていない。自分の中で「これがハーフ&ハーフの味!」というものはない。なので今回のこのビールも、なんだか味がぼんやりしてはいるものの、さほど違和感をおぼえないのだ。
この氷はむしろ、冷えたビールにこそ使うのが良いかもしれない。そのほうがとけるのに時間がかかり、味と色の変化をよりゆっくり楽しむことができるだろう。継ぎ足しつながら冷たさもキープできるし、なかなか使い勝手が良い。


『ビールに黒ビールの氷』

評価:自分がパン食なので祖父の仏壇に トーストをあげている祖母のような 柔軟さ

家でハーフ&ハーフを試すとき、ネックなのは2缶を一緒に開けなくてはならないということだ。1杯目を飲む間、缶に余ったビールはどんどんぬるくなり気が抜けていく。予め黒ビールの氷をつくっておけば、この問題はかなり改善されるのではなかろうか。

と、無理やり有用な情報を提供したフリをして、今回の試みは終了です。

あ、ビールに氷は完全に「無し」でした。

せっかく買ってきた北海道限定クラシックを こんなふうにして飲んでしまった

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