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フェティッシュの火曜日
 
おにぎりを握りこんで小さくする

渋谷に行き、実験器具を買い足すことにした

問題は水か?敵は表面張力?

おにぎりが急に増えたとも思えないし、計り方に間違いがあったのだろう。

例えば「おわんに満杯の水」。これが満杯、と思っても表面張力で数十ccの追加にたえてしまう。まだ入るのか、まだ入るのか、で3回の実験での「おわんに満杯」がそろわなかったのではないか?

夜、ハンマーを叩くわけにもいかないので追加の器具を買いに出ることにした。ついでに水問題も解決したい。


実験用のカップ。そうか、この口で表面張力を待たずに外へ出しちゃうんだ!と感動した。
あふれ出る瞬間までは、スポイトを使ってちびちび

が、耐えてる、表面張力で耐えてる!がんばるな!がんばるな、口よ!

結局表面張力か

こういう口があれば水平な水面ができあがると思っていたけど、そんなことどこにも書いてないし誰も言ってなかった!口も頑張って表面張力で耐えてる!

結局、「表面張力状態が決壊した瞬間」を「水が満ちたカップ」とすることにした。合ってないだろなー、これ。


こぼれ出た水はスポイトを使って廃棄。これで満杯とする。
コンビニで買ってきた塩むすびをしずめる。

新おにぎり、新計測方法で110cc

ラップつぶれちゃう問題は空気穴か?

つづいての問題は圧力をかけたときにラップが決壊し、ごはんがはみ出てくる問題。

もしかしたら空気の逃げ場がなくて暴発しちゃうんじゃないだろうか?ラップは二重にくるんであるが、空気穴を針であけておけばいいんじゃないだろうか?

この辺はもう地味すぎる問題で楽しくないでしょうが、写真だけでも見ていってくだせえ。


また新しい拷問だ。針で空気穴。

針穴、うまくいかず

箱の穴に入れる前に形だけでも手でととのえておこうとしたら、針穴から破れていくことが判明。ガーン。どこまでもうまくいかず。おにぎり刺され損。

結局、「口は甘めにラップする」ことにした。上方にある大きめの空気穴でどこまで逃げてくれるか、だ。

万が一、ごはんつぶが出てきても今度はごはんがくっつきにくい調理用のシートをしくことにした。


手で四角に整える。この状態で押し込んでいく。
「ごはんや海苔がつきにくい」と書いてあったシートを敷く

そして満を持して本日4つ目の拷問登場。万力である。
ハンドルを力いっぱいひねれば、すごい力が加わるはずなのだが…

おにぎりを握っています!私は今、おにぎりを握っています!

大変です!大変です!

危ない!おにぎりさんが危ない!

箱のわずかなすきまから出ていこうとしたおにぎりさん。糊になってまで…

糊が出てきた

あふれ出た糊状のおにぎり。なんだこれは!?と思ったその瞬間にもどんどん出てくる。大変だ!圧を逃がさないと、おにぎりさんが大変だ!

ここまで拷問にかけておいて「おにぎりさん」?どうしたんだ俺は。ここに来ておにぎりに対してまたちがった感情が芽生えつつあることを知った。

箱から出てきたおにぎりは一部が決壊したものの、概ね箱寿司化していた。はみ出た糊の分も合わせて、体積を計って終わりにしよう。


さあ、いよいよ体積を計って、グランドフィナーレだ。長かった。

また増えてた

は〜、おにぎりはおいしいな〜

なぜだ?

一言で言うなら実験センスのなさだろう。理科の授業なんて全部きらいだった自分だ。そんな人が「水を使って体積を計る」なんてやっちゃいけないことだったのだ。

アルキメデスの逸話も、検索してみたら「あふれでた水を計る」のは俗説であって、実際は「水の中で天秤にかけた」んだそうだ。

アルキメデスも「この表面張力!耐えるな!」とか言ってたんだろうな。

いや、何が悪かったかもう一度くらい考えてみよう。新おにぎり1回目の計測時に、ラップ内に水が侵入してなかっただろうか?こぼれ出るはずの水が、ラップの中に入ってしまったら、実際の体積よりも低い値が出るはずだ。

やってみるか。ラップの密閉に気をつけてもう一度「ふつうの状態の新おにぎり」を計測してみよう。

普通の状態再計測120cc。万力後は113cc。6%、体積減したことになるが…こんな計るごとに変わる数値あてになるか!

結論

万力を使って、おにぎりを限界までにぎると約6%体積が減るが、その数字はあてにならなくて、あとは糊が横から出て大変なことになったりするが、結局のところおにぎりっておいしいな


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