ルール説明
吸盤との対決方法は以下のようにしたい。
一つ、人間対吸盤の「地面に落ちないようにする対決」とする 一つ、人間は鉄棒にぶら下がることとする 一つ、吸盤は立てかけたちゃぶ台へ吸い着くこととする
吸盤の機能は「何かにくっついて落ちないこと」である。そこに僕が挑戦する形だ。また、吸盤が吸い付けて、外に出せて、それなりの大きさがあるものも、ウチにはちゃぶ台くらいしかなかったのだ。このちゃぶ台は木製だが、けっこう表面はツルツルに加工してある。吸盤が戦うフィールドとして、不足はないはずだ。
第一試合・25円の吸盤
さあ、いよいよ対決の時が来た。ちょっと画質が粗いですが、様子は動画でご覧下さい。
00:07 吸盤を設置する僕 00:09 ぼくがぶら下がった瞬間に 00:10 あっさりと落ちる吸盤 00:14 あんまりなんでもう一回 00:20 吸盤の様子が気になる 00:22 二回めなので意外とつらい 00:23 やばい、ギブアップ! 00:24 同時に吸盤落ちる 00:26 がっかり
なんと、僕の負けだ! 地面に付いたのは、吸盤も僕も全く同時である(ここ、何回も動画を観て確認したんだ)。
負けると思ってなかった
どうしよう。「要らない」「役に立たない」「捨てよう」と思っていた吸盤より、僕の身体能力の方が劣るなんて思ってもみなかった。アイディンティティの崩壊。いや、無生物と戦っている時点ですでにアイデンティティはぐらついているのだが。そしてもっと即物的な悩みもある。
この後、自分ちの吸盤だけでなく、段階的にもっと強い吸盤に挑戦してゆこうと思って、用意をしていたのだ。ちなみに左のは1個980円、真ん中のは1個200円である。1個25円の吸盤に今しがた負けた僕には、200円の吸盤だけでも脅威だ。「私の戦闘力は53万です」ってフリーザに言われた、Z戦士達のの絶望感を肌身をもって感じた瞬間である(マンガの『ドラゴンボール』の話をしています)。
どうしよう。この吸盤(と、この企画)。
ということで、ハンデをつけてもうちょっと続行しても良いでしょうか。ルールに以下の二つを追加します。
一つ、吸盤にはハンデを付けても良いこととする 一つ、ハンデの内容は人間側の任意の物とする
弟二試合・200円の吸盤
気を取り直していきます。 次の試合は強力な「レバー付き」のタイプの吸盤である。たぶん、部屋の中で使う分にはふつうに重宝する感じだと思う。じゃあ、ふつうに家に帰ってこれを使えばいいじゃん!という気もしているのだが、その前に僕と一度白黒つけてやりたい。
00:07 しっかりと設置する 00:14 逆手の方が良いかもしれない 00:15 はやくもキツい 00:19 対戦相手が気になる 00:28 足を閉じた方がバランスが良いかも! 00:31 いい思い付きだったが 00:32 あえなく落下 00:33 対戦相手のビクともしない様子に 00:35 思わずため息 00:38 こんなに落ち込むと思わなかった 00:41 とりあえず撮影止めよう 00:46 ああっ!
僕としてはだいぶ耐えたつもりなのだが、結局落下してしまう。やっぱりちゃんとした吸盤はそう簡単に落ちたりしないんだ…などと思いながらカメラの撮影を止めようとした、まさにその時。吸盤が落ちた!
…しかし、これはここからが本番だ。
ここで先ほど追加した「ハンデ」のルールを適用させてもらおう。ハンデは「午後の紅茶」190グラムサイズの缶飲料だ。
これが決して重すぎるとは僕は思わない。僕の体重が65キロあることを考えると、ここまでやってもまだ僕に不利である、という考え方もできるはずだ。
それでは、本当の真剣勝負、始まります。
00:06 しっかりと吸着させる 00:15 逆手が良いことは学習済み 00:17 3回目の懸垂が苦しい 00:18 思わず顔にも力が入る 00:21 吸盤、落ちた 00:22 嬉しい!勝った! 00:23 と思った瞬間に力が抜けた 00:24 座ったまま思わずガッツポーズ 00:25 立ってまたガッツポーズ 00:26 敗者を見下す 00:28 足取り軽く戻る
やった。勝った! 信じられないほど自然にガッツポーズが出た。しかも2回も。ハンデ制を導入して良かった、と心から思える瞬間だ。
しかし、この動画を見返しながら原稿を書いている今では、この自分自身の挙動に、かなりびっくりしている。公園に人がいなくて、本当に良かった。
そして僕はこの勢いのまま、最後の「980円吸盤」に挑んでゆきます。