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土曜ワイド工場
 
ネコが怖いを克服する

初めての猫カフェ

谷中を後にして猫カフェに行くことにした。野良より飼いネコの方が人になれているので噛まれたりするリスクが下がる気がしたのだ。
猫カフェとはお金を払うとネコを自由に触ることができるカフェである。今まで猫カフェの存在こそ知っていたが行ったことはなかった。どんなところなのだろうか? という期待と不安が入り乱れる。


ビルの一室にある猫カフェに向かう

猫カフェと言ってもいろいろあると思うが今回僕が訪れた猫カフェは、まずお店に入ると手の消毒から始まった。ネコが病気になると大変だからだろう。そして、暑かったから上着を脱ぐ。そうしている間にもうネコが擦り寄ってきている。


たぶんさっきのマタタビの効果だと思う

 

ネコを触ることができるのか

猫カフェには6、7匹のネコが放し飼いにされていた。そこでお客さんはネコのご機嫌を伺いつつ撫でたりするわけだ。時間内は触り放題である。しかも嫌がらなければ抱いても言いそうだ。何か想像力が刺激されるシステムだけれど、それが対ネコとなると僕にとっては手放しに喜べない感もある。


なぜか中に入ったとたんにネコが僕に寄ってこない

休日だったためかこの日の猫カフェは多くのお客さんがネコと戯れていた。カップルや女性ひとりの方など。みな撫でたり、話しかけたりと思い思いにネコとのコミュニケーションを楽しんでいる。それを見ているとネコをとてもかわいく感じる。そして、触りたいと思うわけだ。


ただネコの俊敏さには恐怖を感じる

お店に入った時に一度擦り寄って来たきり多くのネコは僕を無視して自由気ままに遊んでいた。寝ていたり、他のお客さんに撫でられていたり。僕のことはまるでなかったかのように避けていくのだ。僕が見えていないのだろうか。ネコが怖いとか以前の問題が発生してしまった。


先生が二人組み作って〜と言ってあまった時の気分

 

餌でネコに大人気

ネコに無視され打ちひしがれていると、店員さんが「おやつのじかんなのでこれをあげて下さい」とお客さんに袋に入った餌を配り始めた。チャンスだ! と僕は思う。「ご飯奢るよ」と言われると誰にでも尻尾をふる僕と一緒でネコだってご飯を前にすれば僕にひれ伏すはずだ。


どんどん来るの!!

掌に餌をのせるとネコがどんどんと寄ってきた。そしてネコ達は歯を当てないようにうまく舐め取るように餌だけを食べて行く。怖いけれど今まで無視されていた分どこか満たされた気持ちになる。自分が大人気になるとそれがたとえネコ相手でも嬉しく感じるわけだ。


餌がなくなったとたんに去っていくネコたち

 

人気者なれれば怖くない

餌がなくなると僕の人気は潮が引くかのように一気になくなった。するとどうだろう、寂しいのだ。怖いとか関係なく心にぽっかり穴が開いた気持ちになってしまう。さっきまであんなに近距離でコミュニケーションを取っていたのに急にひとりである。おいおい、と思う。もっと寄って来いよと思ってしまうわけだ。ちやほやしろよと。


結果こちらから寄っていくことに

怖いより寂しいという気持ちが勝り、結果ネコに僕が擦り寄っていくことになる。テストなんかで一度よい点を取るとそれを維持するために勉強を続けると思う。それと一緒だ。一度ちやほやされたらちやほやされ続けたいのだ。いくつなってもアイドルでいたいのと同じだ。女性がいつまでも若くいたいのと同じなのだ。


餌を食べてネコが眠くなったのか動きが鈍くなったというのも手伝っている

結局この後も、なぜか赤ちゃんをあやす時のような「ど〜したの?」「ここ撫でられると気持ちいの?」みたいな気持ち悪い話し方で僕はネコのよいしょを続けた。ネコもそれなりに黙って触らせてくれてとても楽しい時間を過ごさせてもらった。お店を出るとき少し名残惜しかったくらいだ。


しかし、えらい疲れた

ネコが怖いは克服できたのか?

今回の目標であったネコが怖いが克服できたのかという問題だけれど、取材に行った日のあの猫カフェのネコは怖さを乗り越え触ることができたと思う。寂しさは怖さをも乗り越えるということだろう。そして思い切り触ったネコはやはりかわいかった。あんなのが家にいればと思うけれど、いたらいたで怖いんだろうとは思う。

基本的にネコに無視されるのはなぜだろう?

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