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ちしきの金曜日
 
外装まで木!宮崎の観光列車「海幸山幸」に乗ってきた


 

JR九州には素敵観光列車がいくつもある。
ゆふいんの森、はやとの風、いさぶろう・しんぺい、あそ1962、SL人吉…。

そこに2009年10月、宮崎を走る観光列車「海幸山幸」が新たに登場した。車両デザインはJR九州の数々の素敵列車をデザインした水戸岡鋭治先生。

これは乗らねばっ!!

…と思いつつも、宮崎は遠くてなかなか乗りに行けなかった。

が、ようやく乗ることができたのでレポートします。

T・斎藤



「海幸山幸」はこんな列車だ!


日南線観光特急「海幸山幸」

なんと、外装が木!

海幸山幸は木をふんだんに使った車両で、内装はもとより外装にも木を使っている。

写真で見て木目調のプリントを施してあるのかなと思っていたら、本物の木だった。外装まで木ってのは相当珍しいだろう。

叩くとコンコンと音がする。


木目プリントとかでなく、本物の木を使っている。

飫肥杉という、この地域特有の杉を使っている。

飫肥杉は水に強い性質があり、造船用として使われてたというくらいなので雨にも強い。が、運行を開始してしばらくしたら次第に色が白っぽくなってきたので2週間くらい前にニスを塗った、とJRの職員のかたが言われてた。

ということは、2週間前まではニス加工すらしてない素の状態の木だったということだ。


もちろん内装にも木をふんだんに使っている。ウッディな車内。

椅子もいい感じだ。

1号車には「山」
2号車には「海」の暖簾がかかる。

という、見てるだけでもワクワクするような車両。

これが宮崎は日南海岸沿いを走る。
ルートは以下。


海幸山幸の運行ルート (大きな地図で表示)

一日一往復。
11:10宮崎出 ⇒ 12:53南郷着の下りと、
15:45南郷発 ⇒ 17:21宮崎着の上り
の2便だけ。

今回、私は往路も復路も「海幸山幸」に乗ってみることにした。

 

新しい観光列車に沸く宮崎駅

宮崎駅はすっかり、この新しくできた観光列車を歓迎するムードに満ちあふれていた。


観光列車の登場に
宮崎駅が沸き上がってる印象を受けた。

指定席は満席。

指定席は既に満席。
私がみどりの窓口に問い合わせたのは20日くらい前だったが、その時点で既に行きの宮崎⇒南郷は満席で、帰りの分しか指定が取れなかった。なので行きは自由席で行くことに。

たしか半分は自由席だと思ったから、まあ大丈夫かな、とわりと安易に考えていた。(この時点ではね)


限定1000枚の記念乗車券。

記念乗車券も売っていた。1250円。
今回、私はゲキヤス切符というのを使っているので(ゲキヤスの詳細は次週書きます)、これを買う必要はまったくなかったのだが限定1000枚というのを聞いて購入。(弱い)

ついでに知り合いの切符収集マニアの分も、とメールで聞いてみると「よろしくお願いします〜」とのことでもう1枚購入。


やべー、すごい並んでる

 

通勤ラッシュとまではいかないまでも

発車の時刻が近づいたのでホームに行ってみると、自由席狙いの人たちがけっこうな人数並んで待っていた。

しまった、こんな人気だったのか!


案の定、まったく座れず。

案の定、まったく座れなかった。
海幸山幸は2両編成で、以前は1両まるまる自由席だったが、指定が取れにくい状況が続いたため自由席を減らして指定席を増やしたらしい。おかげで自由席はちょっぴりしかなく、あぶれた民で共用のソファシートも埋め尽くされていた。


車内の様子。

この状況はまったく想定してなかった。
優雅に車窓を眺めながらビール飲んだりする気でいた。

こんな居場所にも困るような雰囲気の中、これから1時間43分過ごすのだろうか…?


居場所がナッシング。

11:10 やや不安を抱きつつ、出発。


JR九州の接客レベルの高さ

木のおもちゃがディスプレイされていたり、パンフレットや物販品などが置かれてる「サービスカウンター」と呼ばれるコーナーがある。


サービスカウンター

木のおもちゃがおしゃれにディスプレイされている。

海幸山幸ストラップなども。(1コ買った)

地ビールとつまみなどもここで売っている。
ということを確認しに行ってみると、客室乗務員のお姉さんが以前「はやとの風」に乗った時と同じかただった。もちろん向うは私のことなど覚えてないだろうが、思わず
「はやとの風にも乗ってましたよね?」
と声をかけると、
「あちこち行ってますのでー。あはははははは。」
と、屈託なくけらけら笑っていた。


結局、この辺に陣取ることにした。

その後も、近くを通るたびに
「どうですか?景色は見られましたか?」
という感じで話しかけてくれ、いつの間にか私はすっかり
「旅って、いいなぁ。」
という気分でいっぱいになっていたのだった。

定理: 客室乗務員さんの笑顔さえあれば旅は楽しい


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