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フェティッシュの火曜日
 
大人が「ローセキ」で遊ぶためには

固まってきたので部屋の中に入れた。ただのセメント板だけれども、これが道路の一部だと思うと部屋の中に入っているのがなんかおかしい

ミニチュア道路ができた

パッケージの説明によると、30分も乾かせばOK!とのことだったが、ちゃんとセメントが乾ききったのは混ぜ合わせてから1時間以上過ぎたところだった。この「予定よりも30分遅れてできあがる」という遅れ方が妙に人間くさい。時間にルーズな大学生の待ち合わせみたいだ。

それでは、満を持してラクガキしてみましょう。


ミニチュア道路が「できたー」という現在の喜びをそのまま表現

ローセキ自体の描き心地は、「固めのチョーク」ぐらいの感じだった。力を込めてガシガシ線を刻んでゆくのが心地いい。

また、作っているときはこのミニチュア道路がけっこう平らに出来ていたつもりだったのだが、いざローセキで描いてみるとちょっとデコボコしている。この点においてはそんなに描きやすくはない。鬼おろしで、ニンジンをすりおろしているような気分でもある。本物の道路は、もっと滑らかなはずだ。悔しい。

外に持っていって、より一層の「道路にラクガキしている感」を味わおう。


しかし外に持っていったら、このセメント板のミニチュアっぷり愕然とする

ああ…、道路にラクガキしている子どもからしたら、この道路全てがキャンバスなのだ。それに比べてこのミニチュア道路の小ささ…。

広々としたところ(って言っても近所の路地)に持っていったらこのミニチュア道路のイミテーション感が際立つ形となった。すこし悲しくなってきたのだが、そこは堪えて続けようと思う。道路で描きたかったことがあるのだ。


たぶんこれも昭和初期を舞台にしたなにかで観たのだと思う。線路を描いての電車ごっこ

小さいからダメな気がするんだが
やっぱり小さくてダメだ

さっきから消すときはこうやって水道で流している

半分わかっていたけれども、電車ごっこは小さ過ぎて無理だ。

しかし、僕の作ったミニチュア道路は本物の道路にまったく及ばないなんて、面白くない。

なにかこのミニチュアならではの使い道はないだろうか。持ち運べることを生かしてメモ帳ががわりにしてみる?いや、持ち運べるといっても携行するにはでかすぎる。微妙な大きさの物を作ってしまった。


こう考えてみる。
…持ち運べるけれども、サイズが大きい。それってこの間アップルが新製品として発表したipadになんか似ていないだろうか。そうか、これはメモ帳と道路の中間に位置する新しいデバイスだ、というのはどうだ!ちょっとiphoneの画面を参考にロウセキでそれっぽくアイコンを書き入れてみよう。


中間ったら中間です

そして描きいれたが、なんだかわからん

不憫という他ない。どこを向いたらいいのかわからないので、樹木に寄り添ってる

ダメだ。ローセキは細かいものを描くのには向いていない。うまく行ったら、このセメントにローセキでラクガキすることを「ipadのペイントツール立ち上げだ」とか言おうと思ったのに。

左の画像は、「ipadで立ち上げたituneで音楽を聴くごっこ」です。ヘッドホンつけているだけですが。

あやしくなってきたので、この辺でまとめに入ります

・セメントをこねる作業は楽しい
・ローセキでラクガキするのは楽しい
・でも、道路に直接ラクガキするのはもっと楽しいんだろうな

欲求不満を募らせる終わり方になってしまった。そして、さらに気になるのは、近所にローセキで遊んでいる子どもが全くいないこと。みんな、ローセキでその辺にラクガキしても大目に見てもらえる、という貴重な少年時代を大切にして欲しいと僕は思うのだが。

君ら、サッカーなんてある程度大きくなってもできるよ

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