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ちしきの金曜日
 
着るだけで声が大きくなる服


とても声が大きい人。

僕は声が小さい。

そのため人と会話してても一方的に聞き返されることが多く、 また頑張って大きな声をだそうとしても体力がないため二言ぐらいですぐ息が切れてしまい会話にならないのだ。

なんとかして特に声を張らずとも声量が大きくなるようにしたい。でもボイストレーニングに通うほどの 余裕はないし・・・。

ということでこんなものを考えました。

小柳 健次郎



声が出る出るジャケット


これが「こんなもの」です。

「スピーカーが仕込んであり、首元に付けたピンマイクから自分の声を大音量で出力する」 という夢の上着である。

これさえあれば頑張って大声出さなくても通常の、いや、囁きのような声量でも 相手を圧倒するぐらいの声が響くはず。

 

部品を集めるため秋葉原へ

このジャケットを実現するためにどういった装置が必要なのかを調べると、 どうも電子回路なんかを色々駆使しないといけないらしい。

設計図を描くとこんな感じだ。


必要最低限のことさえ描かれてない設計図

要はマイクで音を拾う回路を、音を増長するアンプの回路につなげ、それをスピーカーに繋げれば良いらしい。

設計図を見て分かるとおり設計者自身まったく分かってないので、ここからは たぶん・らしい・おそらくという単語ばかり出てくることになります。

 

部品を求めて秋葉原

電子回路キットとかは普通に東急ハンズなどで見かけたことはあるけれど、 今回求めるものは割とマニアックなものなので専門店にしかないらしい。

電子といえばたぶん秋葉原ということで秋葉原に行った。 どう作ればいいか聞こうと思い、あの設計図も持って。


しかし正面から写真が撮れないほどアウェイ。

お店に入ったらヘラヘラしながら「これ作りたいんですけどどうすればいいんですか〜」と店員に聞くつもりだったのだが、 お店の雰囲気からしてどうにも聞けない感じ。

客の中には店員に質問してる人もいるけど、具体的に覚えてないほどワケが分からない技術的な質問をしてる人ばかり。 そんな中であの設計図を見せでもしたら、もうお嫁には行けません。


なのでこの日は結局「絶対必要だろう」という理由でスピーカーを一個購入して逃げ帰った。

 

部品を求めて秋葉原2

秋葉原でのアウェイ感が悔しかった。なので翌日、必死にオームの法則からなにやらを勉強し、 どこに行って何を買えばいいか全部調べ上げた。

恥を掻きたくない!体面を繕いたい!という思いだけで生きております。


昨日より近づいて撮影出来てるのは自信の表れか。
約5000円分の戦利品。

気になったのは、選んだ商品をレジに持って行くと、店員が何やら商品を見比べ始めたことだ。

しばらく見比べてから特に何も言われず会計は済んだのだが、あれはどういう意味だったのだろう。 たぶん「君が選んだものに問題なし!合格!」ということなんだと思う。

 

設計図通りに作ったらうまくいかなかった

必要な材料さえ揃ってしまえば後は作るだけ。そこはもう半田付けとか配線とかばかりで 特に書くこともないため端折ります。


ということであの設計図通りには完成。

専門的な話になるため詳しい説明は避けるが(つまりよく分かってない)、 左端にある小さいマイクでしゃべると黒い電子回路(マイクで拾った音をステレオに変換する役割)から、 黄色い電子回路(音を増幅するアンプ。ステレオなので2個)を通ってスピーカーに出力されるという仕組みだ。

仕組みだ。とかいってますが、これが全然うまくいかなかった。


マイクに向かって「アーアー」と叫んでもスピーカーからは「ブッブッ」 というノイズが出るだけ。僕の声は屁か。
なんとかしようとしてるうちに遂にノイズさえ出なくなった。

直そうにもなにがどう悪くてうまくいかないのかが分からないため、 手当たり次第に配線を繋げ直したり半田付けをやり直す×2日。

そしたらもう案の定というか当然の帰結というか、さらにおかしくなってもう完全に 投了状態になりました。


あきらめた瞬間の凄惨な現場。

総額5000円の無駄。

その時に描いた絵。

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