千葉県勝浦市で「かつうらビッグひなまつり」というイベントが行われている(2月20日〜3月3日)。どのくらい「ビッグ」なのか確かめるため、ひな人形であふれかえる町に行ってきました。帰ってからしばらくの間、「あかりをつけましょぼんぼりにー」の歌が頭から離れませんでした。
(安藤昌教)
勝浦市は祭り好き
調べてみると千葉県の勝浦市では、6月に「かつお祭り」、8月に「若潮まつり」、9月に「秋祭り」、11月に「いんべやあフェスタ」、そして今回2月と3月には「ビッグひなまつり」と、とにかく年中祭りがばんばん開かれているのだ。それに加えて日本三大朝市として有名な「かつうら朝市」が基本的に毎日行われている。勝浦、どんだけ活気あるのか。
その元気をわけてもらおうと電車で4時間かけてやってきました勝浦駅。
家から4時間かけて到着。電車に酔ってふらふらだ。
しかし駅を降りても「ひな祭りばんざい!」みたいな雰囲気ではなかった。どちらかというと地味な部類にはいる駅ではないか。駅舎の背後には崖がある。
「ビッグひなまつり」の会場を聞こうと駅前の交番へ行くと、人のよさそうなお巡りさんがおばちゃんたちに囲まれていた。
「そう、あっち、まっすぐね。そしたらひな人形いっぱいあるから。すぐわかるから」
訪ねなくても情報を得てしまった。いま写真を見返していて気付いたが、交番にもひな人形が飾られている。
おばちゃんたちについて市街を目指す途中、なんでもないところにひな人形が飾られているのを見つけた。ほんとうに唐突に、あくまで自然に。
しかし今のところひな人形よりも道で売られている魚の干物の方がだんぜん目に付く。
さすが日本三大朝市の開催地、すでに昼をまわっているのだけれど(最初朝市に間に合わせようと思ったんですが、そうすると前日入り確実だったので断念)ちらほら魚が売られている。
道々、七輪を出して魚や干し芋をあぶっている人がいるので興味を示さないわけにはいかない。ふらりと2歩くらい近づくと
「おいにいちゃん、食べていかんか、うまいぞ」
と引っ張り込まれていろいろもらえる(もちろん売り物です)。そして見事に何を食べてもうまい。
このあたりの干物はほんとうにうまい。
干物なのに噛んだ瞬間にじゅわっとうまい油がにじみ出てくるのだ。おじさんは「洗って干しただけだぜ」と言っていたが、僕が洗って干してもああはいかないと思う。
この商店街が作っているお買い物、朝市マップがあるというのでもらいにいった。
思い出した、今日はビッグひなまつりを見に来たんだった。
そういえばさっき寄った郵便局にもひな壇が飾られていたわ。
普通郵便局にひな壇ってない。
それでもここまで歩いてみた感想を率直にいうと、勝浦は干物まつり開催中、だ。もう「ビッグひものまつり」でもいいんじゃないかと思う。問題は干物うまい、だけじゃ記事にはならないな、ということくらいか。
一袋500円で詰め放題だったイワシをかじりながら歩いていると、なにやら変った神社を発見した。
鳥居の向こうが赤いのだ。それに人だかりができている。なんだ?また魚の即売所か。それにしてはちょっと様子が違うが。
忘れかけていた「ビッグひなまつり」が牙をむいた瞬間だった。