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フェティッシュの火曜日
 
経理職の裏話を聴いてきました


頑丈そうな電卓

経理の人はどんな会社にでもいる。だけれども、意外と社内の人には仕事の話をしてくれなかったりもする。

今回は、そんな近くて遠い、経理職のお仕事の話をたっぷり3人分聴いてきました。

斎藤 充博



なぜ経理の話か

僕は前職で金融の営業をしていて、経理部の人たちにもよく営業をしていた。訪問する度に雑談をよくしていたのだけれども、これが滅法面白かった。

ところが、自分の会社に戻って経理の人と話をしても、あまり面白い話が出てこないのだ。それはそうかもしれない。社内の人間に「こいつはおしゃべりだ」なんて思われたら、経理としては印象が良くないだろう。

かくして経理の人は、僕の中で「近くて遠い存在」になっていった。
辞めてライターをやらせてもらっている今、いろんな経理の人にインタビューしてみたい。今回はそんな気持から出た企画だったのだが…意外というか、やはり、というか…会社経営に関する黒い部分も見えてきた。3人の方に話を聴いてきたので、とりあえず見て下さい。


「不正な処理を求められることはあるよ」Yさん

「業務中にデイリーのネタ投稿しています」Nさん

「横領するなら10億円からじゃないと」Sさん

 

一部上場企業に勤務のYさんの話


Yさん
・業種:一部上場のサービス業
・主な仕事:経営分析、予算作成
・社歴:7年目

Yさんは気心の知れた大学の先輩だ。自宅にお邪魔して、奥さんの手料理をいただきながら話を聴かせてもらった。

経理は「イレギュラーな仕事」ばかり

---経理の実務についてイマイチわかっていないのですが…要は毎日帳簿を付けるようなイメージなんですか?
「基本的にはそう。ただ、ウチの会社は、お客さんから毎月定額でサービス料を受け取るような業態になっているからね。 そういう定例的な仕事は、ほとんどシステムがやってくれる。契約とか解約をシステムに入れれば、自動で毎月売上が記録されるようになってる」

---それじゃ、仕事ラクそう!
「そうでもない。結局人間がやらなくちゃいけないのは、そういうシステムで自動的に対応できない部分になる。一つ一つが全部イレギュラーな処理。人間が歯車になって、でかいシステムの一部になってる気がするよ」

---ちょっと否定的な言い方ですね。
「大きな会社でシステムの一部になっているから、全体としてなにをやっているか全然わからない。経理としてはそんなに面白くないね。経理スキルを高めるなら、小さい会社で全部を見れるようにしないと」

大企業で働くことが必ずしも経理にとって良いとは言えないのか。いきなり世間の価値観と反する部分が出てきて面白い。

 

自宅の家電を減価償却する

---経理やっていて良かったことはありますか?
「10億くらいまでの数字ならパっと見わかるね。日頃からでかい数字ばっかり見ているから」


一目で分かるのはすごいですわ

ここでYさんの奥さんも会話に入ってきた。いわく、「Yさんの家計簿のつけかたがすごい!」そうだ。
「ああ…例えば、テレビを買ったら、耐久年数を想定して、その間に買った金額を積み立てる」
---テレビを減価償却するってことですか!

つまりこういうことらしい。20万円のテレビを買う。5年は持つだろうと想定する。買った時点から5年間の間にまた20万円を積み立てるように家計をやりくりするそうだ。そしてこの考え方は、会計でやる「減価償却」の発想と全く同じだ。というか、Yさんが家計簿つけているんですね。さすが。

この他、Yさんの奥さんが習い事に掛ける金額も「その習い事から最終的にどれだけのキャッシュが見込めるか?」で判断するそうで、管理会計のスキルを申し分なく発揮している。理屈でやりこめられてしまう奥さんはちょっと不満そうだったが。


寄り添う二人。家計は100%Yさんが握っている

 

会社で自分の身を守るために

---逆に、仕事で大変なことは?
「ちょっとヤバそうな処理を求められることは、時々あるね。」
ヤバそうな処理?Yさんの会社は一部上場企業だ。そんなことをして大丈夫なのだろうか。

「そういう時は、いつどこで誰に、どういう処理を命令されたかを、個人的にメモしておいている。後々、問題になった時にきちんと申し開きができるようにしないと、自分が危ないから」

経理というのは、いつも規則にのっかった定例通りの仕事しかしないものだと思っていたが、そんなことはなかった。上司の指示で、本人の意にそぐなわいことをしなくてはいけないこともあるのだ。

「まあ、最近は企業の内部統制が進んできたから、そういうことも無くなってはきたけれどね」
こともなげにYさんは言ったけれども、サラリーマンとしての葛藤を乗り越えた上での発言だろう。そんなふうに感じられた。


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