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ちしきの金曜日
 
そのへんの枯れ草で納豆を作る

納豆用の小粒大豆。おいしく仕上がります。

大豆の方を仕込みます。

大豆の方は、普通の納豆の製法と同じだ。僕は毎年、自由研究として高校生に納豆を作らせているので、わりと慣れている。
 納豆用の小粒大豆をあらかじめ一晩水に浸しておく。水を吸って大きく膨らむので、これをオートクレーブ(高圧滅菌機)にかける。これは、要は巨大な圧力鍋なので、家庭でやる場合は圧力鍋を使ってください。

  加熱時間は10〜15分。温度は127℃。巨大な分、圧力上昇までやや時間がかかるので、この間にメインの「枯れ草わらづと」を作る。

前の晩から水に浸しておく。オーバーナイト。
オートクレーブ(高圧滅菌機)で蒸します。

無理矢理ぎゅうぎゅう詰め込みます。

枯れ草を煮込む

こっちの方は全く未知の作業だ。
まず、あの枯れ草の束を、一番大きな鍋に無理矢理詰め込んで、強火でぐつぐつ煮込む。ここで手を抜くと、試食の後にトイレに駆け込むことになる恐れがあるので、手を抜くわけには行かない。

煮込むと、ものすごい茶色い汁が出てきて、室内に草を煮た野生っぽい香りが充満する。それでもひるまずに20分間よく煮込んで、雑菌を全て殺す。

ここで納豆ワンポイント講座。
20分も煮込んで雑菌を殺して、納豆菌は死なないの? と思われるかもしれない。でも大丈夫。実は納豆菌を含む枯草菌は非常に熱に強い菌であり、100℃で煮込んでも死なないのだ。だから、煮込んだワラには納豆菌(枯草菌)だけが生き残っていて、大豆は雑菌に侵されず納豆になることができる。
というわけで、遠慮なく、枯れ草の束を煮込む、煮込む、煮込む。


インターネットで匂いが伝わらないのが残念。

 

続いてわらづと作り


煮上がった枯れ草。枯れ葉付き。
雑菌がつかないよう、この作業は素早く進めたい。

茹で上げた枯れ草。
この枯れ草束の上下をひもでしばって、わらづとを作る。作るに当たって上下を切りそろえようと思い、カッターで煮ワラを切っていたら……、ぱっきーん!


カッターの刃が砕け散った。

目に刺さりそうになって、めちゃくちゃ危なかった。
ワラは煮ると水分を吸ってしなやかになり、煮る前よりかなり強度が増します。ご注意下さい。


強力な金属板はさみで、無理矢理切りそろえる。
なんとか一個完成!

 

祝! わらづと完成!

このような苦労をもう2回くり返し、3つのわらづとが完成した。


一番上が長男。わらづと3兄弟。

こうやって成形してみると、もうそのへんの空き地に生えていた枯れ草には見えない。むしろ農家が作った冬の風物詩にすら見えてくる。まあそれは言い過ぎか。ちょうど大豆も煮上がったので、これにうまく詰めていく。


ぐいっとワラをかき分けて、煮豆を詰める。

ウズラの記事以来、1年ぶりに登場、オンボロ恒温器!

3つのわらづとを詰めて、40℃、加湿環境で24時間発酵。

さあ、結果はどうなった。次のページで紹介します!


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