クリスマスからイカ中心

服飾の学校を出ているライター尾張さんが、持てる力（裁縫スキル、対人スキル）を出し切って挑んだ意欲作がこちら。記事には書かなかった苦労話も聞きました。

「イカで作ったイ革ジャン（尾張 由晃）」

--なにしろイ革ジャンの完成度にはおそれいりました。

--ありがとうございます。

--尾張さんがかつて学校で習った知識が役に立ったということでいいですか。

--まさかこういう風に活きるとは思いませんでしたが学生時代の僕に見せても満足してもらえるんじゃないかと思います。でも、人生設計は見直すでしょうね。

--たしかこの企画、年明けてすぐくらいに案を頂いたと思うんですが、それからずっと作っていたということですか。

--イカの領収書見てみたら12/25でした。

--意識してませんでしたがクリスマスからイカだったみたいですね。それから一ヶ月は縫いっぱなしでした。イカの匂い嗅ぎすぎて頭痛くなってきたと思ってたら普通に風邪だったりして。常にイカのことを考える、イカ中心の生活だったと言えます。

--この苦労は十分察するところなんですが、記事に書かなかった部分で大変だったこととか、もっとありそうですね。

--そうですね、記事には書かなかったんですが、直接針で縫う→パンチで穴を空けて縫う→ドリルで穴を空けて縫う→やっぱり直接針で縫うという手順を辿りました。

--結局針で刺してペンチで引き抜くっていうのが割れずらくて早いってわかったんですが。どんどんスピードが上がっていたので今なら10日くらいで出来ると思いますね。

--寄ってきた人にイカをあげるとすぐ食べた、って書いてありましたが、大阪ではそういうものなんでしょうか。

--あげたら食べてたのはほとんど外国の方でした。日本の記念に持って帰るかなと思ったらすぐに口に入れててビックリしましたよ。

--日本の方は、食べるどころか本物のイカだと確認したら返されましたね。 あの写真の凄い良い顔してる子供も外国の子供です。

--どこの国でも子供はバカだな。と思ってたらペッラペラの英語で話しかけてきて全く分からなかったから「イカ！イカ！」って言ってたら「コイツ駄目だわ、話になんねぇ」って顔されました。仲間内では違う言葉で話してたので実はメチャメチャ頭良いじゃん！と驚きました。

--あの子供たちは外国人だったんですね。母国に帰ってから日本にはイカの服着た武将がいる、とか言いふらしていないか心配です。ところであのイカ食べていますか？

--服の形にするために切り離した部分は結構前に食べきりました。鎧の部分はもしかしたらまた着る場面があるかも…って思って残してあります。普通の洋服みたいな扱いですが、そういうのって洋服ですらもう着ること無いですよね。季節の変わり目に思い切って食べようと思います。