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ロマンの木曜日
 
ダイダラボッチが水戸にいた


ギリシャ像ではありません。

ダイダラボッチといえば、日本各地の伝承や民話に登場する巨人(妖怪?)である。 たぶん多くの人が童話や伝承、海苔のCMなどで聞いたことがあると思う。

巨人ゆえにその逸話も、富士山を持ち上げたとか足跡が湖になったとか スケールでかすぎの冗談みたいな話ばかりで、 なんだそりゃあと言わざるを得ない。何なのか、ダイダラボッチって一体何なのか。

そしてそんなダイダラボッチの巨人像が水戸にあるらしい。 それはもう見に行かなければなりません。

(なおダイダラボッチの呼び名は複数ありますが、 「筆者が慣れ親しんでた」という理由で記事中ではダイダラボッチで統一しています)

小柳 健次郎



いきなりダイダラボッチに救われる

水戸駅からバスに乗ること約30分、 噂のダイダラボッチ像があるという、大串貝塚ふれあい公園の最寄りのバス停に降りた。


大串貝塚ふれあい公園

なわけはなく、見ての通りなにもない道路沿い。

そこそこ大きな公園だから着いたら分かるだろう、とバス停からの道を調べずに行ったため ここから公園へはどう行けばいいのか全然分からない。途方に暮れるのが早すぎる。


その時、遠くの方に明らかに不自然な物体が。
日本家屋越しに見える巨人。

巨人、まさに巨人である。しかもちょっとアンニュイな感じ。 あれが目指してるダイダラボッチ像で間違いない。あっち方向に行けばいいのか。ありがとうダイダラボッチ。

ダイダラボッチには人を助けるエピソードなんかもあるが、いきなり僕が救われた格好だ。 神話は現代でもダメな人の中に息づいていた。

 

露出的にも出し惜しみなし

ということでもったいぶったりせず、さっそくダイダラボッチ像をご覧ください。


ドォーン。

写真でどれくらい伝わるだろうか。遠くから見てもかなり大きめに見えていたが、 近くで見ると思っていた以上にでかい。

事実このダイダラボッチ像は15mあるそうで、鎌倉の大仏様より大きい。 それでいてやけに荒削りという、大仏ではありえない造形がまた違った迫力を醸し出している。


そもそも台座がでかい。

来るまでは全裸だと思ってたけど、うっすら原始人のような毛皮を着てるようだ。 傍らに縄文時代と思われる巨大土器を添えてることからも、縄文人を意識して作られたに違いない。


頭上に原始人ルックの巨人像があるという状況。

こうやって見ると像のでかさより人間の小ささが際だってる。

 

風に弱いダイダラボッチ

ところで一緒に写ってる人間(僕ですが)がなんだか浮かない顔をしているのにお気づきだろうか。 いつもそういう顔してるからあまり気づかないかもしれないませんが気づいてください。

それでなぜ落ち込んでるかというとこういう理由です。


ダイダラボウ臨時休業のお知らせ

このダイダラボッチ像(この地方ではダイダラボウと呼ばれてる)、手の平が展望台になっており、 本来であれば巨人の手の上という誰もが憧れるシチュエーションを味わえると事前調査で知っていた。


誰もが憧れるシチュエーション。これが出来る。(写真は合成です)

もちろん僕もそれを第一の目的としてやってきたのだが、 残念なことに先月末から休業してしまっていた。えー。


停電したときはやっぱり雄叫びを上げたのだろうか。

風が強くて停電になることはあるけど、それがまさかダイダラボッチに起こるとは。 というか「ダイダラボッチが停電」なんて日本語あったのか。

なによりもダイダラボッチの中に電気設備が埋め込まれてるという事実。 生息調査のためにICチップを埋め込まれた動物みたいだ。また一つ変わるダイダラボッチイメージ。


ちなみに向かいにあるのはトイレ。
そしてすぐ近くには学校のグラウンド。

これがフェンス越しに見えるここの学生はどう育つのだろう。
後ろ姿がやけに哀愁あるダイダラボッチ。

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