4時間半の移動

オオカミ信仰の発祥の地は埼玉県は秩父にある三峰神社と言われている。ぜひ見たいと思い秩父の三峰神社に行くと決めたはいいが、僕の家からは4時間半もかかるちょっとした旅行になる。

僕が移動している間にオオカミ信仰の話。
オオカミ信仰のオオカミはもちろんニホンオオカミである。明治時代に絶滅したと言われているニホンオオカミだけれど、江戸時代頃までは山間部に住む人にとってその存在は脅威だった。オオカミは怖いからね。

そんなオオカミを山の神の使いとして祀り、オオカミに襲われないように願ったのだそうだ。そうして生まれたのがオオカミ信仰らしい。もちろん他にも理由があるがそういう理由もあるそうだ。

バスがない

僕の偏見なのだろうけれど、埼玉は少し気を抜くとのどかな景色になってくる。現に電車の窓から見える景色はどんどんとのどかになり、雨は激しく降りで少し心細くもある。

電車を何度か乗り換え秩父に着いた。池袋から秩父までは特急列車が走っているのだけれど、特急料金がかかるし、急ぐ旅ではないのでゆっくりと各駅停車で秩父までやって来たわけだ。

秩父駅から三峰神社までは路線バスに75分揺られることになるのだけれど、秩父駅に着いてみると30分前にバスは出発してしまっていた。次にバスまではマラソン選手なら42.195キロ走れてしまうほどに時間がある。特急列車に乗ればよかったと少し後悔した。

時間つぶしに若御子神社に

次のバスが来るまでに秩父鉄道に乗り若御子神社に行ってみることにした。こちらでもオオカミの狛犬を見ることができる。オオカミ信仰の発祥の地だけあってか秩父ではオオカミの狛犬を見ることのできる神社が多い。

駅からは雨の中を10分程度歩いて若御子神社に向かう。近くには山が見える。雨のためか、もくもくとまるで煙のような靄がかかっている。どこか神秘的でジブリ映画の「もののけ姫」を連想した。そういえばもののけ姫にもオオカミが出ていた。

若御子神社まで10分程度とさらりと書いたが、ガッツリ道に迷い20分もかかってしまった。そうしてようやくたどり着いた若御子神社では、オオカミの狛犬がじっとこちらを見つめていた。

同じにオオカミの狛犬でも神社によって、同じ神社でも場所によって全然違うので見ていて飽きない。でも、やはりアバラに目が行く。こちらの狛犬も薄っすらだけれど、アバラが浮いている。ほれぼれしてしまう。やっぱり「オオカミ＝アバラ」だ。

鳥居をくぐり奥に進むともう1対のオオカミの狛犬がいた。こちらはあきらかにアバラが浮いている。人生でこんなにもアバラ、アバラと原稿を書くことはもうないだろうと思う。せっかくだから、もっと書いておこう。アバラ、アバラ、エバラ、ヤキニクノタレ。