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ひらめきの月曜日
 
法枠工の崖をワッフルで作ろう

初心者でもとっても簡単、あの崖作り

私は粉もんが、食べるのは大好きなのだがどうも作るのが苦手だ。お好み焼きを作ればべちゃっとなってしまい、ホットケーキを焼くと外が焦げて中が生だったりする。

今回もおっかなびっくりだったが、ワッフルメーカーとミックス粉でいとも簡単にワッフルが目の前に現れたのだった。

初めてのお菓子作りに、あの崖を作るのはかなりお勧めですよ!


形がちょいと不細工だけども、一応さくっと焼けた!

ふわーんと広がるいい匂い、そして立ち上がる湯気。ああ、ワッフルが焼けた、焼けたなあとしみじみ思う。思う一方で、もうひとつの目はしっかりとあの崖を見ていた。

似ているのう。普通にやいても、法枠工の崖じゃなあ。


うーむ

うーむうーむ

いよいよコンクリート色の生地へ

小手調べがうまくいったので、あとはもう、やることはひとつだ。静かにひたすら焼こう。コンクリート色に着色したパンケーキを。

どうすれば生地がコンクリート色になるだろう。食紅では表現できまいと考え、たどりついたのは練りごまだった。


とろーっとして生地に混ぜやすかった オマケのレシピ集の冷奴がややショッキング

パンケーキミックスの生地へ投入! おお、コンクリ

こんがりしないように焼きたい

黒ごまパワーでうまい具合に生地タネがコンクリート色になった。

ただ、問題は焼いたときだ。今だけは、ワッフルをこんがりきつね色にするのはご法度だ。生の状態のコンクリート色を残すようにと心がけて焼いていく。


ふゃ

焼き加減を気にしすぎて何度かパカパカとワッフルメーカーを開け閉めしてしまったために焼きあがったのは「ふゃ」というような、どうにも間抜けなワッフルになってしまった。

でもちょっと待て。そこがまた、年数を経た法枠工崖のようにも見えやしないか。

うちの実家の山にあるのは、間違いなくこんな感じだ。


斎藤さんの記事に出てきたの崖のように、ぐんにゃりさせてみる

ぐにゃー!

ワッフルメーカーでワッフルを焼くとき、焼き型のサイズにもよるが、だいたいおたま一杯分くらいの生地を流し込んで上下からプレスすると思う。

でも、あの崖を再現する場合は片面だけ枠型がつけばいので少ない生地でできる。

勢いできあがったワッフルは薄っぺらく柔らかいので、ぐにゃっとさせることで立体的な崖を覆う法枠工風を楽しむこともできるのだった。

作ってみて改めて発揮されるワッフルの法枠工度の高さである。

私の思うジオラマ作り

その後もじゃんじゃん黒ごまペースト入りの記事でワッフルを増産した。安藤さんちのワッフルメーカーが実は有名なブランド品だったらしくすこぶる使いやすく、どんどん焼ける。

10枚ほど焼いた。あの壁が10枚。人はこんなとき、どうするだろう。

そうだ、ジオラマを作ろう。こう考えるのは自然な流れだと思う。


といっても、ジオラマスキルはまったくないので 崖下に生える雑草を模した青菜を配して

崖のように自然なでこぼこをつけるべく、障害物を配置(しょうがいぶつなだけに生姜のかけらを使用)

ぼこっとした! おお、山肌だ

趣味のジオラマというと、本物はかなりの月日をかけてじっくりと楽しみながら作るものというイメージがある。

それに比べるとこれがジオラマですというのはおこがましいが、できた。


なんか、かわいいなと思ったのだがなぜだろう


なぜだろうかわいらしい。

見た目はかなり法枠工の崖になっていると思うのだが、お菓子特有のふわふわした質感がそれをうっかり「かわいらしく」表現してしまった。

実際、私は胸がきゅんとして「きゃっ」といった。台所にひとり。

焼き色がついても、むしろ崖だった

その後もさらに焼き続けたのだが(生地のタネを作りすぎたのだ)、徐々に鉄板が慣れてきて、さらに私自身もスキルアップしたこともあってか、全面むらなくキツネ色の美しい焼き色が付くように焼きあがることが多くなってしまった。

コンクリート色を生かしたいのでキツネ色はNGだと思っていたが、これはこれで、むしろコンクリートっぽいのだ。


最近施工しましたというキリっとした法枠工

ポコポコ開いた穴もちょっとコンクリっぽい

先ほどのよれよれのジオラマはぬいぐるみのようなかわいらしさになったが、これだったらより本物のようになるかもしれない。

えいっと、前ページ最初に乗せた写真の法枠工の壁部分をワッフルに置き換えてみた。


おおっ?!


うおー!

適当な合成にもかかわらず、なんだか、まったくもって法枠工の崖すぎて、もはやお菓子だと思う余地がまったくなくなってしまったと思う。どうでしょうか!

最初は興奮したが、なんだかちょとしっくり来すぎてだんだんしーんとした空気が胸に湧いてくるくらいだ。

お笑いのモノマネも、ちょっとデフォルメされてた方が面白い。ここまで完璧に似ると、「ああ、崖だなあ。あの、法枠工の」という、静かな気持ちになった。

はじめてのお菓子作りはぜひ法枠工を

このお菓子は初心者向けだと書いたが、まさにそのとおりだ。

よれよれに焼いても、きちっと焼いても、焼き色がついてもつかなくても、どう焼いても法枠工風に焼ける。これはもしかして一大スクープなんじゃないか。

ワッフルメーカーをお持ちの方はぜひ黒ごまペーストを入れて今すぐ焼いてみてください。食べるともれなく崖が思い浮かびます。


味は黒ごまなので、黒蜜がぴったりでした


食べながらも、法枠工の崖

この手の焼き菓子は冷凍保存がきく。というわけで、いま我が家の冷凍庫には大量の法枠工で舗装した崖が入っている。

撮影を終えて食べたが、食べながらも延々あの崖の壁の様相を失わずにキープしていたのが健気だった。

美味しいな。けれど崖なのだ。こういうトリッキーなことが日常に起こるったときに、生きててよかったー。と思うんです。

口に入る瞬間まで崖性を保つワッフル

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