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ひらめきの月曜日
 
これからの弁当男子は弁当箱から手作りだ!

簡単に削れるものじゃない

弁当箱を作るにはまず器の原型を原木から切出します。電動ノコギリで角を落とし円筒形に加工。出来上がった原型はロクロの回転部に中心を合わせて吸着固定します。

まず材料の切出し。危険ということで山上さんにやっていただきました。
これを削って形にする。

結局ロクロへの取りつけも難しいので山上さんにやって頂きました。
道具の持ち方から指導を受けます。

削る際に使う道具は専用のノミとそれを置く台。ノミの先端から少し離れた所に片手を添えて台に乗せ、端をもう一方の手で握ります。あとは回転する材料にノミの先端を当てていけばよし。

ノミ。思っていた以上に持ち手が長い。何種類かありました
ノミの先端はこんな形。曲がった部分を当てて削ります。

ノミを置く台。こちらも山上さんの自作。道具はほぼ全て自作のようです。
ノミを構える位置も親切指導。

当てればよしと言っていますがそれが難しい。当てる力が弱すぎると削れないし、強すぎると食い込んでガタガタに。酷い場合は固定してあった材料がロクロから外れて飛んでいきます。また、横に動かす時も均一に動かさないと出来上がった面が波打つ。とにかく難しい。

まずは皿の形で練習。
力加減が狂うと直ぐこうなります。ロクロに残っているだけまだマシ。

 

慣れたところで本命の弁当箱作りへ。

所々を山上さんに助けられながら1時間近くかけて皿らしきものが完成。削ることにある程度慣れたところで弁当箱作りに入ります。


所々と言うか、何か変な音がする度に助けてもらっていました。

まずは山上さんに加工手順を見せてもらいます。

練習の皿とは動きが違う。
削れる音とかも明らかに違う。

ザッと見手順を見せてもらったところ、皿の時は斜めに滑らすようにノミを送ればよかったのに対して、今度は最初斜めでも、最後は水平になるように削り込みます。削る量も全然違う。いきなりハードルが上がった感じです。とにかくやってみます。

必要以上に力が入る。右肩がパンパンになる。
後からガッツリ見られます。焦る。

 

2回吹っ飛ばす

最初にやった皿とは大違いであるのが削り始めてすぐにわかりました。弁当箱は皿よりも削る範囲が狭く、深く、回転中心に近いのでノミ先にかける力や位置の調整が皿よりも細かい。

本来、ノミを押さえるのにそれほど力は必要としないはずなのに、位置を合わせようと右手に異様に力が入ります。


この後、ロクロから削っている途中の弁当箱が飛んでいく。2回も。動画で撮っておけばよかったか。

削り始めて徐々に穴が深くなってくると、押し当てる力の加減が分からなくなってきました。そして、力を入れすぎるとノミが食い込み、次の瞬間目の前から削りかけの弁当箱が姿を消す。

結局2回ロクロから材料を飛ばしてしまいました。幸い周りへの被害は無し。


物的被害は無いけど、再び芯出ししてロクロに取り付けてもらう山上さんの手間は増やすことになる。

それでも少しずつ削りながら削り上がりを目指します。

細かい指示が出ます。
私ではどうにも直せない部分については山上さんに助けて頂きました。

なんとか形にはなる

削って、飛ばして、取り付け直してまた削って。そんなことを繰り返し、削ること1時間以上。なんとか荒削りが完成となる深さまで削ることが出来ました。


削った面や深さなどをチェック。職人ならばここまで10分そこそこであってしまう作業だそうです。
荒削りだけで完成ではないがそれでも嬉しい。

更に翌日も削り、上下2段分の弁当箱の原型を製作。出来上がった物がこちらです。


器として十分使えるレベルです。表面が粗いのは荒削り工程までだからとしておきます。フタはそのまま乾燥させるので加工は無し。

時間はかかったものの、思っていたよりかはかなり弁当箱らしい形になりました。残念ながらフタはまだできないので、弁当として持ち出すことは出来ません。しかし、これはこれで器としては十分機能を果たします。料理だって入れらる。

このまま工房で乾燥させてもらって、仕上げ加工を施してもらった後に送ってもらうことも出来ます。しかし、この状態でもいいから自分で作った弁当箱に料理を入れてみたい。ひとまず東京に持ち帰り、弁当を詰めてみることにしました。


完成品はこのぐらいの薄さになります。底やフタの裏に段差があって重ねてもズレない。職人技の世界。蜜蝋で表面加工もしてあるので汁気のあるものも大丈夫。

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