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ロマンの木曜日
 
三岐線と貨車の博物館

貨物鉄道博物館


終点の西藤原駅から4駅戻って、丹生川駅で下車。ホームの脇には早くも小さな貨車が置いてあって、さらに気分が高まります。


看板代わりだろうか
駅自体は花に囲まれたかわいい風情

花に囲まれたかわいい駅舎を抜け、駅前広場を通り過ぎると、目の前に蒸気機関車とプレハブの建物が見えてきます。ここが正式名称「貨物鉄道博物館」で、毎月第一日曜日だけ開館する、日本で唯一の貨物専門の博物館です。


博物館の入口
かつて東武線で貨物を牽いていた蒸気機関車らしい

博物館の建物は三岐線の線路脇にあるホームの上につくられているのですが、実はこのホームと建物、以前ここにあった貨物駅をそのまま流用しているそうで、車両が展示されているホーム下の線路も当時のままとのこと。ロケーション的には完璧ではないでしょうか。

建物内部は資料の展示、模型の展示、各種グッズの販売など。屋外のホームに沿って延びるレールの上には本物の貨車がところ狭しと並べてあります。展示貨車も見たいですが、まずは建物内の展示物を見てみることにします。


主に左側が資料展示、右側が販売ブース
いろいろな貨車の種類が詳しく解説されている

タンク車はやっぱり「ファンに人気」らしい
貨物列車しか走っていない鉄道模型ジオラマ

売っている模型も貨車ばかり
しかもさっき東藤原駅で見てきた貨車...欲しい...!

さすがに「貨物専門」を謳っているだけあり、展示物はほとんど貨物に関係しているものばかり。貨車についていた部品や古い貨物時刻表などもありました。

その中でいちばん気になったのは模型で、ジオラマを走っているのは三岐線の電車以外はすべて貨物列車だし、販売しているのもすべて貨車。このこだわりは嬉しくなります。この日は朝から三岐線の貨物列車を散々見ながらここまで来たので、思わず買いそうになりました。しかし帰りの電車賃がなくなるのとレールを持っていないのとで何とか我慢。でも、もし僕が鉄道模型を始めたとしたら三岐線の再現に熱中しそうです。


屋外に超大物が

では、いよいよ屋外展示を見に行ってみます。ここも三岐鉄道が場所の提供をした以外はすべてボランティアの手によって運営されていて、展示車両の整備などもボランティアスタッフが行っているとのこと。ちょうど目の前に整備中の貨車があって、痛んだ木製の外板がすべて剥がされ、骨組みがむき出しになっていました。その隣ではタンク車が再塗装中。本当に好きだからできる、好きな人にしか務まらない仕事だと思います。


痛んだ板が剥がされ骨組みだけになった貨車
再塗装中のタンク車

個人的に大好きな車掌車だけど残念ながら中には入れず
こちらは荷物室が再現されていた

蒸気機関車のパーツ配置は神がかってる
この時代の工業製品って芸術的ですよね

これはエンジンで貨車などを引っぱる通称「アント」
そしてこのアントがとんでもないものを引っぱってきた

「あれが動いてるのはまず見れないから、見といた方がいいよ」

と声をかけてくださったのはここの館長さん。貨車を移動させるときに使う「アント」が、向こうの方から何やらとんでもなく大きな貨車を引っぱってきました。あの黒い橋みたいなのは何ですか?

「あれはね・・・」


なにやらものすごい貨車が出てきた

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