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フェティッシュの火曜日
 
理想のラッシー


死蔵のミキサーが、私の生活を変えてしまった

押入れの整理をしていたら、使っていないミキサーが現れた。確か、知り合いに貰ったものだと思う。これといった使い道を見出せないまま、一度も取り出されることなく押入れの肥やしとなっていた。

最初は捨ててしまおうかと思ったが、ふと閃いて、インドのヨーグルトドリンクであるラッシーを作ってみる事にした。すると、これがなかなかに、うまくできてしまったのである。

それに気を良くした私は思った。自分の、自分による、自分のための、理想のラッシーを作ってみよう、と。

木村 岳人



ラッシーを生んだインドは偉大だ

私はインドという国が好きだ。雑然としていて、嘘つきも多く、町を歩けば牛の糞を踏む。道路は廃ガス臭く、病気にだってかかりやすい。しかし、その吹き溜まりのような混沌の中には、吐き気を催すほどのエネルギー、無茶苦茶な包容力、そして一摘みの意味不明な心地良さが混在しているように思う。

私は学生時代にインドを訪れて以来、まるでデング熱にやられたかのように、インドという国に魅了されれてしまった。普段、何気なく日本で生活をしていると、突然、無性にインドに行きたくなる、インド病を発症するようになってしまったのである。


底なし沼のように奥が深い国、インド

そして、今年もまたインド病が表れた。当サイト、「デイリーポータルZ」のライターが、インドのデリーに行って「デリーポータルZ」をやるという、そんな嘘のような本当の話が、エイプリルフールにて敢行されたのである(→参考リンク)。その更新を見ていたら、久方ぶりに、この病気を発症してしまったのだ。

そんなインドへの思いを抱きながら悶々と過ごす日々の中、ミキサーを見てラッシーを作ろうと思い立ったのは、ほとばしる旅行欲を抑え、真っ当に日常生活を送らんとするが為の、自己防衛なのかもしれない。

まぁ、ともかく、こうして私のラッシー作りは始まった。色々調べながら、良さそうだと思うレシピを参考に、ラッシーを作る。


まずは、ヨーグルトを80CC取る それをミキサーに投入

続いて牛乳を40CC入れる 氷も牛乳と同じくらい、製氷機の氷で3個ぐらいだろうか

砂糖は多めに、スプーン大盛り2杯 それをミキサーにかける

氷が砕けて全て溶けたら、はいできあがり

うむ、簡単にできてしまった。しかもこれが、結構うまい。

正直、作り方はかなりテキトウである。計量カップも普通の200CCカップではなく、炊飯器に付いていた米用の180CCカップという体たらくだ。しかしながら、そんなやり方でも、十分飲むに値するラッシーができてしまうのである。

なお、一つ注意する点として、最後のミキサーをかけすぎてはならない。氷が溶けて無くなった瞬間にスイッチを止めるのがベストだ。ミキサーを回しすぎると温くなってしまうし、攪拌が少ないと氷のかけらが残ってしまう。ちょうど良い頃合を見極めなければならない。コツはそれだけだ。


ラッシーに一番合うヨーグルトを探る

そもそも私はヨーグルトが好きで、普段からヨーグルトを結構消費している。特に銘柄にこだわりは無く、スーパーに行って、その時安く売られているヨーグルトをテキトウに買ってくるのだが、そんないい加減な私でも、ヨーグルトの種類によって風味や口当たり等々が異なる事は知っている。

すなわち、ラッシーのようなヨーグルトドリンクを作るにあたり、それに適した品と、そうでない品があるのではないかと思うのだ。理想のラッシーを作るというからには、まずはラッシーに最も適したヨーグルトを探し出さねばならない。


これら、10種類のヨーグルトでラッシーを作ってみます

私はスーパーに行くと、ヨーグルト売り場でしのぎを削る、10種類のヨーグルトを買いあさってきた。

オーソドックスなものから、ちょっと割高な良いヨーグルトまで、手広くそろえたつもりである。普通に考えれば、高いものほどうまいラッシーになりそうな気がするが、さてはて、どれが一番うまいのだろう。


それでは、行かせていただきます


明治「ブルガリアヨーグルト」

まずは超正統派、明治ブルガリアヨーグルトから。

大阪万博のブルガリア館で乳酸菌を譲り受け、それを元に開発された、30年以上のロングセラー商品だ。Wikipediaによると、ブルガリアという名称も、ブルガリア政府から正式に許可されているのだという。

その歴史も相まって、このブルガリアヨーグルトは、日本で最も多くの人々に親しまれているヨーグルトと言えるのではないだろうか。実際私も大好きで、安く売られている時などは、迷わず買いだめしてしまう。


安心感覚える、おなじみのパッケージ ラッシーを作ったらすぐに飲んで

味をメモして ミキサーやグラスを洗う(これが結構面倒)

さて、ラッシーの味はというと、これがまっこと想像通りの味であった。ブルガリアヨーグルトの特徴同様、爽やかで、軽い酸味が心地良い。ラッシーにしても飲みやすく、ごくごくいける。

いきなり、自分好みのラッシーができてしまったような気もするが、ただ、何かちょっと、物足りない感じがするのも事実である。その足りないものとは何なのか、他のラッシーを飲みながら探っていこう。


メグミルク「ナチュレ恵megumi」


ブルガリアヨーグルトが青なのに対し、こちらは赤一色 ふむふむ、なるほど

こちらは、ブルガリアヨーグルトよりも随分と酸味が少なく、より牛乳の風味が残っている。牛乳が苦手な人とかは、ちょっと辛いかもしれないな、という味。

決して悪くは無いのだが、私はブルガリアヨーグルトで作ったラッシーの方が好きかもしれない。


森永「ビヒダスヨーグルトBB536」


スーパーではお買い得な時が多いので重宝します 恵よりもさらに牛乳の風味が強い

これは結構酸味が強い上、牛乳の風味もかなり強く残っている。ラッシーにすると、口当たりが非常に滑らかで良いのだが、やはりその独特のクセが出てしまっているので、人によっては恵以上にダメかもしれない。

それはそうと、ここにきて、何かお腹の調子がおかしくなってきた。腹の奥底から、異様な音が鳴り出したのだ。


ダイエー「ビフィズスプレーンヨーグルト」


至ってシンプルなラッシーができた クセのようなものは全く無い

ダイエーのプライベートブランドだが、パッケージを見ると森永が作っているようだ。森永のビヒダスは結構クセがあったが、こちらは本当にプレーンというべき味で、全くクセが無く、さっぱりした味わい。

ラッシーにすると、ヨーグルトの風味というよりむしろ、砂糖の味が強く感じられるほどにプレーンである。個性が無さすぎるというのが個性なのかと思う程だ。


グリコ「朝食プロバイオティクスヨーグルト」


今までとはちょっと違うヨーグルトだ 寒天が入っているので、ちょっと固め

これまでのヨーグルトとは違い、元から甘みが付いているヨーグルトである。程よい甘みと酸味、さっぱりと食べやすく、ヨーグルトとして食べるには結構好きだ。その名の通り朝食に向いていると思う。小学校の給食で食べたヨーグルト、という感じ。

しかしながら、ラッシーにすると非常に残念。寒天の功績か、舌触りは凄く滑らかなのだが、いかんせん、さっぱりしすぎていて、味も軽い。なぜか後味に渋みを感じる。う〜ん、好みのヨーグルト=好みのラッシーというわけにはいかないようだ。

ところで、先ほどからおかしかった私の腹だが、ちょっと大変なことになってきた。これまで私は、試飲を含めて既に7杯のラッシーを飲んでいるのだが、そうして取り込んだ乳酸菌たちが暴れているのか、それとも腹が冷えたのか、私の胃腸がいまだかつて無い程に活性化しているのである。

いや、これはもはや、暴れるなんて生易しいものではない。祭りだ。腸内で乳酸菌による祭りが始まっている。岸和田のだんじりのような巨大な山車が腸内を走り回り、腸壁にガンガンとぶち当たっているかのようである。もはや臨界ギリギリ、メルトダウン発生寸前。


まるで猫の喉音のように、腹がゴロゴロ鳴っている も、もうダメだ……

しばらくお待ちください

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