エコカイロは「過飽和」という現象を利用

この結晶化する現象、科学的には「過飽和」と呼ばれている。中身のこの溶液は、本来、結晶化してもいい濃度なのだが、何かの刺激が無いと結晶化しない傾向が強く、こうやって液体のままになっている。そこへ金属板のパチン！という刺激を与えると一気に結晶化を開始し、それと同時に発熱が起こるのだ。
たとえて言うと、国民がありえない重税と圧政に黙々と耐えているところに、一人の革命家が現れて、国全体の怒りが一気に爆発するようなものだろうか。

というわけで、刺激があれば金属板以外でも、結晶化＆発熱は開始されるんじゃないだろうか。そう思った僕は、さっそく実験を開始した。

物理刺激１：デコピン

まずは物理的な刺激からいってみたい。攻撃方法はデコピンだ。刺激の効果が表れやすそうな、空気の泡が多いところを狙って、連続攻撃を仕掛けてみた。

敵はそうたやすくは無い。考えてみれば、袋の外からのデコピン程度で反応するようでは、携帯することができないじゃないか。
そんなこともあろうかと、物理刺激の第二弾を用意しておいた。

物理刺激２：太い輪ゴム

こいつで力を貯めてバヂン！と弾けば、さすがのエコカイロもイチコロだろう。
あらん限りの力で輪ゴムを引き絞り、弱点である（かもしれない）端の部分に重点攻撃を加えてみた。

強い。
法治国家においては残虐であり、違法と言われても致し方ない勢いでエコカイロをムチ打ったのだが、奴はびくともしなかった。過度の攻撃は袋を破損するおそれがあるのでムチ打ちを中止し、次の攻撃方法に移った。
次は電気マッサージ器である。

物理刺激３：電気マッサージ器

僕はデスクワークを続けると背骨が痛くなる体質なので、このマッサージ器は欠かすことができない。強力な振動が一気に背骨の軋みを取り去ってくれる。

やわらかく、そして大胆にエコカイロのツボを攻めてみたがダメだった。どうも物理刺激では厳しいっぽい。ここはちょっと方向性を見直し、刺激の種類に変化を加えてみたい。