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土曜ワイド工場
 
この夏以外のオススメ!おばあちゃんのちゃんちゃんこ


可愛い孫(私)の依頼でちゃんちゃんこを作る事になったおばあちゃん先生

徐々に暖かくなっては来たものの、まだ時折肌寒いこの季節。

ちょっと寒いなあと感じた時皆さんはどんな対策をしているのでしょうか。上にもう一枚?ヒートテック?

それも良いですが、我が家ではちょっとだけ変わったちゃんちゃんこを着ています。

今回は我が家と、新潟県のある村で大人気の防寒着、私のおばあちゃん作のオリジナルちゃんちゃんこをご紹介したいと思います。

後半で作り方もザックリとお教えしちゃいますよ。

小堺 丸子



おばあちゃんのちゃんちゃんことは

ちゃんちゃんこを辞書で調べてみると「袖のない羽織のような形状の防寒着」と出た。 確かにパッと浮かぶのは鬼太郎や還暦のおじいちゃんが羽織っているアレを思い出す。


パッ

しかし私のおばあちゃんが作ってくれるちゃんちゃんこは、袖も無いが前部分もほとんど無い。


巷で見かけない形状のおばあちゃんのちゃんちゃんこ

着てみるとこのような感じ。

そう、後姿だと普通のちゃんちゃんこと見分けがつかない。おばあちゃんのちゃんちゃんことは、要は普通のちゃんちゃんこの前部分が無いだけなのだが、それだけでどの位便利かと言うと・・・


前部分が無いためダボつかず、ジャケットの下にも着れるのです。

丸めると小さくなって
カバンにも入って持ち運び便利

肩周りがスッキリしていて動きやすいし
オキニ(お気に入り)のシャツの柄が隠れないという ファッショナブルさ!

不要になった衣類を使って作るというこのちゃんちゃんこ、我が家では1人2枚持っていてちょっと肌寒いなという時に活躍しています。


母はエプロンの下に着用。
兄も着用。

もっと分かりやすいように、似たような防寒着の比較表を作ってみました。

おばあちゃんのちゃんちゃんこは利点がいっぱい!

という訳でそろそろ皆さんも、
この「おばあちゃんのちゃんちゃんこ」が欲しくなって来た頃だと思うので、作り方をお教えしたいと思います。

ただ、私の家族はみな既に持っているので
今回は我が家にいる2匹のトイプードル達(もこ♀、ゲンキ♂)に家族の証であるこのちゃんちゃんこを作ることにしました。


毛がたくさんあるくせに寒がりなうちのワンコ達。

おばあちゃん先生登場

そうして先日、新潟に一人で住む84歳になるおばあちゃんが久々に我が家にきてくれた時に「ちゃんちゃんこの作り方を教えて〜!」とお願い。
おばあちゃんは優しく 「いいよー」と即答してくれた。


自慢のおばあちゃん

おばあちゃんは私と本当に血が繋がっているのかと疑うほど、働き者で優しく、控えめで品があり可愛らしい。

「前にあそこ行ったのいつだったっけ?」と問う私に
「あれは2年前の秋だね」と即答する位だから記憶力も私より良いようす。

 

ゲートボール仲間にも大人気のちゃんちゃんこ

私たちが小さい頃には従兄弟合わせて6人分の浴衣を作ってくれたり、成人式の時の着物も作ってくれたおばあちゃん。
その確かな腕前で、今でも村の人たちによく針仕事を頼まれるのだそう。

そうしてゲートボール仲間にもこのちゃんちゃんこを作ってあげていったところ、ほとんどの人がゲートボールの練習中に着用し、他の村から来た人に「ユニフォームですか?」と聞かれたという。なんて可愛らしい光景だろう。

さてそんなおばあちゃん、犬用ちゃんちゃんこは流石に初めて作るというが、果たしてうまく作れるか?
それではプロ級の仕立て屋の技をとくとご覧ください!


家にあった適当な布を使います(左は母の履かなくなったスカート)

1.まずは背中のサイズを計測 2.ハサミで布を切っていきます。 3.襟にあたる部分に目印をつけて

4.私も手伝います。(おばあちゃんはちゃんちゃんこより、私のジーンズの膝に開いた穴を直したがっていた) 5.襟部分を切って、 6.コンビニ袋みたいな形になりました。(二枚重ねになってます。)

7.襟部分以外の3辺を縫っていき、袋状にします。 8.別に切っておいた襟+肩にかける部分の布を襟の一辺に縫い付けて 9.綿を大きめに重ねます。

10.綿を端に合わせて折り、綿がずれないように端っこの何箇所かを軽く糸で留めておきます。(最後に切って捨てる) 11.端っこまでちゃんと綿がいくように抑えながら袋をひっくり返すと 12.綿が入った袋になりました。(この時、10でつけた糸を引っ張ると綿が隅々までいく)

13.襟周りを縫いつけて袋を閉じます。 14.襟にも綿をはさみながら 15.手早く縫うおばあちゃん。(そういや私何もやってないな)

一時邪魔になったマチ針を口に挟むおばあちゃん先生。カッコいい!!

必要ないけどマチ針を口に挟む糸通し名人。カッコいい!!

16.脇の下で留める場所を決めて

17.ラストスパート!
私もちょっとだけ手伝ってますよ。
18.しっかりと留めます。 19.飾りにボタンをつけて、ズレ落ちないように紐もつけてあげて

20.完成しました!(9割方おばあちゃん製作)

人間用と比較するとちょうど4分の1くらいになりました 「早く着せろわん!」 それではさっそく着せてみましょう。果たして気に入ってくれるかな?

 

じゃーん!!!
・・・ビックリするほど無表情のもこ(♀)。
こんな遠い目をした表情見た事ないですが、見ようによってはあまりの嬉しさで
泣き出しそうなのを堪えているようにも見えます。そういうことにします。

全体的に暖かそうな後ろ姿。

もう1つ同じように作り、 ゲンキ(♂)にもあげました。 「こりゃおしっこしても引っかからなくて良いですぜ」 そうしてちゃんちゃんこは我が家のユニフォームとなりましたとさ。

ばあちゃん、ありがとワン!

いかがでしたでしょうか、おばあちゃん作のちゃんちゃんこ。
今回使用したものは、 家で見つけた余った布と綿(600円で大量に購入できた)のみ。 それらを利用して得たものは、世界に1つだけの可愛らしいちゃんちゃんこと皆のプライスレスな笑顔。

電化製品や使い捨ての製品が溢れている世の中、こんな風に自分の手で再利用できるものはなかなか無いという事に気づかされました。

埋もれてタンスの肥やしになっている衣類たちを使って違ったものに変化させ、好きな人(犬)に喜んでもらうのは中々気持ちのいいもの。私たちに沢山作ってくれるおばあちゃんの気持ちが少し分かった気がします。

サイズも柄も品揃え豊富になりました!ユニクロとか巣鴨の商店街とかに並べたら人気出るかも?

あったかいわ〜ん

 
 

 

 
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