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ひらめきの月曜日
 
辛いぞ、勝浦タンタンメン紀行


最近、B級グルメ情報ばっかりがあふれてる。
「本当に美味しいのか」「というか、それはちゃんと地元に根付いているものなのか」「町おこしのために、無理くりやってないか」と、疑問なものが増えて来て、食べに行く気に、なかなかならない。
でも、この「勝浦のタンタンメン」が、テレビのなごみニュースの画面に出て来た時、「あ、ヤダちょっとこれ、美味しいんじゃないの…?」と思ってしまった。

大塚 幸代



ラー油とタマネギがたっぷりのっかった麺。「辛い! 身体がほかほかします」とリアクションするレポーター。
何でも、「勝浦の海女さんなど、漁業関係者が、身体をあっためるために考案されたラーメン」なんだとか。
むむ、説得力がある。
そして偶然ではあるが、今、流行りの「ラー油」が使われているというキャッチーさが、なんかよさげ。
食べてみたい…。
久々の衝動だった。
私はすぐに友人に頼んで、車の手配をした。知人に声をかけ、4人ほどで勝浦に行くことになった。
早朝に東京を出て、昼前には海ほたるに到着。


ああ、海ほたるから見る海はステキ。でも東京側の空気がキタナイのが丸見え。そしてとりあえず、あさりまん 摂取。

しかし千葉…、広い、広過ぎる。都会のところは都会だけど、自然なところは、おもいっきり自然だ。
私は埼玉出身で、千葉とは永遠のライバルなので、「ああ、千葉に海さえなければ、埼玉が勝てるのに…!」と思ってしまった。半野良ニワトリが道を横切って も、海がキラキラしているのを見ると、悔しいけど負けた気になってしまう。
とにかく自然の中をかっとばし、昼前に勝浦到着!

勝浦には30件ほど、タンタンメンを置いている店がある…ということは、調べて知っていた。
しかし「どこがいいお店か」というのは、さっぱり分からない。

個人的にだが、普通のグルメサイトはあてにしないことにしている。
実はむかし、某地方で、グルメサイトの人気店に行ったら、大変に納得のいかない対応をされ(15分滞在で5000円かかった)…。帰宅後、「あの店はどう かと思う」と感想を書き込んだら、即刻削除された、という経緯があり、もう「ほぼ信用しない」ことにしている。
試しに、自分の住んでいる街の、グルメサイトをチェックして欲しい。「ここって、有名店だけど、たいしたことがないよね〜」というのが高評価になっている はずだ。
ま、そんなことはどうでもいい。
おいしい店は地元の人が知ってるはずだろうから、今回は、某ソーシャルコミュニティネットワーキングサービスの、地域別コミュに入ってみて、そこの「おす すめの店」というのを、参考にしてみた。
そこで話題に出ていたのが、このお店だ。


ばばーん。「はらだ」(原田商店)。

到着するまでが大変だった。
商店街的なところではなくて、「え、こんなとこ? こんなとこに何か飲食店あるの? っていうかこんな細い道、車で入っていっていいの?」という場所だっ たので、迷いまくった。
目印は消防団の倉庫のとこの手前を右折なんだが…、と、ここに書いても分からないと思うが…。
見つけた時はほっとするお店だ。


むむ、こんな張り紙が。

つまり、ものすごく混雑することもあるということか。
でも幸いなことに、この日は、余裕ですぐに座れた。
というか、時間帯のせいなのか何なのか、私たち以外には、お客様がいなかった。


メニューを見て、相談をする。

「まあ別にお店の人は気にしないかもしないけど、人数分、メニューを頼もう。麺を2つ、ドリンクを2つ頼むことにして…」
「やっぱ、タンタンメンは押さえるとして、あと一品くらい…」
「つけめん安いなー」
「たんめんタンタンなんていうのもあるね」
「……みそタンタンが無難じゃないですか?」
「んー、そうね、みそかな」
「みそかね」
「みそかも」
「じゃ、それで」


コカコーラゼロの瓶入り、って初めて見たかも。あと併設の雑貨屋で、「勝浦タンタンメンチップス」売って た。他のどの店に行ってもあるだろう、と思って、油断して買わなかったら、結局ここでしか見かけず、ゲット出来なかった…。

調理は、年配の女性が、かっぽう着で行っていた。
「はいタンタンメンです〜」
とん、と置かれた実物は……なかなかすごいルックスだった。


うわー。

「赤いね」
「赤いすね」
「これ、全部ラー油?」
「でも、そんなにアブラアブラしてないような…」

取り皿をもらって、みんなで分けて、食べてみる。


口にいれる。

「ケホッ」
「ケホッ」
「ケホッ」
「………」

4人中、3人がセキこんだ。

「セキこみますね」
「でも、思ったよりも辛くないし、油っぽくもないね」
「辛さが…タイ料理みたいな、いつまでも口の中がカーッとなる感じゃなくて、四川料理みたいな、じわりじわり系でもなくて、ガッときてサッと去って行く、 不思議な辛さですね」
「タマネギの甘さのせいかなあ。これ、ひき肉とタマネギとラー油と…? 何で出来ているんだろ?」
「あと普通の醤油ベースのスープ?」
「うーん、でもなんか美味しい」
「あとをひきますね」

みそタンタンメンも来た。


 

「……あ、これ食べやすい!」
「全然、味がまろやかだねえ」
「辛いもの苦手な人は、こっち頼んだほうがいいかも」
「そうかも」
「でも両方とも、美味しいよ」
「なんか身体がじんわり汗をかいてきた」
「ほかほかしてきたねえ」
「たしかに、漁業関係者のゴハンっぽい。あったまるねえ」


わりと、軽々と完食。テーブルにコショーが置いてあったが、全然減ってなかった。「確かにコレにコショウ、 かける気には、なかなかならないもんな…」と思った。

私たちが食べきった頃、地元の人らしき2人の男性が入店。
「もやしタンタン、辛さおさえめで」
と、常連っぽい頼み方をしていた。
そうね、日常で食べるなら、もやし入ってるくらいの辛さのほうがいいかも…と思った。


2件目、チャーハンも美味いという噂の店へ >
 

 
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