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ジョギングは左右どちらで回るのが正しいか


 

ここ1年ほど健康維持を目的にジョギングをしています。近所の二条城をぐるぐる走っているのですが、そのたびにある事が気になって走りに集中できません。今回はそんな僕の悩みを解消すべく調査を実施しました。

坂田 恭造



ルールを破る恥ずかしさを何とかしたい!

平城の近所に住んでいる人ならわかると思うのですが、城の周囲はジョギングコースとして最適です。お堀の周りが歩道になっているので、車道を跨がずに安全に走る事ができるのです。

二条城もそんなジョギングコースのひとつなのですが、ある問題を抱えています。

それは「左右どちらの方向で走れば良いか」。

城の周回はたまたま歩道で囲まれただけの場所であり、競技場のトラックとは違います。1周の長さが1.88kmと半端であったり、歩行者や自転車が日常的に通行したり、コースとして完璧ではありません。また、ランナーごとのスタート地点もバラバラです。そうなると距離の調整や歩行者を避けるために途中で走る方向を変えたり、右回りをしたりする必要が出てきます。



より大きな地図で 二条城の周囲はジョギングコース を表示
車道を渡らないのでジョギングしやすい。ただ、左右どちらに走るかで葛藤。

しかし実際に右回りで走っている人は少なく感じます。陸上のトラック競技は左回りですから、それに合わせて皆左を向いているのでしょうか?

僕は一度、距離の調整のため周回3/4を走った時点で右回りに引き返して走った事があるのですが、皆左回りのため、右回りの僕はジロジロ見られるのです。

ウーパールーパーやエリマキトカゲを見るような、奇異の視線。逆回転は常識外れの世間知らずと言う事なのでしょう。とにかく大層恥ずかしい思いをしてしまったのです。

逆方向に走っている僕は変態なのではないのか!?しばらくしたら警官に職務質問されてしまうのではないのか!?それ以来、自分が完璧なマイノリティであることへの恐怖から逃れられないでいます。


城北面にて西方向を撮影。四方ぐるりこんな感じで走りやすいのだが、この写真見てもわかる通り、皆おなじ方向を走る。

そこで、右回りで走っている人の比率を実際に調べ、マイノリティであることを否定しようと考えたのです。

ランナーが左右どちらで走っているかを数えマイナー、メジャーを判定します。右回りの人が少なくない事を確認すれば、僕が変ではないという証明になるわけです。

僕は普段晩に走っているのですが、朝ジョギングを楽しむ人も大勢居ます。走る人の層も変わるでしょうから、事情が違うかもしれません。

本来の二条城は皆暗黙のルールに縛られる事なく左右平等にジョギングを楽しむ場所かもしれません。自由な場所なのかもしれません。自由の国とはフランスでもアメリカでもなく、朝の二条城、そう断言出来る世界があるかもしれないのです。そんな期待を抱きつつ、朝と晩で左右差を比べてみました。


調査用紙。カウント方法は当然日本のトラディショナルな計測法"Say-no G"(正の字)である。

 

思った通りの結果

まずはいつも走っている晩の調査から。4月初旬の晩はまだまだ冷えます。走っている時は汗が出るくらい体が暖まりますが、ただ数を数えるだけでは寒いです。あまり長居したくないのですが、ランナーが100人横切るまで調査をしてみました。

この日は二条城ライトアップイベントが開催されており、その見物客が多かったです。カップルや家族連れでやってきて幸せそう。ひとりで数えている僕が馬鹿みたいです。僕は今29歳。世間一般の29歳男性のイメージといったら、奥さん子供がいて、堅実なお仕事で家族を支えている感じだと思うのですが、僕は家族どころか自分ひとりの生活を支えるのも危ういくらいです。


夜中でも構わず見たくなる二条城の魅力。しかし特筆すべきはそれに目もくれず走るランナー達のハマりっぷりである。

自分の境遇を勝手に呪い続けて1時間強。イヤな空気感を存分に醸し出しながらも100人数え終わりました。以下、調査結果です。

 

【二条城を走る方向調査(途中経過)】

 
ランナー 24 76
1 4

 

夜走っている人の方向

やはり左回りが多いです。参考のために犬の散歩をしている人の数も調べています。人だけでなく犬までも左回り。単に競技場のトラックと同じ回り方というだけではなく、動物が本能的に回ってしまう方向という事でしょうか?

僕が調査していて思ったのは、右回りする人はジョギングというよりもウォーキングをしている人が多かったという事です。本格的に走っている人は左回り。そうでない人は右回りも可という雰囲気です。二条城の周りを回る人たちの中で「競技=左回り」「散歩=どちらでも良い」というルールが暗黙のうちに設定されているようです。


晩のまとめ

  • 左回りに偏るのは動物の本能
  • 歩くぶんには右回りも許容される
  • 二条城ライトアップの時期は1人で来ない

 

朝を調査

続いて朝の調査です。晩と違い、スパッツ的なズボンを履いていたり、高価そうなランニングシューズを使用したり、本格的に走る人が多いようです。準備体操や筋トレを行う人の割合も多く、本気度が高いです。また、年齢層も晩と違ってシニア層が多いように感じます。

そんな中で、パーカー姿に下敷き抱えている僕の様子は浮いてしまい、ランナー達から晩とは違った視線を向けられてしまいます。めげずに晩と同じく100人数えます。


ご覧の通り朝は人がまばら。晩と比べるとカップルがいない分調査しやすい。

 

【二条城を走る方向調査(結果)】

 
ランナー 24 76
1 4
ランナー 13 87
1 2

 

朝に走っている人の方向
そしてもういちど晩に走っている人の方向

晩よりも左回りの比率が高くなりました。よりトラック競技場に近い状態です。

軽佻浮薄なヤングの姿はなく、壮年の方々が黙々と走っている様子が印象的でした。走る事を単なる「健康維持」や「気分転換」などと考えず、競技として真剣に向き合う人が多いためでしょう。犬の散歩も数がへっていますが、犬以外にも自転車や歩行者等もまばらです。朝の二条城は走るのにもってこいの場所。まさにランナー達のために存在していると言えるでしょう。これはもう「城」ではなく「競技場」と捉えた方が良さそうです。

そして朝の特徴として特筆すべきは、右回りの使い方です。右回りをしている人をよく観察してみると、左回りをしてきた人が途中で折り返して右回りで戻ってくるパターンがほとんどでした。二条城の周囲は1.88kmという中途半端な距離です。走りにこだわる人は距離の調整もしたいと思うはず。折り返して右回りになってしまう事については許されるようですね。


朝のまとめ

  • 走りに真剣な中年層が中心
  • ランナー以外のものがいない
  • 折り返しの場合のみ右回りが可能

人生迷ったら左回り

上記の結果から、僕のとる行動は

「ジョギングをウォーキングに変えて右回りを堪能する」
「いっその事スパッツみたいのとか高いシューズを導入してアスリートを目指し、やむを得ず右回りをする」

のいずれかになるようです。ただ、今回の調査は「右回りは恥ずかしい」という僕の思い込みから始まったものです。歩きたいわけでもないし、本格的にランニングをしようとも思わないし、そこまでして右回りをしたいというわけでもありません。今後、二条城だけではなく、全国様々なランニングスポットを走ることになると思いますが、よほどの事情がない限りは左回りを選択して、スッキリ走りたいです。

昭和15年に設置された案内板。二条城を作った秀吉はもとより、戦前の文部省職員もここがジョギングのメッカになるとは思ってもいなかっただろう。ただ、彼らも周回コースを回る際は左回りに違いない。

 
 

 

 
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