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土曜ワイド工場
 
東京ベストオブ大使館


東京の地図は宝の山です。

上京したばかりのころ、地図を片手に街じゅうを歩きまわっていた。
渋谷、恵比寿、青山、六本木…。
電車移動だと点で知る街が、次々線でつながっていくのがおもしろくて、学校へ、バイト先へ、美容院へ、どこへ行くのにも移動とあらば歩いた。
そしてある日私は、東京の地図の中に、ある宝が隠されていることに気づく。
大使館である。

田村 美葉



大使館めぐりのすすめ

さぁ地図を広げ、まずは「六本木・麻布十番」のページを開いてみてほしい。アメリカ、フランス、ドイツ、中国、イタリア。見覚えのある国の名前がたくさん見つからないだろうか。そう麻布十番周辺は、日本有数の大使館密集地。その気になれば一日で世界一周できてしまう、ワンダーランドなのだ。旅行気分を盛り上げるさまざまなギミックが、大使館には用意されている。

たとえば、エジプト大使館。


代官山のおしゃれストリートにそびえたつ、ピラミッド!
スフィンクスまで鎮座している。本気だ。

そしてたとえば、オーストラリア大使館。


一見普通のかっこいい建物だが…
そんなところにカンガルー! 紛れもなく、ここはオーストラリア。

さらにたとえば、サンマリノ大使館。


青い海。白い砂浜。よく知らないけど、すごくサンマリノっていうかんじ。アドリア海ってかんじ。

と、わかりやすいところから紹介したが、大使館とはすなわち各国大使のお住まいなので、普通はもう少し、ひっそりとしてはいる。では、そういった標準タイプの大使館を楽しむポイントを案内しよう。

 

1. まずはかっこいい旗とエンブレム

大使館に必ずあるのが、国旗とエンブレム。大使館探しの難点のひとつは、たいていの大使館が高級住宅地の中にあって非常に入り組んでいるので、絶対確実に迷うことである。しかし心配は御無用、そこには、とてもわかりやすい目印が待っているのだ。


あった! ギニア大使館。原色。
ここにもあった! ギリシャ大使館。エーゲ海ブルー。

一見なんでもない住宅に、かっこいい国旗を発見したときのうれしさよ。その国のイメージにぴったりの色の旗が出てると、さらにうれしい。私も、いつか私カラーの旗とエンブレムを自宅に掲げたい。マンションだけど。

 

2. 勝手に感じる世界情勢

大使館は、国の状態をうつす鏡。東京には、大小問わずありとあらゆる国の大使館がひしめいているが、国によってその成り立ちは実にさまざま。勝手だし乱暴だが、大使館をみるとその国と日本のあいだの関係が少しわかったりする。

たとえば、イギリス、イタリア、フランス、ロシアあたりの、幼稚園でも知ってる国の大使館は大きくて古い。


三国同盟の歴史を感じる、イタリア。でかい。そして古い。

一方でアメリカ、そしてアジアの隣国の大使館は警備の厳しさが半端ではない。まだ建物がまったく見えない距離で一気にものものしくなって、目的地が近いことがわかる。観光で行くぶんには非常に行きやすい国々なのだが、国同士の関係の複雑さを知ることになる。


3ブロックぐらい離れたところで、こんな感じ。
イラク大使館とかはまったくふつう。これは商務部。

こちらは立派なガーナ大使館。

世界情勢に関する知識が義務教育レベルでとまっている私にしてみると、アフリカときいただけで貧困とかエイズとか超大変、というイメージなのだが、こんな極東の島国にきちんとした大使館を建てているのだ。よかった。といつも安堵する。

 

3. 建物好きにもオススメ

大使館っておしゃれだ。国の代表として、おかしな格好はできない、そういう気概が大使館には満ちている。東京の名建築めぐりをするならば、ぜひその行程に加えていただきたい。


クエート大使館。代々木体育館や都庁でおなじみ、世界の丹下の作である。これ本当。

ブラジル大使館はサン・パウロの建築家ルイ・オオタケの作。日本人にはないセンス。
こちらは、マダガスカル大使館。すごくオシャレ。とてもオシャレ。

ではここで、満を持して、個人的な大使館ベスト3を発表しよう。

 

第3位 自己アピール系の長、カンボジア大使館

ついにカンボジア大使館を紹介する日がやってきたか。カンボジア大使館はですね、すごいのですよ。この大使館を見つけたせいで、ここまで大使館めぐりにはまったともいえる、すばらしい自己アピールっぷりが。それは、青山通りを1本入ったところにある。


こちらからみると、ごく普通の立派な大使館でしょう。ところがだ。
反対側に、顔。である。しかも巨大。

なぜ、顔なのか。なぜ、でかいのか。よくわからない。わからないが、「ここ、カンボジア大使館なんですよ」といわれれば納得の異国情緒である。もう既に、私にとってカンボジアといえば、顔の国だ。行ったことないけど。


ただし夜に見たらぜったい怖いとおもう。

第2位 坂の上のオアシス、メキシコ大使館

こちらは名建築系のなかでもとりわけ私が好きなメキシコ大使館。赤坂の大通りを1本入り、坂をのぼりきったところにあらわれる。


かっこいい屋根
見たことのない植物

メキシカンオアシス!

なかなか伝えにくいのだが、メキシコ大使館の良さは場所とのバランスなのだ。全体の配色のバランス、空間のつかいかた、異国の植物。隅々に行き届いたセンスが、この場所を完全に制している。たぶんマイナスイオンとか出ていると思う。都内有数の癒しスポットだ。メキシコって意外にハイセンスな国なのかも。行ったことないけど。

 

第1位 イスラム文化の伝道師、マレーシア大使館

そして、自国の文化を完璧に表現しながら、かつ、おもしろにくずれない、自己アピール系と名建築系のハイブリッド。それが、今回1位として紹介する、マレーシア大使館である。


渋谷に突如立ちはだかる、幾何学模様の白い巨壁

美しい。
じつに美しい。

幾何学の穴からのぞく内部にもまったく隙なし。なんだこの高級リゾートホテル。
イスラム文化ってすごい。

私はこの大使館をみて、イスラム文明を尊敬するようになった。マレーシア、きっとすごくいい国にちがいない。行ったことは、ないけどな。

さぁ大使館で、世界に想いを馳せよう

いろいろな大使館を紹介してきたが、東京にはそれこそ、国の数だけ大使館がある。ちょっと気になる建物を見つけたら、国旗やエンブレムがついていないか、ぜひチェックしてみてほしい。そして世界に想いを馳せよう。馳せるだけなら、タダだ。

だんだんはまっていろんなものが国旗に見えるようになる。これは鯉のぼり。

 
 

 

 
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