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ひらめきの月曜日
 
「仕分け対象」ふらり見学


テレビのニュースで、今日も、蓮舫の声がする。
事業仕分けのニュースは、ついつい見てしまう。いろんな意見があるだろうが…、それ以前に、こんな施設があったのか、と、知ることが多い。
面白そうだな、という場所も多い。
せっかくなので、行ってみることにした。なくなってしまう前に。

大塚 幸代



旅の図書館


『旅の図書館』は、東京駅から1分という、ものすごい良い立地の所にある。

しかし、看板がこじんまりし過ぎていて、知らない人はフラッと入れない感じのオーラを放っている。
例えて言うなら、マンションの一室で営業している、マニア向けCD屋というか…。


だって、ビルの地下だし、入り口こんな感じだし。ドア開けにくいし。

入ると、「筆記具以外の荷物は、コインロッカーに入れてください」と注意された。100円ロッカーだ。お金がもどってくるやつなので安心。

書棚は、広くはないけれど、「こういう旅本の専門書店があったら、通いたい…!」という感じの、素晴らしいラインナップだった。
「地球の歩き方」「るるぶ」「タビリエ」「歩く〜」など大手のシリーズから、こまかい紀行本まで網羅。各地の折りたたんだ地図もあった。基本的には「日本人向けの国内外旅情報」がメインなのだが、英語版の「ロンリープラネット」も一応置いてあった。
日本から書籍が出てないけど国発行のパンフはある…という国は、ちゃんとパンフが置いてある。
雑誌もある。国内の旅行雑誌から、海外のいろいろな航空会社の「機内誌」最新号がずらり。
世界の機内誌! 萌えー!!
「月刊京都」「雲のうえ」などの地方雑誌もあった。地方誌、萌え萌えー!!
「世界の中学生」という、世界中の中学生の日常が書いてある本も良かった。たぶん児童書だと思うが。
アイタルフード(ジャマイカ、ラスタ式食餌法)の情報が欲しくて、「ジャマイカ&レゲエAtoZ」を読んでみたら、「あんまりおいしくない」と、ばっきり書いてあった。そうですか。
鉄道本も多く、「世界の通勤電車」なんて本も。なんじゃこりゃ、とむさぼり読む。
コーナーでは、万博に向けて上海特集をしていた。新刊コーナーにも、たくさんの本があった。「ちぃ散歩」最新刊とか。

司書さんたちは、テキパキと働いていた。


海外や国内地方のフリーペーパーも置いてあります。

あっ…………というまに、2時間たっていた。

とりあえず、ポルトガルの食文化の本から、ポルトガル風タコごはんの作り方をコピーしてしまった。
高い。モノクロで1枚30円ほどする。
書籍は貸し出し、持ち出し不可なので、コピーかメモしか出来ない。

ああ、こんないい図書館、無くなって欲しくない…と切実に思った。もし移転するなら、新宿HISのうらっかわとか、リアルに旅情報が欲しい人に向けた場所がいいんじゃないかなあ、とも思った。
……確認はしていないが、座って作業している客のほとんどが、別の仕事をしているサラリーマンっぽかったのだ。そこがひっかかった。そりゃ使用量は無料だけど。私も無料で使用したけれど。


旅の図書館

東京都千代田区丸の内1-8-2第二鉄鋼ビル地下一階
【開館時間】
月曜日〜金曜日 午前10時〜午後5時30分
7・8月の毎週金曜日 午前10時〜午後7時30分
【休館日】
土曜・日曜・祝日、年末年始

 

ジャクサアイ


「ジャクサアイ」も、東京駅から3分ほどの好立地にある、JAXAの広報スペース。

実際の宇宙服やら宇宙食、パネルなど、宇宙関連の展示がいろいろしてあり、
何かが打ち上げられたら、そこでパブリックビューイングなども出来る。


宇宙服の中に、顔を入れて、顔ハメ撮影も出来ます。

ここがなくなるのが寂しい! という声は、私の周囲にも多かった。
行ってみて、キレイだし、子供も喜ぶだろうし、悪くないなあとは思ったけれど…。
私は「宇宙に萌える」という能力があんまりないらしく、素晴らしい展示(宇宙に持って行ったヤキトリとか)に感動出来ず、5分で閲覧終了。
こんなにいい立地で、「旅の図書館」の100倍くらい気軽に立ち寄れる場所なんだから、
もうちょーっとエンターテイメント性が欲しいなあ!
せっかくJAXAなんだから、カッコいいグッズとか売ってれば買うのになあ! Tシャツとか! あと本とか! とか、思ってしまった。
宇宙好きには、大満足の空間なんだろうか…、わからない。


JAXA i (ジャクサアイ)

千代田区丸の内1-6-4 オアゾショップ&レストラン2F
10:00〜20:00
【定休日】
元日、2月第3日曜日

 

CAPIC(刑務作業製品、販売所)


「中野水再生センター」の横にあるのが、CAPIC(矯正協会、刑務作業製品販売所)。

服役してる皆さんが、更生するために作業して作った工芸品を、売っているお店だ。
店内は広くてきれいなんだけれど、遠い。駅から遠い。お客さんもあまりいない。
でも製品は、悪くなかった。手作りの白い湯のみ、300円。家具も、「こんなの売れるのか?」とテレビで突っ込まれていた豪華家具は少なく、イケア級のお手頃なものが多い。
面白いものがあった。「マル獄シリーズ」というもので、「極」という字を使って、刑務所をイメージしてデザインしたグッズだ。ものすごいコンセプト。和風で丈夫で男子好きする商品で、肩掛けトートが2000円、ナナメがけのカバンが4000円くらい。お手頃価格だった。
普通にセレクトショップで売ったら、売れそうだった。というか普通の店舗に卸したら、いけないものなんだろうか、こういうのって…? 


CAPIC 刑務所作業製品展示ルーム

東京都中野区新井3-37-2
9時30分〜17時
【定休日】
日、月、祝日
(CAPICは全国各地に支店があります、チェックは公式サイトで)

仕分けられちゃうの?

仕分け対象を、いち客として行ってみて、感想は

  • テレビで見た感じと違う
  • ネットで見た噂とも違う
  • いいところと悪いところがある

だ。
現場に行けば、誰もが、何に対しても感じる違和感なんだろうが…。

普通の企業だったら、ありえない「ざっくり」さをやってるうちに、別のとこから来た人が「おまえらざっくりし過ぎ」って言いながら「ざっくり」処理しようとしてるから、全体的にざっくりざっくりしちゃってんのかな〜、と思った。どんな感想なんだ、これ。

でも。
地道に、旅の図書館の「棚」を作った司書さんは、アレが消滅したら、すごく悲しいだろうなあ、と想像する。お金なんて、カルチャー方面から、がんがん削られていくものだから。
なくならないで欲しいなあ。でもなあ。だめなのかなあ。……と、ぼんやり考えこんでしまう月曜日なのだった…。


 
 

 

 
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