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ロマンの木曜日
 
からし焼!それは東十条のパワーフード


味濃い&茶色い系料理大好き派には見逃せない。

「からし焼」という料理をご存じだろうか。東京都内のある定食チェーンが以前から出していて美味ぇ美味ぇとよく食べてたのだけど、あらためて調べたら「東京のある一帯」発祥の料理だという。富士宮焼きそばや日生カキオコのようなご当地B級グルメ…にしてはそれほどメジャーでもない。やはり東京都内だと地方感が足りないからか。昨年そのからし焼ゾーンの比較的近所に引っ越したので食べ歩いてみましたよ。

大坪ケムタ



酒飲みにはたまらないローカル感

からし焼の発祥の地の名は東京都北区にある「東十条」。あと2駅乗ったら荒川を越えて埼玉県に突入する、東京でも北の果ての街。


止まるのはJRのみの小さな駅ですが、

京浜東北線やら新幹線やら線路の数はにぎやかです。

この線路の光景だけでお好きな方はテンション上がるかもしれませんが、東十条は別の意味でもアガる街でもある。それは酒飲みにとってすごーく惹かれる街であること。チェーン系ではない、味のある地元飲み屋が多いんですな。

夕方だけで、醸し出してる飲み屋街オーラ…。

冠も「居酒屋」ではなく「酒蔵」とか
「大衆酒場」とか多し。そして似合う!

自分の周りの酒好きピープルたちでも、東十条に立ち寄ったことある者は声を揃えて「あそこはいいねえ〜!」と言うほど(ただしサンプル数4人)。

そんな街発祥の「からし焼」とは?まずそのオリジナルと言われている「とん八」さんに行ってみた。


のれんにも屋根にも「からし焼」。

だって元祖だもの。

食べ物メニューはこちら。
ビール飲んで待ちますよ。

平日のまだ6時過ぎというのにカウンター10席中8席はもう埋まる勢い。さすが元祖!とりあえず定番らしい「からし焼ロース」を注文してみた。

ちょうど座った席がガステーブルの目の前で、料理風景もまんま見れた。といっても自分はロクに料理知らないのでうまく解説は出来ないのだけど…しかし、もっとシンプルな料理だと思いきや数種の調味料やニンニク・ショウガ、さらにおそらく秘伝の真っ赤なタレなどを丁寧に混ぜこんでいく。そして出来上がった元祖からし焼がこちら!


見るからに油とかタレとかもうギトギトのパルスが俺を刺激する!

メインは肉と豆腐です。いやタレもメインと言わざるを得ない!

濃厚かつ辛いタレに肉と豆腐。これだけ見ると麻婆豆腐的なものに思えるだろうが、もっと味はフクザツかつさらにさらに濃厚!見た目「からし煮」にも見えるけれど、調理手順は先に豚肉を焼き上げ、そこに豆腐をさらに炒めて煮て…なので「焼」で間違ってない。ちなみにいまさらながらからし焼の「からし」は「唐辛子」ですね。

その唐辛子の辛さ、そしてニンニクがすごい勢いで口中にアタックをかける汁がまたたまらん。ご飯も頼めばよかった…。


止まらぬ汁。白飯にかければさぞ…。

ということで完食。あと2軒行くのに!

いやー、最初に書いたとおり都内の某チェーンにも同じメニューはあるし「辛いタレに肉と豆腐にキュウリが載ってる」というのは同じなんだけど、さすがジ・オリジンは味の濃厚さもフクザツさも上でした。感服感服。

そう思いながら外に出た頃はもう結構外も暗め。商店街にも夜が来た。


またこの商店街が長いんですよ。

さて、この後行く2軒はご近所のライターさんを誘ったものの時間があるのでしばらく喫茶店で待つことにした。飲んで待ちたいけど酔いつぶれては困るからね。ただ、さっきのからし焼を食べてから一時間も経たないうちに尻がどうも熱い気がしてきた。いや、食べてる時からそうなるんじゃないか?と不安ではあったのだけど。あんだけ唐辛子入ってればなあ。

まだ消化するには早いんだけど。プラシーボ効果みたいなもんか?むしろカラシーボ効果と呼びたい。


こんな顔してますが尻は熱い。

そういえば『シリアナ』ってどんな映画だったっけ…とか思ってるところにゲスト到着!当サイトライターの斉藤充博さんに来ていただいた。実は斉藤さんとは家が比較的近所で、からし焼の話をした時からぜひ!と言っていたのだ。

まだお尻は熱くない。

東十条は降りたことあるけれど、からし焼は食べたことがないという斉藤さん。まさに適任かつ地元を共に学ぼう!ということで2軒目のからし焼、行ってみましょー。

猫もちらちら発見。飲み屋街の猫ってどこか野性味あっていい。

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