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ロマンの木曜日
 
オリジナル浄水器づくり


水道水をもっとおいしくしようという試みです

ミネラルウォーターとなる水は、地表に降った雨が染み込み、さまざまな種類の地層を抜けて、その間にきれいに濾過されたりミネラル成分を含むことで造られるらしい。地層が違えば味や硬度も変わるとか。

ということは、ふつうの水道水も「何かの層」を通せば風味が変わったりするかも知れない。自宅では市販の浄水器をつけているけど、「何かの層」によってはもしかしたら浄水器よりもおいしい水ができるのではないか。

と思って、さっそくいろいろな「層」を準備。実験して飲み比べてみました。

あ、ちなみにこの実験に科学的な根拠はまったくないので、絶対真似しないようにお願いします。

萩原 雅紀



いろんな石の味を試したい

地下に染み込むと言うなら、きっとさまざまな石の層を通るのだろう。そして、どういう層を通るかでその水の風味が決まるのだ。

そう考えたら、いろいろな石の層を通った水の味を試してみたくなった。いくつか気に入った味の石を見つけたら、ブレンドして自分だけの水を作ることができるかも知れない。

何かの事業に失敗する典型のようなロジックを持ってホームセンターへ出かけ、園芸コーナーで売られている石を見てみた。


石だけでこんなにたくさんの種類が

黒那智なんてすごいうまい水できそう
「赤にする?それとも魚料理だから白?」とか言いたい

ホームセンターには予想をはるかに超える種類の石が売られていた。どの石もおいしそう(完全に思考が飛んでいる)で、これは楽しい記事になりそうだ!と思ったけど、どの石も1袋15kgくらいあって、賃貸マンションに住んでいる僕が何種類も買うにはかなりの勇気がいる。値段は買えないほどでもないけど、大量に余る石の置き場とその後の使い道を考えると、これらを買うわけにはいかなかった。

そのうち僕が大金持ちになったら、「濾過道楽」としてさまざまな石の味比べをしたい。

とりあえず今日はその日に備えての実験段階のようなもの。ホームセンターの中をぐるりとまわって、浄水器の中に入れて濾過の素材になりそうなものを探した。


いまに越えてやるから待ってろトレビーノ!

実験器具の製作

水を濾過する素材が揃ったところで、素材に水を浸透させるための実験器具を作った。

実験器具を作った、などと偉そうに言っても、ペットボトルの底を抜いて逆さまに固定しただけ。ペットボトルの注ぎ口の手前に、濾過する素材が下に落ちないようにコーヒーフィルターを置いて、その上から素材を入れれば完成。さらに上から水道水を注げば、素材の間を染み通ってコーヒーフィルターから下に注がれるという仕組み。


30代半ばにもなってこんな実験器具作ってていいのか
このコーヒーフィルターの上に濾過させる素材を入れる

では、ホームセンターを歩き回って見つけたものと家の中にあったもので、浄水器実験を開始します!


ふつうの水道水

まずは味の基準となる普通の水道水。そういえば引っ越してまず最初に浄水器をつけたので、この家の水道水を飲むのは初めて。


うん、まごうことなき水だね

別段変わりはない、どこへ行っても飲める普通の水道水の味。

比較用にもう少し詳しく分析してみると、やや苦みがあって、純水ではない、明らかに「何か」が入っている味がする。口に含むと一瞬粉的な舌触りがある気がするけど、すぐに気にならなくなる。

ま、でも個人的には嫌いじゃない味です。運動した後にがぶがぶ飲むとおいしい。


コーヒーフィルターだけ

実験の直前に気づいたのだけど、素材の下に敷くコーヒーフィルターだって「フィルター」だから、何かしら濾過をするのではないか。

なので、まずは素材を何も入れずコーヒーフィルターだけを通すことにした。

今回、実験動画も撮ったのでぜひ見てください。でもほとんど代わり映えしないけど。


コーヒーフィルターは味を変えるか

コーヒーフィルター

コーヒーフィルターだけを通ってきた水は何か変化を感じられるか。一口飲んでみます。ゴクリ。

あ、ぜんぜん違う!

ノーマルの水道水で感じられた苦み成分がかなり緩和されている。一瞬舌に感じた粉っぽさもなくなって、だいぶ水が丸くなった感じ!ノーマルよりやや冷たく感じるのは、何か濾過されたことで舌への当たり方が変わったからだろうか?

なんだか抽象的な表現ばかりだけど、科学的根拠がなくすべて感覚なのでご了承ください。


見た目には変化なし

 

活性炭

次は、どこかのダムに行ったとき地域のイベントが開催されていて、そこで来場者に配布されていた活性炭。活性炭といえば、置いておくだけで空気が浄化されるというすごい素材、だったような気がする確か。



もらったの数年前だけど何に使えばいいのか分からず
ちょっと持っただけで手が黒くなったけど大丈夫か

実験装置に入れる前に軽く水で洗ったら、黒ずんだ水が流れてきてちょっと怯んだけど、コーヒーフィルターを信じて装置に投入。上から遠慮なく水をかけた。



いかにも強力に濾過しそう
洗ったら黒い水が出てきた

活性炭

一瞬、水が丸くなった以外は味が何も変わってない気がして、あれ?おかしいなと思った。少なくともコーヒーフィルターをを通っているので、苦みが緩和されているはず。その後何度かノーマル水道水と飲み比べて、分かった。水道水の苦みは見事になくなっている。そのかわり、別の苦み成分が添加されているようなのだ。ということは、あの黒い水が苦み成分の元だろうか。そして僕はそれを飲んだということか。黒いイメージが頭にこびりついていたせいか、特においしくは感じなかった。

このあたりからやや胃腸が心配になってきた。



水の色は特に黒くはなかった
しかしフィルターの内側は真っ黒!

 

水槽用ろ材

ホームセンターを歩き回っていたとき、水を浄化するものとして目についたのが水槽用のろ材。本来は、ろ材にバクテリアを住まわせて、そこに水を通すことでバクテリアが水を浄化するものだけど、活性炭と同じ多孔質であることには変わりない。しかも石っぽい素材なので味の変化も期待できる。

これに触れた水を飲んで平気かは分からないけど。魚が大丈夫なら人間も大丈夫、という根拠で実験開始します。


しかしこれやけに高かった
活性炭と同じく軽く洗って浄水器に投入!

水槽用ろ材(途中2倍に早送りしてます)

今までと同じように容器に入れて水を注いだだけだけど、このろ材は水が落ちるのが遅かった。そんなに密集していたのだろうか。でも、その分濾過がたくさん行われたわけで、味に期待が高まる。

とは言え未知の素材だし安全面的に怖いので、ほんの少し、小さじ1杯分くらいだけゴクリ。うわ!

これ明らかに味が違う!ぜんぜん違う!石の味がする!当たり前だけど。匂いも白っぽい石の匂いで、どこかで嗅いだことある!

そうそう、これは河原の匂い、それも大きな岩がゴロゴロしている上流の方のような匂いだ!

なんだか口の中に変な後味が残るし、これはやめておこう。


味と匂いに劇的な変化が

 

自然の素材ではなく、人工物はどうだろう。と思ってまず試してみたかったのが布。とりあえずここでは着古したTシャツを洗濯機で洗って、念入りにすすいで、太陽の下でぱりっと乾かしたものを使うことに。さらに、容器の中に入れやすく、効率を上げるために10cm四方くらいの大きさに切って、いろいろ不安なのでいちおう煮沸消毒もした。



元Tシャツの布片
殺菌のため少し鍋で煮た

鍋の煮汁がやや濁っていたが、気づかなかったことにしよう。


Tシャツ(途中4倍に早送りしてます)

えーと。

おお、ここでシャンパンとは気が利くよね、などと思いたくなる、今までになかった泡立ちっぷり。これは飲んだら(いろいろ)マズそうだ。


うすーく色もついているような気が...

とりあえず匂いを嗅ぐと、これはもう明らかに洗濯物の匂い。干していた洗濯物を取り込んで「乾いてるかなー」なんて顔を近づけたときに香るあの匂い。あの初夏の夕暮れのような爽やかな匂いのする泡だった液体が、いま目の前のコップの中に!

...でも...、あ、味は、どんなだろう。

興味はある。でもさすがに飲みたくない。じゃあちょっと、舌につけるだけ。大丈夫大丈夫、ちょっとだけだから!

無意味に自分を励ましながらぺろり。

あれ?なんだかとてもまろやかな味。苦みもまったくなくて、これがペットボトルに入って売っていたら飲んじゃうかも。匂いは相変わらず洗濯物だけど。

このあとしばらくの間、口の中が洗濯物だった。


紙も、ミクロで見れば繊維質の集合体である。ならば紙だって、何重かに重ねれば多孔質ろ財となるのではないか。

という考えのもと、トイレットペーパー(新品)を出してきた。

ひょっとしたら糊など身体によくない成分が使われているかも知れないが、尻に触れるものなら安全だろうという意味不明の根拠で押し進めました。



トイレに置いてなかった新品ですよ!あくまで!
今思えばなにバカなことやってんだ、と

トイレットペーパー(途中2倍に早送りしてます

紙がだいぶ水を吸ってしまい、落ちてきた水はやや少なめでした。ではひとくち味見を...っと待った!!

これは、この匂いは、トイレの匂いだ...。直接的なトイレの匂いではなくて、用を足した後にカランカラン、と紙を引っぱった時の匂い。そういえばこの紙にはもともと匂いがついていた気がする。ものすごく飲む気をなくさせる匂い。

でもこれ最後だし、おえー、これ飲むのか...。ええい、ままよ!ペロ。


臭くはない、臭くはないのだが口に入れる匂いじゃない

ダメダメ!これはダメだ、味なんて分からない。もうこの匂いというか風味で吐き気がする!ゴクゴク、ああ水道水のこの安心感よ!!

これの唯一の利点は、このままトイレに流せることだ!それ以外にない!!


というわけで、テーブルの上をびしょびしょにしながらいろいろな成分を溶かした水を飲んでみた。


このままじゃ夕ご飯食べられない、というか食欲もない

とりあえず今回の実験から導かれた結論、オリジナル浄水器の可能性は、やめとけ、の一言に尽きる。

本当に真似とかしないでください。よろしくお願いします。

やばかった

実はほかにもいくつかの素材を用意していた。

それを実験しなかったのは、明らかにマズそう、やる気が萎えた、などいろいろあるのだけど、ひとつ本気でやばい素材もあって、実験直前に気がついた。

メラミンスポンジ

あれ、そう言えば中国でメラミン入りの何とかって騒いでなかったっけ?

と思って調べたら出るわ出るわ。本当にやらなくてよかった。


 
 

 

 
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