洗濯ネットに入れて
一度やってみて、はげしく揉むと実がボロボロになってしまうため、散らばらないようネットに入れることにした。
実際は両手をつかってグシュグシュとはげしく揉んだ。揉みしだいた。 すると、
泡立ちが格段にいい。実をカットしたことで内側のヌルヌル成分も出やすくなっているにちがいない。なるほどこれなら洗剤として使えそうだ。 ネットを用いたおかげで、色も茶色くはあるが先ほどより濁ってはいない。
さて、広辞苑で「サイカチ」を調べてみると、『果実はサポニンを含み洗濯用』とある。「サポニン」の項をみると、『植物の成分として広く分布する配糖体の一類。水に溶解して泡を生ずる』とのこと。 実に成分として含まれるサポニンが界面活性剤として働くことで洗剤の効果をもつようだ。
顔でも洗うか
撮影の合間にちょっと出かけたのだが、暑かったせいで帰宅すると顔がペッタリしていた。 これはちょうどいい。サイカチの水で顔を洗ってみよう。
にしてもそれなりの勇気が必要な色だな。コレは。
さあ、どうでしょう。
うす〜い石鹸水で顔を洗っているような感触。こすっても泡立ったりはしないが、洗い落としてみると、顔はすっかりツルツル。
洗顔がサイカチの一般的な用途として正しいのかわからないため、あえて推奨しませんが、とくに肌がつっぱるような感じもなく、気持ちのよいスベスベ肌。 ただし、実を揉む段階でけっこう液に漬けていたせいか、手のほうはちょっとカサカサしていた(甘い匂いも残っていた)。
ところで散歩していたら
先ほど、「撮影の合間にちょっと出かけた」と書いたが、町のイベントがあってそれを見物していた。「帰り道は裏山を通っていこう(漫画か)」ということになったのだが、その途中で、
なんとサイカチが山ほど落ちていた。 こういう記事を書いている最中だったからこそ気づけたのだと、ずいぶんタイミングのいい話だった。 なるほど日常生活に使うような植物なのだから、これだけ身近にあって不思議はない。 にしても、数年来ときどき思いだしては気になっていたものが、こんな近所にあったとは。
天然の洗剤として使われてきたらしいサイカチの実。天然だからといって必ずしも身体に優しいかどうかはわかりませんが、それにしても、なにがきっかけでこういう発見てあったんですかね。 やっぱり最初は食べようと思って煮たんですかね。そしたらものすごく泡立ってきちゃって。
ところでサイカチ、辞書に「サイカチムシ」というのが載っていて、サイカチの樹液を好むカブトムシやクワガタムシの別称なのだと。 ほほ〜う。樹の場所はわかったし、今年の夏はちょっと楽しみです。