7年をかけた幻のラーメン
あれから結婚したり子供ができたり忙しくしてたら幻のラーメンのことをまたもすっかり忘れて3年が経った。
子供を風呂に入れ、W杯を見てテレビを消す。黒くなった画面に映る老けた顔。もう、30か。
ああ、思い出した!何をやっていたのだ、私は。幻のラーメンを見つける!という決意をむねに東京に出てきたのではなかったのか。
よく考えるとそんな決意した覚えはないのだが、「幻のラーメン」はむやみやたらに大仰な気分にさせてくれるのだ。
やはり滝と忍者とサンショウウオ
三年ぶりに来てみたが、やっぱり赤目四十八滝はおもしろい。滝と忍者とサンショウウオ、三者がちょっとずつ勢力を拡大して、ますます幻のラーメンの存在の必要性が薄れてきていた。
こんにちは三十路
滝の入り口であるオオサンショウウオセンターに来て気づいたが、急に気持ちがよくなった。
温度が明らかに低いのだ。マイナスイオン効果かしらないが、高い湿度もむしろ心地よい。
滝むっちゃきもちいい。何度も足を運んでいるはずなのだが、なぜこんなにいい気分になってしまったのだろう。
あっ。そうだ、いつのまにかおっさんになっていたのだ。
今回は確認をとっている
三十路には入ったが、言ってみれば幻のラーメン7年選手になった。さすがに事前準備は怠らない。事前に管理事務所に電話で確認をとっている。
「今日茶店の方はやってますよー。でも『幻のラーメン』ですよね?」はい、一度食べたいなと思っていたんですよ。