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ひらめきの月曜日
 
最上の味はモンゴルにあった


都内のモンゴル料理屋で用意してもらいました。

先月「3時間煮ると牛乳は甘くなる」という記事で、「蘇」という古代の乳製品について書きました。

その記事の最後に触れた「醍醐」。醍醐味の語源である「醍醐」は、乳、酪、生蘇、熟酥に続く最上の味の食べ物です。しかし、作り方についての記録が残っていないため再現することが出来ず、幻の味と言われています。

ところが、その醍醐がモンゴルでは今でも作られているという情報が寄せられました。これは確認せねばなりません。

馬場吉成



情報は読者の方から

蘇に関する記事が掲載された後、こんなメールが読者の方から届きました。

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Sub:醍醐について

モンゴルでは醍醐が今でも作られているそうです。
ウルム、あるいはシャルトス(モンゴルバター)と言われるものだそうです。ウルムかシャルトスかどっちが醍醐だったかはっきりしませんが。
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日本では作り方が残っていない醍醐がモンゴルにまだあるとは驚愕の事実。情報ありがとうございます!


これは前回の記事で作った蘇。ウルムもシャルトスもこれとは少し違うようだ。

早速、ウルムとシャルトスついて調べてみました。様々な作り方があるようですが、ウルムに関しては基本的に牛乳を沸騰させて出来た膜を厚く重ねたもの。シャルトスはウルムを加熱するなどして作られるバター状の物のようです。どうやら目的の醍醐はシャルトスのことでしょう。

物が分かれば是非味わってみたい。早速都内にあるモンゴル料理屋へ次々と問い合わせてみました。

 

ウルム、シャルトス発見

何件かのお店に問い合わせたところ、そのうちの1件でメニューには無いがウルム、シャルトスの両方とも今有るとの返答。即座に予約です。


モンゴル料理「青空」店内。早い時間に行ったの空いていました。天井にも青空の模様。

お店は京王新線幡ヶ谷駅近くにあるモンゴル料理「青空」。気さくなモンゴル人店主の営む明るい雰囲気のお店でした。

 

ウルム登場

では、早速ウルムを見て頂きましょう。これがウルムです。


食パンの切れ端ではありません。ウルムです。

出てきたウルムは間にチーズが挟まれた食パンの切れ端のように見えました。
手にとってみると、少しフカフカした表面に、バターぐらいの硬さの層が挟まれています。ほんのりと牛乳のような香りがする程度で特徴的な香りはありません。


表面はフカフカ。中心部はバターぐらいの硬さ。香りはそれほどない。こんなお菓子をどこかで見た気もする。

そのまま食べてみると、蘇のような硬さは無いですが、蘇と同様にほんのりと牛乳のような甘さがあります。味はチーズというよりバターに近い。油っぽさの無いサッパリとした無塩バターのようです。非常にうまい。


奥に見えるのがチャンスン・マハ(茹で骨付きラム肉)。ウルムと一緒にミルクティーに入れて食べます。

店主の話では、ウルムは色々な食べ方があるそうです。今回はミルクティーを用意してくれました。

日本で飲むミルクティーとは全く異なり塩気があります。これにバターを溶かし入れ、肉や穀物(恐らくヒエやアワのようなもの)と一緒にウルムを入れて食べます。バターのコクとウルムの甘さが加わり実に旨いスープになっていました。


ミルクティーにバター、骨から削いだ肉、穀物、ウルムなどを一緒に入れて食べます。ミルクティーというよりスープに近い。

 

作るのはかなり手間がかかるらしい

ウルムの作り方も聞いてみました。まず牛乳を沸騰させます(沸騰させながらすくって注ぎ入れて泡立てることも有り)。静かに冷ますと膜がはってくるので、それを何枚も集めて重ねていくそうです。非常に手間がかかり、日本で通常売っている牛乳ではなかなか上手く作ることが出来ないそうです。


こちらはホル。とても硬い板状のヨーグルトのようなもの。ウルムを作った牛乳を乾燥させて作るとのこと。ウルムなどと一緒にミルクティーに入れて柔らかくして食べます。

そして、次はいよいよシャルトスの登場。店主に「それじゃあ、そろそろシャルトスもお願いします」と言ってみました。すると・・・

 

既に出ていた

「それじゃあ、そろそろシャルトスもお願いします」というと、店主は「それだよ」といいます。

えっ!


ウルムを出された時に一緒にだされたバター(右上の皿の中の物)がシャルトスだった!

なんと、ウルムを食べるときにミルクティーに入れていたバターがシャルトスだったのです。慌ててそのまま食べて味を確認。本当に最上の味なのか?


牛乳を濃縮したような香りと味・・・

直接シャルトスを食べてみると、バターのように見えて、我々の知るバターとは全く異なりました。

食べるとちょっと下にザラッとします。ウルムに比べれば油を感じますが、バターほど油っぽくはありません。牛乳の香りや味を濃縮してペースト状にしたような、そんな感じの食べ物です。


ウルムやシャルトス以外の食べ物も色々試してみました。鹿肉と羊肉の串焼き。羊肉のコロッケ。串焼きはとてもスパイシーでビールがすすむ。
羊肉の小籠包。肉の味が強く旨い。

モンゴルのビール。軽く甘めの味でした。なんて名前だったか?読めない。
モツの煮込み。非常に辛い。羊のモツだったか?これで馬乳酒が進んだ。

シャルトスが最上の味かと聞かれると答えに詰まります。味はいいです。ただ、これ単体で食べるような味ではないのです。無塩の溶かしバターを食べているとでもいいましょうか。正直言ってそのまま食べるならウルムの方が美味しいです。


ジョッキサイズの馬乳酒もありました。アルコール度数10%ぐらいの物だったのでサッと飲める。
謎の酒も飲んでみました。凄い薬草の味がした。何が入っているか聞いたら「ヤバイヨ!」とニヤリと笑い教えてくれなかった。夜青龍にはならなかったです。

昔の人には最上の味だっただろう

しかし、シャルトスの方が味は濃厚です。昔の人には薬的な意味もあったと思います。これが日本で言うところの醍醐と同等の物かはハッキリとは分かりませんでしたが、近い物だったのではないでしょうか。

ちなみに、シャルトスの作り方も聞いてみました。店主の話によると、牛乳を沸騰させる点は同じなのですが。その後発酵させてヨーグルトを作り、ヨーグルトに出来た膜を集めて作るそうです。これもかなり手間がかかるし、日本で作るのはまず無理なのだとか。
今回用意してくれたものも、モンゴルから持って来たもので大変貴重なものだったようです。ありがとうございます。

そして、今回モンゴル料理が予想以上に美味しかったのに驚きました。以前食べたときはひたすら肉と酒なイメージだったのが、今回の店で変わりました。行ってみたい国リストにモンゴルを追加します。
青空にもまた行こう。

モンゴル料理について調べている際に、以前行ったモンゴル料理店で撮影したこんな写真が出てきました(本人)。モンゴル相撲の格好をして調子に乗って飲むと倒れます。注意!モンゴルは面白い国だ。行ってみたい国リストに追加!

モンゴル料理 青空
03-6300-9189
住所 東京都渋谷区幡ヶ谷2-7-9 仲ビル 2F
京王新線 幡ヶ谷駅より徒歩2分
営業時間 [火〜日] 17:00〜翌2:00


 
 

 

 
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