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フェティッシュの火曜日
 
皮むきが苦手だ


リンゴの皮をむくのが苦手だ。
そんなのたいしたことじゃない。そうは思うのだが、「たいしたことじゃないことも出来ないのか」と考えると、やっぱりむけたほうがいいよなという気になる。うん、むけたほうがいい。大人だし。
33歳の皮むきチャレンジ。なにかを始めるのに、遅すぎるなんてことはないのだ。

櫻田 智也



まずはむいてみる


いきなりのセクシー写真ですみません

ちなみに今回の担当は、4ページの長編記事だ。リンゴの皮むきで4ページ……そう考えてちょっと気が遠くなりかけながら、休日の朝、それこそ寝起きで包丁を握った。


まだ半分寝ている

久しぶりにリンゴの皮をむいてみる。はっきりいってこの作業、かなりのストレスだ。 どうせ皮はブツブツ切れて実もザクザク削れて表面なんかボッコボコになって手はベタベタして、ただイライラして終わるのだ。あ〜あ。 と思っていたのだが、

意外にも 
そこそこむける

あれ、案外むける。
皮を途中で切らないように。とかそういうレベルではぜんぜんないが、なんか、予想した以上にサクサク進む。


あれ

少年時代、ぜんぜん出来なくてキライになったリンゴむき。そのため練習することもなく大人になり、当然今もまったく出来ないと思っていたのだが、


上手とはいえないが、及第ではないのか

お客さんには出せないが

綺麗か汚いかで言ったら汚い寄りではあるが、「ヒドイ!」というほどでもない。
うわあ、微妙。
練習せずとも知らず知らずのうちにリンゴがむけるようになっていた(あくまで自分基準)。

しかし、これでは逆に困るのだ。最初に書いたが今回は4ページの記事である。「ぜんぜんダメかと思ったら案外やれました。それじゃあ、バッハハ〜イ!」というわけにはいかない。これまでの内容を4ページに分けるという案も考えたが、たぶん怒られる。

というわけで更なる高みを目指すべく、むいたリンゴを妻に評価してもらう。

 

注意その1 小刻みすぎる

むいた表面がガタガタしている。


 
 

「ナイフを小刻みに動かしすぎではないか」と言う。
ぼくとしては、なるべく綺麗な曲面にしたいがために少しずつむき進めていたのだが、一気に長い距離をスライドさせるほうが綺麗にみえるそうだ。


こんな小刻みに刃をとめず
長めにスライドさせたほうが平らな面が広くなって綺麗に

動きを止めると、そこで角度を変えるためにナイフの刃が立ってしまい、結果表面のギザギザが増えてしまうのだ。


芯を除く作業も慎重になりすぎて 
 こんなガクガクした切り口に
(エビフライではなくリンゴです)

仕上げの芯取りは2段階×2で済ませろとの指摘。


いち!
にっ!

つまりは、「技術もないのに繊細にやろうとすんな」ということである。大胆であれ。
「手数は少ないほど美しい」のだ。

 

注意その2 力を抜け

力みすぎだという。


左手握りすぎ
どんだけ!?

ガッチガチにリンゴを握ってしまっている。ナイフをスムースに滑らすには、左手でのリンゴの送りが重要になってくる。握りこむのではなく、乗せる程度のイメージが大切なのだ。

あと、左手のみならず、ナイフを握る右手にもメチャメチャ力が入っていたようで、


ここ(親指の付け根)すごく痛いんですけど

妻に「どうしたらいい?」と訊いたら、「知らんがな」とのこと。

考えてみるに、おそらく左手でのリンゴの送りが滑らかではないために、右手の親指で無理やりリンゴの皮を引っぱっていたのだと思う。

「力まないで。リラックスすればいいのよ」
どんなシーンにおいても、初めての際に言われる台詞である。これを言われると焦ってむしろガチガチになってしまうということも憶えておいてほしい。


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