なにかとモタモタしがちな人生を送っている。 特にマクドナルドやコンビニなどファースト重視の店舗においては、メニューをきめたり財布をだしたり、レジ前でモタモタしないよう細心の注意を払うほうだ。難しいメニューは頼まないし、吉野家ではなく松屋に行く。なぜなら松屋は注文が自動券売機だから。
そう、自動はやさしい。モタモタしても軽蔑せず、的確な指示をくれる。そんな自動のものたちのやさしさをもっと感じるべく、いろんな自動○○機でモタモタしてきた。
(田村 美葉)
検証1:銀行ATMのやさしさ
まずは、社会人なら誰でもお世話になりっぱなしの銀行ATMさんのやさしさをみていこう。 いろいろなATMでもたもたした結果、ATMさんのやさしさには2つのタイプがあることがわかった。 たとえば、コンビニ在住、三井住友銀行@BANKさんの場合。
1. まずカードが出てくる 2. 間髪入れずに早口で「おとり忘れにご注意ください」のアナウンス&かん高い注意喚起音 3. 次にお金が出てくる ここでも同様に、盛大に注意喚起
最初にカードだけが出てきて、まだお金はとらせない。かつ、間髪入れずに「おとり忘れにご注意ください」のアナウンス。お金だけとりだしてカードを忘れちゃううっかり者に対する、二重のスパルタ的やさしさだ。少々モタモタに対しては手荒い警告音だが、コンビニにおける雑多な周辺環境を配慮していると考えられる。
その証拠に、同じ三井住友でも、静かな銀行のATMさんはこんなにモタモタに寛容だ。
1. まずカードが出てくる。 2. しばらくの間があり、やんわりと「カードを忘れてますよ」のアナウンス 3. 現金が出てくる 4. またもしばらくの間があってから、警告音
どうだろう、コンビニATMに比べてかなりエレガントではないだろうか。受け取るまでのモタモタの間を考慮してくれているし、最後にはおじぎまでしてくれるのだ。
他の銀行のATMも、概ねこういう感じでエレガントだったが、その中でも最もモタモタに寛容だったのは、みずほ銀行ATMさんである。
1. まずカードが出てくる 2. 30秒弱無言 3. カードをとると、現金が出てくる 4. やんわりとアラート
たっぷり30秒はモタモタの時間をくれるみずほさん。ゆっくりとした口調とソフトな警告音も抜群の安心感だ。みずほ銀行さん、なみなみならぬ落ち着き。
銀行ATMのまとめ
検証2:自動券売機のやさしさ
次は、suicaやpasmoの導入により、最近めっきり使う機会の少なくなった、電車の自動券売機さんである。私などは、オートチャージのpasmoを使っているので、お世話になるのは「pasmo忘れた日」だけだったりする。久々の逢瀬だが、元気にしているだろうか。
おつりの取り忘れに対してはもはや一言も発さずに、間髪入れず警告音で知らせてくるではないか。都営にいたっては、おつりも切符も出す前から警告音で急かしてくる。モタモタにもうっかりにもやさしくない。ストライキだろうか?
JR
ゆりかもめ
都営
そんな中の唯一の希望の星は、東京メトロさんだ。 東京メトロといえば数年前、車内アナウンスの女性の声が若々しくかわいらしくなったときに、非常にもてはやされたものである。別の声ではあるが、自動券売機さんもご健在であった。
ううむ、やさしい。同じく警告音は鳴っているけど、しゃべってくれるだけでこんなにやさしいなんて。特に、pasmoをチャージするときの「おつり、」の言い方なんて、やさしいを通り越してセクシーだと思うのだが、いかがだろうか。
自動券売機のまとめ
検証3:ゆりかもめ自動音声のやさしさ
最後はほぼオマケだが、前々から気になっていたゆりかもめの自動音声さんを紹介して終わりにしたい。 なんと言ったって、ゆりかもめといえばあらゆる自動の代表だ。
そんな全自動のゆりかもめ、あまり知られていないが各駅3箇所に自動音声さんがスタンバイし、利用者の皆さんをやさしく誘導している。
そしてこの自動音声さんたち、なぜだか知らないが駅ごとに個性がまるでバラバラなのである。私が出会った5名の皆さんをご紹介しよう。特に、台場さんの落ち着きっぷりと、日の出さんの萌えキャラっぷりのギャップをお楽しみいただきたい。なぜ同じアナウンスなのにこうも違うのか。
ゆりかもめまとめ
やさしさNo.1はゆりかもめ汐留駅さんに決定
はじめは、やさしいATMとやさしくないATM比べをしようと思っていたこの企画だが、調査しているうちにすっかり自動音声さんたちに感情移入してしまい、しゃべってくれれば皆やさしく思えてしまった。
だって、皆さんすごく個性があるんですもの。私のお気に入りは、ここだけの話、俄然ゆりかもめ汐留駅さんだ。やさしさNo.1に勝手に認定する。今日もどこかでやさしく見守る自動音声さん。あなたにもきっと、じつはお気に入りの自動音声さんがいるはず。