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はっけんの水曜日
 
登山素人三人と富士山頂を目指した

斎藤さんが進化した。でもタバコは変わらずに吸っていた。

練習2回目 高水三山

第1回目から2週間後、今度は奥多摩の高水三山に登る事にした。標高差は550mで前回の倍。歩行距離は9kmある。高水山(標高759m)、岩茸石山(標高793m)、惣岳山(標高756m)の三つのピーク巡るちょっとした縦走コースだ。

道は歩きやすく、案内板も多いので初心者の登山にちょうどいい。それでいてちょっとした岩場があるのが楽しい。

朝、前回遅刻した金子くんとは中野で合流できた。河合くんとも無事合流、露崎くんも同じ電車に乗っていた。一方、斎藤さんは合流ポイントで見あたらないのでメールをしたら「もう着いてる」と返ってきた。どうやら絶対に遅刻しないように早めに出たら早く着きすぎてしまったらしい。「気負いすぎです」、と返した。

着くと斎藤さんが駅で待っていて、ジーンズや綿のシャツではなくスポーツウェアを着ていた。同じ失敗は二度しない男なのだ。

そして河合くんは、案の定というかやっぱりというか、綿のTシャツに半ズボンというダブル役満みたいな格好をしていた。だ・か・ら、綿は禁止って言ってるだろー!と言ったら、「だいじょうぶだいじょうぶ、本番はちゃんとしたシャツ着るから」と言う。

練習でもちゃんとした格好しろと言いたい。というか言った。


見事な綿Tシャツと半ズボン。
綿のシャツは一度濡れたら最後、体温と体力を奪い続けます。


かなり疲れてる3人の登山素人たち。

割としっかり山です

高水三山は、まず高水山に登る。標高差500mを一気に登るのでそれなりにこたえる。が、富士山の場合五合目から山頂までは標高差で1400m程度あるので500mで参ってたら話にならない。

この日はよく晴れて暑くて、低山を登るには良い天気過ぎた。汗が噴き出す。半分凍らせた水を飲むとやたらと美味かった。

それなりにしんどかったのか、色々泣き言を聞いたが無視して登らせた。

前回の倍の標高差と、長い行動時間に耐えて三つのピークを登り、下山する頃には2.5リットルの水を飲みきっていた。


高水山山頂で記念撮影。
タバコを美味そうに吸う河合くん。そんなにタバコ好きか。

二番目のピーク、岩茸石山の山頂より。ここは景色が良いことで有名です。写ってるおじさん2人は知らない人。スカイツリーも見えたよ。

1回目の青梅丘陵は、新しい登山靴やザックなど装備を慣らすためのもの(高尾山でもいいけど混んでるから避けた)。

2回目、高水三山は山らしい山を登ってもらって、山の面白さを味わってもらうのが目的。富士山に登って登山は終わり、じゃあ装備がもったいないのでどうせなら山登りに目覚めさせようと思ったのだ。

そして練習は3回目となった。その次が本番、富士山だ。


御嶽山はケーブルカーで登れる。

最後の練習登山は、大岳山

3回目の練習登山になった。今回は奥多摩の大岳山(1267m)に登る。ロープウェイで御嶽山に登り、そこから大岳山を目指して奥多摩駅に降りるルートだ。

登りのほとんどをロープウェイに頼るので体力的なきつさはあまりない。御嶽山から大岳山への標高差は435mしかない。スカイツリーの今出来てる部分と同じくらいの標高差だ。

大岳山は山頂手前がちょっと急になっていて、時には岩場(手を使って登るようなところ)もある。富士山にも同じような岩場があるので、その練習という事で大岳山を選んだ。

3回目となったらみんなの装備や意識も変わってきて、河合くんは前回の帰りにズボンとシャツを買ったと言っていた。食べ物もちゃんと地元で買ってくるなり弁当を作るなり、事前に用意するようになった。

三度目の練習登山にして、ようやく素人3人組の意識が変わってきたような気がした。


すっかりスポーツウェアが板に付いた斎藤さん。
金子くんは相変わらず半ズボンで、一抹の不安を感じる。

道中にそびえ立っている「天狗の腰掛け杉」。曲がった枝に天狗が腰掛けるらしい


大岳山山頂にて記念撮影。

大岳山登山も無事に終わった

山頂までの急登でちょっとへばっていたが、大岳山山頂を過ぎれば、コースはほぼ下り坂になる。標高差で900mを下るというのはなかなかに足に負担を強いるので良い訓練になるはず、と思っていたら最後の方はみんな完全にへばっていた。

そんな中、金子くんはわりと元気だった。そういえば、こいつは東京マラソンに出たりして、フルマラソンを走る体力があるんだった。斎藤さんと河合くんは下山の最後ではかなり静かになってしまったが、終わったらすぐにタバコを吸っていたので単にニコチン切れだったのかもしれない。

なにはともあれ、無事に下山できて安心した。


下りの道で杖が欲しくなってその辺の枝で代用。暑そう。
長い山行にぐったりする河合くん。大丈夫か。

奥多摩駅近く、もえぎの湯で温泉&夕食。

帰りに温泉に入れて、温泉+登山の良さをインセプション

さて、ここまでの2回は登山後にそのまま電車で帰っていたのだが、奥多摩駅の場合は駅の近くに「もえぎの湯」という温泉がある。登山後の温泉は気持ちいいし、お腹も減っているので寄ってサッパリすることにした。

富士登山を通して、3人を登山好きにしようという魂胆なのでこういった飴も必要なのだ。登山後の温泉の気持ちよさを植え付けるのだ。かくして彼らは温泉に入って大変に気持ちよさそうにしていた。

これで登山の魅力を知ったに違いない。

 

次のページでいよいよ富士登山になります。

問題は、富士登山5日前に河合くんから来たメールだ。

「先週末ぎっくり腰になって軽く寝たきり状態なんだけど・・(;^_^ とりあえず針と整体で鋭意治療中!」

ぎっくり腰!ど、どうなる富士登山?!


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