さて、松本隊はどうなったか?
日が変わって0時半、本八合目に着いた。標高3400m。
このくらいの時間になると僕も写真を撮るのが面倒になってきて、あまり写真は残っていないが、すっかり僕以外の4人は消耗していた。
左の写真では元気に酸素を吸っている金子くんだが、弱点である睡魔に襲われていた。休憩のたびに岩に横になって寝ていた。スリーパー金子と名付けよう。
9合目を過ぎたのは8/8の午前2時半。この辺りの事をみんなに聞いても、意識がもうろうとしていてよく覚えてないらしい。もう少しで山頂の鳥居をくぐれる、という時4人とも休憩中に寝てしまった。野垂れ死に寸前だ。
その様子を見て、こりゃ大丈夫かいな、と心配したのだが、心配してもしょうがないので「時間だ、起きろクソども」と蹴り起こして山頂を目指した。ここまで来たらもう登るしかない。
登山道では子供が動けなくなっていたり、深刻な顔で撤退するグループがいたり、戦場の様相を呈していた。なんて山だ、ここは。
そんな戦場に、下から押し寄せるようにヘッドランプが登ってくる。軽い恐怖を覚えた。 |