――ハーブを育てる上で、苦労されてる点はどこですか。
伊藤「タデは、コガネムシが食べるんですよ。あと蛾の幼虫で夜盗虫とか、好んで食べるんです。」
――え、ハーブって、虫がつかないイメージがあるんですが…。
伊藤「そんなことはないですよ。だから普通のハーブは、農薬を結構使っていると思います。うちは無農薬なので、夜中に地道に、手で虫をとってますけど(笑)。」
――た、たいへんですね。
伊藤「あと、ラウオムは、ベトナムでは、沼とか水辺に生えているものらしく、すごく水が必要で、すぐシナッとなってしまうんです。うちはもともと田んぼを畑に転用しているので、用水路があるんですが、乾燥している時に水をやると、あっというまに吸ってしまいますね。最初、育てる際、『ラウオムには肥料がたくさん必要』ってきいていたんですけど、実は水をやらないと光合成しないから肥料が必要だった、ってことだったみたいなんです。」
――手探りで、栽培されてるんですね。
私はベトナムのドクダミの匂いが忘れられなくて、ドクダミも育てて欲しいんですが…。
中塚「日本のドクダミより、ベトナムのドクダミの方が、香りがやわらかくて、他のハーブやタレと一緒に食べるから、美味しく感じられますよね。ラオラムもドクダミの味に近いハーブだと、よく言われます。」
森泉「ベトナムと日本のドクダミって、実は品種は、ほぼ同じなんですよ。土地や気候のせいで、ベトナムのドクダミのほうが、優しい味に育つんでしょうね。」
――うーん、機会があったら、ベトナム産のドクダミと、日本のドクダミ、食べ比べてみたいですねえ…。
あと、去年の『ベトナムフェスティバル』に出展された時に、日本にいるベトナムの方から、ものすごく反響があった、という噂をききましたが。
伊藤「ベトナムの方たちは、このハーブが日本に存在するっていうこと自体が信じられなかったらしく、袋詰めしたものを、一人で5個とか10個とか買っていかれましたよ。家族や友達に電話して、『ベトナムのハーブが売ってるけど、欲しい!?』って訊いたりして。
皆さん、ラオラムを見て、ホビロン(ベトナムの卵料理)に合わせて食べたい! って言ってました。現地では、一緒に添えて、出されるものだそうです。」 |