デイリーポータルZロゴ
このサイトについて


土曜ワイド工場
 
泣いたり笑ったり、仲良し兄妹と夏の工作


てんやわんやします

小学生の頃、8月の終わりは全く夏休みの宿題が終わっていなくて、てんやわんやな日々を過ごした。いや、よく思い出してみると僕は結局、小学1年生から高校3年生までの12年間の夏の終わりを、そんなてんやわんやで迎えた気もする。

当サイトで「夏休みの自由研究手伝います」と募集したところ、小学5年生の男の子から「モーターを使った何か…」という工作のお手伝いの依頼を頂いた。

ふわふわしていることこの上なし。
どこか学生時代の僕に似ている。ぜひ、大人になり美大卒となった僕がその工作を誠心誠意手伝おうではないか。

地主 恵亮



36万円の微笑み

夏休みの終わりが近いある日に、南町田駅でその子と待ち合わせをした。

僕が知っている事前情報は小学5年生の男の子と言うことだけだ。その子の顔は知らないし、向こうも僕が来るとは知らない。ネットで知り合った人たちが会うのはこんな感じなのだろう。


あ〜あの子だ、きっと

改札から出たら「あの子じゃ…」みたいな男の子がいた。自信は無いけれど、僕の直感があの子だと言っている。近づいていくとその子は、ハエが飛ぶかのような、小さいけれど確実に聞こえる声で「デイリーポータル、デイリーポータル…」と呟いていた。うん、やっぱりこの子だ。


葛西ハル君(11歳)

僕がデイリーポータルZの地主です、と声をかけたら「あ、うん」みたいな、好きじゃないクラスメイトの男から遊びに誘われた女子みたいな曖昧な返事が帰って来た。この子と今後上手くやっていけるだろうかと言う一抹の不安を覚えた。


この歯、36万

一抹の不安を覚えた3分後にハル君が自分の歯を指差し「この歯、36万」と言った。歯の矯正をしているらしく、それにかかる金額のようだ。この瞬間、上手くやっていける気がした。先の読めない展開が子供ならではだと思う。子供は面白い。


編集部石川さんとも無事合流

南町田は第二の歌舞伎町

ハル君の家に向かって僕と石川さんがトボトボ歩く。その横をハル君の自転車が行く。予告すると2時間にこの自転車はパンクします(お楽しみに!)。

町田にあまり来たことが無い僕らだったが、ハル君によると「南町田は第二の歌舞伎町」とのことだった。

初めて聞いた。


(第二の)歌舞伎町の風景

ハル君は塾、合気道、モトクロス(50cc)と3つの習い事しているらしく、忙しいと話していた。饒舌で話していて楽しい。ちなみに合気道は渡辺満里奈のおじさんが教えているらしい。僕らが欲しい情報を分かっている。なんだか楽しげな雰囲気が夏の日差しと一緒に僕らを包んでいた。


(第二の)歌舞伎町の風景その2

ボートを作ります

「モーターを使った何か…」と聞いていた今回の工作だけれど、会って話してみるといろいろと進展していて「ボート」を作るとハル君は決めていた。モーターを前日に買いに行き、木材も近所で手に入れたとのこと。出来る子だ。


ハル君が描いた設計図と僕の描いた設計図のレベルが一緒

悲しくも25歳の僕と11歳のハル君の工作レベルは似たようなものだと設計図を描いた時点で気がついた。しかも、この後、ハル君の妹のミーちゃんが僕の描いた設計図を見て「何これ?」と言った。悔しいが仕方がない。


昼食もいただきました(小学3年生の妹ミーちゃんも一緒)

昼食もいただいて、さて工作と思ったが、先の設計図から僕とハル君で議論を重ねて結果、材料が足りず(モーターがもう一つ必要)買いに行くことになった。話が合うのが工作レベルが一緒と言うことだろう。


僕らの議論とは別に設計図を描く石川さん

買出しは、自転車で片道20分の道のりだ。
しかし、予定通り行かないのが、僕の工作と言うもの。僕の予定通り行けばエヴァなんて現代美術館に飾られるはずなのだ。でも、全然上手くいかない。なんだ、あのゴミは。そういう上手くいかない買出しの旅が始まる。


自転車で向かいます

予定外が起こります >
 

 
Ad by DailyPortalZ
 

▲デイリーポータルZトップへ バックナンバーいちらんへ
個人情報保護ポリシー
© DailyPortalZ Inc. All Rights Reserved.