虚ろな動物たち

この動物園、入って最初に気になるのは、動物の置物の目の虚ろさだ。動物園のあちらこちらにこんなのが置かれている。

上の画像も不条理だ。リアルに作ってあるカバ、コミカルなテイストの小動物たち。そこにどう見てもディズニーっぽい小人が配置されている。現実とディフォルメとフィクションを一緒くたにしないで欲しい。

…恐い。虚空を見つめるリス。瞳孔開きっぱなしで侵入者を静かな笑みとともに直視するパンダ。 奥まった所にいる裏ぶれ感と共に、まるで阿片窟にでも迷い込んでしまったような錯覚をしてしまう。

いかん、ここは宇都宮動物園で、僕は何度も来たことがある場所じゃないか。気をしっかり保たなくてはいけない。

しかし、こちらの想いとは裏腹に、おかしなものはまだまだ出てくる。

小学校っぽい掲示物

園内にはお知らせや、動物の説明などの掲示がたくさんある。この掲示がどれも妙に小学校っぽい、というか、小学生が作ったような感じなのだ。一つや二つじゃなくて園内のほとんどの掲示物がそんな風になっている。

…なんだか僕が意地悪な視点で物事を見ているように聞こえるかもしれない。でも、実際に見ると理解してもらえると思う。

ライオンの掲示板（右上の画像）には、個人的にショックを受けた。この手作り感、以前僕が当サイトで作成した「逆ツイッター」（こちら）に雰囲気が似ているのだ。

この掲示は、僕が小さい頃からずっと変わっていないんじゃないのだろうか。もしそうだとしたら、明らかに影響を受けている。こんな所に自分の作っている物のルーツがあったのか。

自分自身のアイディンティティの揺らぎに、段々と僕は混乱していった。