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チャレンジの日曜日
 
東京・名古屋・札幌の通勤列車混雑比べ


東京といえば東京ばな奈とひよ子

東京の電車の混み具合はすごいと聞く。聞かなくてもきっと誰もが知っているような気がする。

でもそれって本当だろうか。本当だとしたらどれくらいすごいのだろうか。

どうやって検証しよう。ポケットの中にはビスケットがひとつあって、割れるたびにひとつがふたつ、ふたつがよっつになって喜んだ時代があったらしい。ポケットの中にビスケットを入れて、たたかなくても満員列車でビスケットがどれだけ増えるかを考えてみたが、ビスケットでは味気ない。

そこでラッシュ時にその都市の名物をポケットの中に潜めて、検証してみることにした。

ライスマウンテン



その1.東京でポケットの中にひよ子と東京ばな奈

まずは東京だ。東京で満員列車に乗る前に、東京ばな奈とひよ子を調達しようとした。しかし東京駅で売っている東京土産はどれも箱詰めのものばかりで単品で買うことができない。しかたなく買ったのは東京ばな奈の4個セット。ぼくは単品で食べたかったのに!

東京ばな奈4個セットから1個取り出して、一番混雑すると噂の山手線・京浜東北線の上野→御徒町間を乗車すべく上野に移動した。


早朝の東京→上野。時差通勤&逆方向でガラガラ。

上野駅の構内では、東京ばな奈とひよ子がバラ売りされて驚いた。なんだ東京駅でなく上野駅なら試食気分で1個から買えるのか。東京土産を買うなら上野駅にかぎる。東京の玄関口は上野駅だ。


左のポケットにはひよ子を

右のポケットには東京ばな奈「見ぃつけたっ」を


お土産屋でひよ子を買って、一服しているうちに、鉄砲水のように駅構内の人の流れが増えてきた。中国の知人は灰色系ばかりの人の流れに「色が同じすぎて気持ち悪い」と言っていた。そういうもんだ、気にしていたら生きていけないのだ。


上野より東京方面行きホーム。階段の時点で既にウォーリー以上の密度。

次の列車を待つ人々。

入ってみればギュウギュウではなく、ダーリンは外国人が見られるほどの密度だった。

続いて朝ラッシュの遅延&のろのろ運転&激混み路線として、ノートパソコンの耐久性テストの実験場としても知られる東急田園都市線に三軒茶屋から渋谷に向けて乗車。

時間は9時前と、ちょっとピークを過ぎたけれど、それでも噂通りの混みっぷり。


時間は9時前とラッシュのピークは過ぎたがそれでもなかなかの混みっぷり。

上野→御徒町間よりも厳しい。

田園都市線渋谷駅。駅のホームの混みっぷりは上野駅がインパクト大。

混雑率を200%だとか180%とか、新聞が広げられる、本が読めるくらいの混雑とかいうけれど、5%、10%の違いで随分ビジュアル的にも違うし、何より手足の使う筋肉が数%の混雑の違いで随分違うことを体感した。

さてひよ子と東京ばな奈の運命は?


ひよ子、ややつぶれる。東京ばな奈は無傷。

叩いて分裂するわけがない。

ラッシュでぶつかるのは肘や腕であって、ポケットのある腰に圧力がかかるわけがない。

と知りつつも試してみれば、ひよ子は若干つぶれてしまったという結果に。ポケットにひよ子を潜めるのはよそう。

というわけで次の都市に行きます。

 

その2.札幌でポケットの中に白い恋人と札幌タイムズスクエア

東京の次に大阪に行ってもそう大差はないだろう。あまり人が少なくてもラッシュはないだろう。100万都市くらいがちょうどいいかも、ということでやってきたのは札幌。

室蘭出身の工藤さんの話だと、札幌の地下鉄の大通駅のラッシュはなかなかのものだという。札幌駅も相当だったので、札幌駅と大通駅の間を地下鉄で移動してみよう。

…とその前に。


不動の人気の白い恋人。ばら売りはしていない。

札幌タイムズスクエアも購入。

きゅーきゅー。


大通駅は札幌地下鉄全3路線の乗換駅で、時計台あり、テレビ塔あり、ビジネス街であり商業街でもあり地下商店街もあり、ついでにさっぽろ駅とすすきの駅に挟まれた札幌屈指の賑やかな場所なのだ。

南北線は一番人の流れが激しいようで、たくさんの人が降りていく。南北線にのって札幌まで行ってみよう。



地下鉄南北線、大通駅。ここでたくさんの人が降り

乗り換え口に向かって人の波。なかなか。

車内は結構混み合ってる。

さっぽろ駅。たぶん写真のファイル名に「新宿」とか書いても大丈夫かもしれない。

東京の人間としては人と人とがふれあう車内に「100万都市のラッシュの混雑馬鹿にするべからず」を実感。

ポケットの中はというと、札幌タイムズスクエアはふにふにしていることから無事だったけれど、白い恋人はいっぱいビスケットを叩いたか如くいっぱいになっていた。さすが食感も自慢の白い恋人。「こんな素敵なビスケットがほしい」とはよくいったもの。


白い恋人をポケットにいれるのはあんまりよくない。

 

その3.名古屋でポケットの中にういろう

東京と100万都市札幌の間ということで、関東圏でも関西圏でもない名古屋の混み具合をチェック。地下鉄東山線の混み具合がすごいのだとか。

その前に名古屋駅の各線の混み具合を見てみた。近鉄、名鉄、JR、どれも首都圏と遜色ないほどの混みっぷり。東京以外ならラッシュは楽なんて誰が言った?


近鉄名古屋駅の夜の帰宅ラッシュ

名鉄名古屋駅の朝のラッシュ

JR名古屋駅の夜の帰宅ラッシュ


そんな名古屋で一番すごい混みっぷりと評判の地下鉄東山線に乗るべく、ぼくは名古屋駅のデパ地下で、聞いたことがある土産を探した。その結果、ういろうと赤福を入手した。

赤福は箱詰めのばかりが売られているが、名古屋駅では2箇所でだけ2個入りの赤福も売っているのだ。名古屋に着いてちょっと赤福を食べてみたいときは、赤福販売店のお姉さんに聞いてみよう。



ひとくちういろをポケットに。

もう片方のポケットには、赤福を。

無理無理無理!!

知っている単語だけで赤福を購入したが、赤福をポケットに入れるなんて、ビスケットをポケットに入れるよりも、後の処理が面倒だと後で知った。

赤福をポケットに入れることをあきらめ、せめてとカバンに箱を90度傾けた状態で入れ、ういろうだけをポケットに入れて、地下鉄東山線に乗ってみた。


名古屋駅の隣の伏見駅。さらに隣の栄駅ほどの繁華街でないのにこの列

どわぁっと入り、人が詰まる

混まない東京の路線よりもよほどひどい混みっぷり。

ポケットの圧力に負け、ややつぶれるういろう。

赤福はしっかりへばりついてた。立派!

どこも混む

東京はラッシュがひどいひどいというけれど、札幌も名古屋も混雑するところではしっかり朝も夜も混雑する。きっと関西も福岡も広島も混むんじゃないか。今回乗ったあらゆる路線よりも、東武東上線の各駅停車上りのほうがよほどすいている。

東京が東京たるところは、この混み具合に加え、少なくても8両編成、10両編成が当たり前、長いものでは15両編成の列車が2、3分おきに来るところだと思う。東京は救いようがないが、他の都市なら8両編成や10両編成にする余地はあるんじゃないか。そうすれば通勤が楽になりそうだがどうだろう。


 
 

 

 
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