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はっけんの水曜日
 
給湯室でする現代版茶道

給湯室でのお茶会

給湯流茶道の在り方ががどんなものかをおぼろげながら理解したところで、給湯室に戻って実際にお茶会を体験させていただく。

さっきの社長秘書がお茶を入れてくれるのかとドキドキしたのだが、彼女はもう仕事に戻ってしまったそうで、家元(仮)みずからのお手によるお茶だって。とかいったらダメですね。

いやー、光栄でーす。


素材集っぽい写真です。タイトル:「部長のカツラ見たー?」

まずはお菓子をいただく

奥から私、石川、ほそいの順で、給湯室の限られたスペースに無理やり三人並んで正座をする。給湯室が狭いのではなくて、三人で正座をしようとするから狭いのだが。狭いけれど、子供のころに隠れた押し入れの中みたいに居心地はいい。

お茶会というのは、お菓子とお茶を同時に楽しむのではなく、最初に甘いお菓子を食べてから、そのあとに苦いお茶を飲むものなのだそうで、給湯流でも最初にお菓子がでてきた。


夜のお茶会は、うなぎパイが定番だそうです。会社だと出張土産でよくありそうだ。

トラディショナルな茶道では、懐紙という紙にお菓子をのせるそうだが、会社員の懐にある紙といえば名刺。

自分の名刺にお菓子を乗せていただくのが給湯流の作法だそうだ。こうすると次に会った人にうなぎパイのカスがついたざらつく名刺を渡すことになりそうなので、ビジネスマナーとしては微妙かもしれない。


給湯流茶道では、うなぎパイを名刺の上に乗せて食べることがルールなのです。(CNN風キャプション)

ちなみに同行いただいたほそいさんは、高校時代に茶道の授業を受けていたそうで、そのときのエピソードを一つ教えてもらった。

「茶道自体は好きだったんですけれど、それを教えるおばさんがすごい苦手で、放課後に一回、誰もいない茶室に忍び込んで、でんぐり返りしてやりましたよ!」

だそうです。


うなぎパイっておいしいですよね。

ここまでで私が思ったことは、「うなぎパイはお茶と一緒に飲みたい」ということである。もちろん日本料理のコースも、ご飯を最期じゃなくて先に出してほしい派だ。

家元(仮)に、なぜお茶はお菓子を食べ終わってからなんですかと聞いてみたら、

「茶道ではお客様がお菓子を食べてる間に、同じ茶室で亭主がお茶をいれます。亭主の一連の所作の美しさや抹茶をかきまぜる音などをお客様がもぐもぐしながら楽しむ、というのがトラディッショナル茶道の考えみたいです。」

とのことだった。すみません、久々に食べるうなぎパイに夢中になっていて、亭主(家元(仮))をぜんぜん見ていませんでした。


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