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ロマンの木曜日
 
鶴見線の終点駅めぐり

海芝浦駅は軽く


終点が3ヶ所あるのに1駅だけで3ページ使ってしまった。ちょっと追い込みをかけて、このページで海芝浦支線と大川支線の終点を見てみたい。



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真ん中の終点は米軍の石油基地で写真撮ると怒られるらしいので行かなかった

さて、浜川崎駅で電車に乗り、鶴見線本線と海芝浦支線が分岐する浅野駅にやってきた。本線は直線のホームだけど、海芝浦支線はその手前で分岐していて、ものすごく急な曲線の中にホームがあった。そしてそのホームの先端から見た分岐部分がまたかっこよかった。


この広々とした場所、改札です 本線から分岐した急曲線のところにホームがある

かっこいいポイントは写真を大きくしてしまう

乗り換えのため浅野駅でしばらく待っていると、この駅にも猫が住んでいることに気づいた。特に黒猫が3匹仲良く寝ていて、ここの番猫のようだった。


一匹は尻尾の先だけ白くて もう一匹は胸に白いワンポイントがあった

その後、ようやく海芝浦行きがやってきて、あっという間に海芝浦駅に到着。ここは東芝の工場専用の駅で、一般人は降りられない駅としてあまりに有名。デイリーポータルZでも過去にライター乙幡さんが紹介しているので、今日は折り返しの電車に乗ってすぐに脱出。駅は乙幡さんが訪れたときとほとんど何も変わっていなかった。

一緒に乗ってきた人々も、ホームで写真撮ったりしているものの、ほぼ皆さん所在無さげにうろうろしていた。駅で降りられない、というだけで、みんな挙動不審になってしまうことが分かった。


過去何人がこのアングルの写真を撮っただろうという構図 しかしやはり眺めはいい

日が暮れてきた!

 

最難関の大川駅へ

海芝浦は降りられないけど、そのひとつ手前の新芝浦駅は降りられる。つまり海芝浦支線で最後に降りられる駅だ(2つしか駅ないけど)。なので意味なく降りてみた。

改札を出た目の前がもう工場のゲートで、一般道の終点だった。すごい、ギリギリ東芝エリア外!


同じ工場でも部署でここの人と海芝浦の人がいるのだろう 目の前が工場のゲートで一般道の終点

降りたはいいけど、どう乗換検索しても最後の終点、大川駅に行く電車はあと1時間以上やって来ない。なので、大川駅まで歩くことにした。

鶴見線、全体的に昼間は本数少ないけど、特に大川行き少なすぎ!何しろ、いちばん最初に浜川崎駅に着いたときから、大川行きを検索するとこの時間だったのだ。


というわけでもう一度浅野駅を通って その隣の安善駅を歩いて通過
でもタンク車のヤードがあったので寄り道 さらにその隣の武蔵白石駅も通過

海芝浦支線沿いの道から本線沿いの道に入ってひたすら歩き、武蔵白石駅の先で曲がって、とうとう今日最後の終点、大川駅に続く大川支線沿いの道を進んだ。途中に合った踏切からのぞき見した大川支線は、ここを本当にお客を乗せて電車通るのか、というまるで貨物線のような雰囲気。


ここ本当は貨物線じゃないの あれが終点か!

分岐してから1kmほど歩いて、あっさり大川駅に到着。いや、今日1日で鶴見線のいろいろな駅を見てきたけど、大川駅の年季の入り方はすごい。こんな駅舎が平成の世も残っているとは!


とてもJRの終点駅には見えない もう東京オリンピックも大阪万博も終わってるよ

そして、ここでさらに衝撃的な事実を知ることになる。本数が少ない少ないと言っていた大川支線、時刻表を見ると、何と土日は3往復しか走っていなかったのだ!朝の8時台の次が夜の6時台、しかも最終。平日も朝晩のラッシュ時だけの運転で9往復と、ものすごい過疎路線。


1時間1本、とかじゃなくてまったく走らせない潔さ

最後に、もうひとつだけ見ておきたいところがあった。この駅もグーグルマップで見ると、駅前の工場に線路が引き込まれていて、その中に黄色い貨車が停まっているのが見えるのだ。



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今日も黄色い貨車は停まってるかな

この貨車、今日も停まっているだろうか、と思って、駅の東側にまわってみると、結果は一目瞭然だった。


入口は塞がれ、ポイントは埋められていた 貨物ヤードだったところも雑草伸び放題

恐らく、以前は昼間の電車が来ない時間帯でも貨物列車の出入りがあって、少しは賑やかだったのではないだろうか。でも、工場の入口は頑丈に柵が張られ、線路上の雑草は伸び放題。その貨物輸送も現在では行われなくなったようだ。


1日数本の電車が来るホーム以外は雑草に埋もれた大川駅

その後、少し寂しい気持ちになりながら、6時1分発の最終で帰った。


最終が出る頃にはそれなりに人が乗ってきた

ローカル線すぎる

実際に行ってみたら、たくさんある支線はすべて貨物輸送が行われていた(海芝浦支線も東芝の貨物がたまに走るらしい)。恐らく、歴史的にも最初は貨物線として開業し、そのあと工場に人を運ぶようになったんだと思う。でもそうなると貨物列車がなくなった大川支線は採算取れるんだろうかと思ってしまう。大川駅前からもバスがたくさん出ているのだ。

でも東京から近い場所にこんな本格的すぎるローカル線が走っている、というのは面白かった。ぜひ乗り継ぎとか調べないで行ってください。

草ボーボーの中に踏切があって、そこを渡る人たちがまるであの世の景色だった

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