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ひらめきの月曜日
 
ロウソク6本あれば米が炊ける


このサイズのロウソク6本で米が炊ける。

いつごろその映像を見たのかハッキリと覚えていません。10年ぐらい前だった気がします。

テレビを点けてチャンネルを変えていた時、たまたま放送されていたものを見ました。どのチャンネルだったかも覚えていません。NHKだった気がします。

ただ、よく覚えているのは、仏壇にあるような普通のロウソクを使って米を炊いていたこと。たった6本のロウソクでふっくらと米が炊き上がっていたのです。

馬場 吉成



記憶を図にしてみた

その番組は、災害対策の方法を教えていたのか、アウトドアの便利技を教えていたのか。今となっては全く分かりません。とにかく、米と水の入った容器の下にはそれほど大きくない6本のロウソク。容器の周りにはアルミホイルで作られた筒が被せられていました。記憶を元に図にするとこんな感じです。


容器は何か適当な台に乗っていたと思う。筒が重要な役割を果たすらしい。

番組では「下で燃えるロウソクの熱が筒状のアルミホイルと容器の間を抜けることでロウソクの熱を最大限に活用し、少ない火で米を効率よく炊ける」なんてことを言っていました。多分。

確かにそのままでは容器の側面で熱が拡散するので、この方が熱効率はいいでしょう。こんな形状の鍋もあります。しかし、ロウソク6本とはいくらなんでも少なすぎないだろうか?本当にそれで米が炊けるのか?

 

まずは1本のロウソクで実験

もしかしたら、あれは何かのお笑い番組の冗談だった可能性もあります。その後、時々思い出しては色々ネットで検索してみたのですが、ロウソクで米を炊く方法に関する情報は見つかりませんでした。

となれば実際に自分でやってみるしかない。まずは道具をそろえます。


ロウソクは長さ100mm直径9mm。容器はキャンプ用の直径110mm高さ120mmのチタン製。網は100均の適当なもの。

具体的な容器やロウソクのサイズが分からないので、容器は家にあったキャンプ用のもの。ロウソクは仏壇などでよく見かける長さ100mmの物を用意しました。燃焼時間は約1時間。


4mm厚の沢山の画用紙で高さ調節。火を使うけれど網の端まで熱くなるほどではないのでこれで大丈夫。

更に厚画用紙を切って沢山の短冊をつくり、重ねて鍋の高さ調節にしました。これでロウソクが燃えて短くなっても火の先端が鍋底に当たるように出来きます。

 

まずは1本で燃焼実験

いきなり6本のロウソクで米を炊くのもいいですが、ある程度可能性を探るため、まず1本のロウソクでどのぐらい加熱できるものなのか確認します。


置いた板に火が移らないように缶詰のフタへロウソクを立てる。やっつけ仕事感上昇。
換気が出来るようにガスレンジの上にセット。下のレンジに火をつけたら大変なことになるので注意。

容器に水200mmlを入れてロウソクに点火。この後、ロウソクの炎が鍋底に当るように厚画用紙で高さを調整。
最初の20分ほどで50度ぐらいまで上昇。最終的に1時間後60度過ぎまで温度上昇。

200mmlの水を1本のロウソクでアルミホイルの筒を使わずに加熱してみました。その結果、20分ぐらいで50度まで上昇。後はゆっくり65度近くまで上昇。およそ1時間で燃焼終了。

このことから考えて、水1gを1度温度上げるのに必要な熱量が1calなので13000calで・・・4本あれば沸騰状態で・・・容器の比熱と米の熱の吸収を考慮して・・・沸騰状態が10分から15分・・・

えー、面倒な話が続くのでこの辺りはバッサリ切りまして、結論として1合ぐらいの米なら問題なく6本で炊けそうです。というわけで早速炊いてみましょう。

 

炊飯開始

まずはロウソクを準備。先ほどと同じく缶のフタに貼り付けます。貼り付けたら網の下にセットして燃焼部は準備完了。


ロウソク、網セット完了。多少間隔を開けてロウソク同士を配置したが後で問題となる。

続いて米を用意。研いで30分ほど水に浸して容器へ。想定量の水を入れて米もセット完了。


米1合に水180mml。きっちり量って入れます。

通常米を炊く場合は米の容量を1とすると、1.1〜1.2ぐらいの水を入れるのが普通です。今回は開始から10分程度で沸騰状態になり、その後10分程度は沸騰状態が続くように少し少なめに水を入れています。炊き上りが硬くなるかもしれないが、食べられる状態で炊けることを最優先。

では、容器の周りにアルミホイルの筒を作り、ロウソクに点火します。


容器にトッテがついているので大雑把な筒。熱の拡散ぐらいは抑えてくれるはず。
6本点火。フタが反っていたので近すぎるロウソクもあるがそのまま続行。

ロウソクが短くなるとともに厚紙を抜いて低くしていく。
予測通り10分ほどでゴゴゴゴッと沸騰音が聞こえてきたのでフタがずれないように皿で重石。

予測通り、容器内の水は10分ほどで沸騰状態に達した模様。中からゴゴゴゴッと音が聞こえてきます。このまま10分から15分程度この状態を維持。最後に火を最大限に近づけて再加熱したら蒸らして炊き上がり。

そのはずでした。

 

予想外の事態

沸騰状態に達してここまでは順調と思っていた時。あることに気づきました。


ロウソクが妙に短くなってないか?

1本だけ燃やして確認した時よりも遥かに早くロウソクが短くなっているのです。15分程度で既に半分を切る勢い。


1本倒れた!これはまずい!

そうこうしていると、ロウを垂らして立てていた6本のろうそくのうち1本が倒れました。その影響で一気に他のロウソクも減少スピードが速まる。


ロウが溢れてもはや手がつけられない・・

ああっ・・・

鎮火。早いよ・・・

最後は手のつけられない早さで燃え尽きました。どうやらロウソクが密集していたため、他のロウソクの熱で燃焼が早くなったようです。設計ミス!

一応燃焼時間は25分ほどありました。最後の再加熱は出来なかったものの、沸騰時間はなんとかなったと思われます。20分間の蒸らしの後、フタを開けてみました。

 

結果オーライ


ロウソクでの加熱なので容器表面はかなりススで汚れる。触るとなかなか落ちない。
フタを開けると表面は普通の炊き上がり。成功か?

フタを開けてみると炊き立ての米の香りがしっかりしてきました。表面の見た目は問題ありません。


中も問題なし。見た目は上手く炊けている。酷く焦げ付いていることもない。
底はやや水が残ったようで柔らかい感じ。しかし、概ね成功。

かき混ぜてみても見た目としては全く問題なく炊けています。底の方はやや炊き方が甘い感じになってはいますが、食べるのには何ら問題ない程度。

どうやら沸騰状態が十分続いた後にロウソクが急速に短くなり、焦げ付かせることなく上手い具合に火が弱まった模様。再加熱が出来ていたら完璧だったかもしれません。燃え尽きるのが早く焦りましたが、結果としてあの燃え方はかなりいい火加減を作っていたのかもしれません。

では、実際の炊き上がりはどうでしょう。


実食して確認。味を見るため米のみで食う。

舌触り問題なし。ふんわり柔らかい噛み応え。芯など無し。米の甘味も十分。

ロウソク炊き米旨いよ!

薪なんて要らない

計算していたとはいえ、ロウソクで米が炊けるのは意外でした。芯が残ったり、酷く炊きムラが出来たりするのかと思ったらそんなこともない。非常に綺麗に炊けました。

今回は最低何本で炊けるとか、何本あれば味噌汁が出来るとか。そういった調査まではページの都合行っていません。予測では2本あれば味噌汁は作れそうです。米を炊く容器もサバメシサイズにすれば、ロウソクはもっと少なくて済むでしょう。

いずれにしろ、緊急用品にカセットコンロがなくてもなんとかなることが判明。ロウソクさえあれば煮炊きが可能です。いざと言うときに備えて常備すべし!

いざと言うときに米の飯が食いならばこれだけのロウソクを用意しておくべし!あと水と適当なサイズの容器。もちろん米も。

 
 

 

 
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